奥様の圧倒的な存在感
前回の記事で紹介したとおり、転職希望者は活動を始めても誰かに相談するのが難しく、孤独になりがちです。再掲になりますが、2015年11月に転職会議が実施した「既婚男性の転職活動に関する実態調査」で、活動時に誰に相談したかを聞いたところ、次のような結果となりました。
- 奥様には相談する:40.4%
- 兄弟、姉妹には相談する:10.8%
- 両親に相談する:31.1%
- 会社、学生時代の先輩には相談する:23.5%
既婚男性の転職活動におけるパートナーは、やはり「奥様」です。実に半数近い方が、自分の妻に転職について相談しています。相談時期としては、全体の約80%が「転職活動前」と答えており、「内定をもらったタイミングで相談する」と答えた方は、わずか2.8%でした。このことから、奥様が転職活動のカギを握っているという実態が伺えます。
実は、人材紹介における業界用語で「嫁ブロック」という言葉があります。「妻が反対したので…」と内定を辞退したり、転職活動をあきらめたりすることを指します。人材紹介会社などから見ると、転職者の活動の妨げになってしまうため、こんな呼び名が付けられました。業界の方にお話を伺うと、かつてはほとんど見られなかった「嫁ブロック」ですが、昨今では増加傾向にあるとのこと。
こうした傾向は、今回の調査結果にも表れていました。「奥様へ相談した結果、応募先企業を辞退したことはありますか?」という問いに対して、「辞退したことがある」と回答した既婚男性は32.1%にのぼります。3人に1人以上が奥様の意志で内定を辞退しています。
嫁ブロックの本質は...
一方、奥様へ相談した男性自身はどのように考えているのでしょう。
「奥様への相談は大事だと感じましたか?」という問いに対しては、74.6%が「大事だと感じた」と回答。「まぁまぁ大事だと感じた」という回答も加えると、90%を超えています。やはりほとんどの転職希望者が、奥様に相談することは重要だと考えており、転職活動における、奥様の存在感が浮き彫りになりました。
自由記述でその理由を聞いたところ、600件以上の回答がありました。
最も代表的な意見を紹介します。
- 「一生のパートナーなので。」
- 「生計を一にする、最も重要なパートナーだから。」
- 「人生を一緒に歩いているから。」
- 「仕事は自分だけのことでなく、家族の協力があって初めて成り立つことだから」
- 「家庭がうまくいかないと仕事に影響します。子供も居るのでなおさらです」
- 「とりあえず採用されたところに何も考えず行こうとしたら『そこはブラックだからやめろ!』と客観的視点でとどまらせてくれた」
- 「自分には見えていない部分が見えているから」
- 「言わないと後で怒られる」
- 「後で文句を言われても困るから」
「一生」「パートナー」「人生」「一緒」といった夫婦の絆を感じさせる重みのある言葉。「怒られるのを回避するために」という恐妻家ならではのコメントもありましたが、「客観的なアドバイスをもらえる」など、長い時間を共にしているパートナーとしての重要性や信頼感に基づくものが、全体のほとんどを占めました。
妻の判断で転職するかどうかを決める「嫁ブロック」――。
言葉だけを捉えれば、夫の優柔不断さや、理解のない妻の姿を想像してしまうかもしれませんが、今回の調査を通じて見えてきたのはお互いの絆や信頼でした。 「嫁ブロック」は、あくまでも、転職を成功させたい人材紹介会社の用語です。転職は常に前向きなものとは限らず、特に「現職を辞めたい」という感情が先立つ場合、客観的な判断がしにくくなってしまうケースもあるでしょう。 そんなとき、一番身近にいる奥様の存在と、将来を見据えたアドバイスには、真剣に耳を傾けるべきではないでしょうか。
次回は、転職における奥様が果たす役割を、さらに深く掘り下げた調査の分析結果を紹介します。ご期待ください。
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