転職会議レポート

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  • 「日本に、新たな食文化を創る」。成功と成長への情熱で突き進んだデリズの次なるステージとは【PR】
  • デリバリー事業を始めた2007年以降、一貫して「デリバリー文化創り」に挑み続けてきた株式会社デリズ。日本ではまだ馴染みの薄いデリバリーに着目し、かつてないサービスを展開することで飲食業界に新しい風を吹き起こしたパイオニア企業です。そのデリズが今掲げているのが「労働環境の改革」。どのような想いでデリズという企業が生まれ、何故今、労働環境改革に取り組んでいるのか。代表取締役の井土社長をはじめ、営業部チーフマネージャーの久保さん、経営企画室室長の長谷さんにお話を伺いました。
  • 「日本に、新たな食文化を創る」。成功と成長への情熱で突き進んだデリズの次なるステージとは【PR】
  • デリバリー事業を始めた2007年以降、一貫して「デリバリー文化創り」に挑み続けてきた株式会社デリズ。日本ではまだ馴染みの薄いデリバリーに着目し、かつてないサービスを展開することで飲食業界に新しい風を吹き起こしたパイオニア企業です。そのデリズが今掲げているのが「労働環境の改革」。どのような想いでデリズという企業が生まれ、何故今、労働環境改革に取り組んでいるのか。代表取締役の井土社長をはじめ、営業部チーフマネージャーの久保さん、経営企画室室長の長谷さんにお話を伺いました。

(左)株式会社デリズ 営業部 エリアマネージャー 久保雄也さん、(中)同 代表取締役 井土明厚さん、(右)同 取締役 経営企画室室長 長谷光宏さん。
 

第4の食文化”デリバリー文化”の創造を目指して

――創業から昨今の社内制度の改革に至るまで、どのような経緯があったのでしょうか。

井土社長:僕は21歳の時に起業してここまできたのですが、元々「成功したい」という強い気持ちがありました。成功について書かれた本を読んだりだとか、色々な方から話を聞いたりしてきたなかで、成功する方法は「他の人より早く始める」か「他の人の2倍3倍努力するか」のどちらかが必要だと考えました。これらに素質的なものが兼ね備わったとき、はじめて人と違う結果が生まれてくるというのが僕の思想の根本にあります。

僕らはデリズという会社を経営するにあたり、「デリバリーの文化を創っていきたい」という一つの大きなビジョンを掲げています。どういうことかと言うと、皆さんが空腹を満たす方法を考えたとき、大きく3つの食文化があると思います。自分で作るか、お店に食べにいくか、食品を買いに行くかの3つです。どの方法を利用するかは各々の習慣によって変わりますが、おそらく、この3つの手段で空腹を満たしている方が殆どだと思います。

弊社では、この3つに続く4番目の文化として、お腹が空いたときに何かを注文するという「デリバリー文化」を創るというビジョンを掲げています。元々は自炊しかなかったところに外食という文化ができ、外食産業が急激に伸びた結果、今の外食産業があると思います。かつて外食は当たり前のものではなく、特別な日や、特別な人でなければ行けませんでした。ところが、外食産業の発展により、誰でも毎日外食ができるような、安くておいしいものが食べられる社会ができあがりました。これは外食産業に携わる方々が頑張った結果です。その次に、便利さをウリとするコンビニが普及し、第3の文化である「何かを買いに行く」が人々の生活に根付きました。ちょっとした時間で手軽にお昼御飯が食べられるようになったことは、コンビニ業界の皆さんが活躍した結果だと思います。

これらに続く、4番目の食文化が「デリバリー文化」です。おいしい料理が家に届くサービスは今まで当たり前ではなく、料理の種類もピザやお寿司くらいに限定されていました。もし、色々なおいしい料理が毎日家に届けられるようになったら、それがごく普通のことになっていくのではないでしょうか。いずれ、デリバリーが当たり前の社会になると思っています。

僕が事業を始めたのは10年程前なのですが、その頃は楽天やAmazonなどが少しずつ業績を伸ばしている時期で、モノを家に届けてもらうサービスが広まりつつありました。今では、クリックするだけで商品が買えることが当たり前となっています。実際、僕もほとんど外に買い物へ行きません。モノを自宅に届けられる時代が既に来ているのだから、食事も届けられる時代になるだろうと考えています。ところが、マーケットを見たときに、デリバリーのリーディングカンパニーが無いように思えました。居酒屋と言えば○○、ハンバーガーと言えば○○というものが、どの業界にも必ずありますよね。でも、「デリバリーと言えば○○」というものはない。そういった時代背景の中、「他の人がやっていなのであれば、僕らがやるのは、すごくやりがいがあるよね。」というところからデリズは始まりました。

第4の食文化として「デリバリー文化」を創るのは、非常に大きなビジョンです。当然、実現は簡単なことではありません。最初の話に戻りますが、成長するためには、人の2倍・3倍働くのが当たり前で、高い山を登るためには、人の何十倍も努力が必要です。でも、それを登り切ったときには、登った人にしか見ることのできない景色が見えたりだとか、過去に悩んでいたことが「なぜ、あんなことで悩んでいたのだろう?」と思えるような成長を実感したりといったことがあると思います。夢を描くことやビジョンを達成するのは素敵なことですが、もし仮に達成できなくても、達成に向けて進む過程の中で成長しています。仮に7合目までしか登れなかったとしても、あるいは、5年で頂上まで行こうと思っていたが結局10年かかってしまったとしても、いつかは頂上へ行くことができます。一つだけ言えることは、去年より確実に成長しているということです。

全ての社員へ“成長”のチャンスを提供

この“成長する”というところに、働くことや生きることの意味があるのではないかと僕は考えています。会社それぞれで、給与以外の+αで何を得るかのベネフィットが大切だと考える中で、デリズという会社は、「成長」というベネフィットを与えられる会社でありたいと思っています。店舗展開を行うのも、困難にチャンレジするのも、全ては社員に成長してほしいという価値観に基づくものです。その根幹は今も変わっていませんが、それを望んでいる人にとってはとてもやりがいのある職場である一方、万が一それを望んでいない人が無理強いをされてしまうと、ただ単に過酷なだけの会社になってしまうのも事実です。そうした観点からすると、過去には離職も多くありましたし、ビジョンに共感して入社していただいても、登る傾斜が高すぎて離脱していく人が非常に多い時期もありました。

ですが、そんな中でも会社は少しずつ変化しています。僕はよく社員に「言っていることがガラリと変わるときが来るよ」と話しています。どういうことかと言うと、最初は「人の2倍・3倍働こうね」ということが美学でした。でもあるときから、「単純に時間だけで人の2倍・3倍働くことは、無力な人間がやることだ」と言うようになるときが来ると社員には話していました。丁度ここ1~2年が、そういう時期にきているかなと思います。ビジネスモデルが形になってきたことで、環境が変えられる状態になりました。

あとはやはり、いくら「僕の考えはこうだ」と言っても、働く人の考え方がそうではなかった場合、それはミスマッチになりますよね。僕らはお客様相手のビジネスを行っているので、お客様が望んでいるものを提供して、その対価としてお金をいただいています。それと同じで、働いている社員達も何か得たいものがあり、それと交換していくことが仕事だと思っています。最近の世の中の流れの中で、それは成長や自己実現、お金ではなくなってきていることは間違いなく言えると思います。全員ではないにしても、圧倒的にその数が減っているのは事実です。そのため、会社もその方向に振っていかないと「あそこでは働かない」と、社会から抹殺されてしまいます。お客様から指示されていたとしても、そもそも、一緒に創ってくれる人がいなければ、会社は成り立ちませんので。

そういった観点からすると、メニューを変えていくように、この会社で働くうえでのベネフィットを変えていく必要がある。これまでは、福利厚生等については、「そんなのどうだっていい」というのが僕の本音でした。それよりも、仕事を通じて得られる成長ややりがいの方が大事ではないかと考えていた時期もありました。でも最近、「それは違うな」と僕の考えが変わりました。そういった僕の考え方の変化や会社の成長に合わせて、少しずつ社内の労働環境が変わってきたところです。5年くらい前までは残業を減らすなんて考えていませんでしたが、今では残業をしないようにと従業員に伝えています。

デリバリーへの情熱はそのままに、企業体質の抜本的な見直しへ

――これまではある意味開拓期で、会社が成長したことにより、労働環境を整えるフェーズに突入したということですね。

井土社長:そうですね。今、上場を目指している時期だというのも大きいと思います。このビジネスを始めたときから、いずれ上場をするということは決めていたのですが、上場できる企業は限られているので難しい。そもそも、法律を守らないと上場できないので、法律をしっかりと守ったうえでビジネスを行おうという段階に入ってきたところです。

創業間もない頃は、「まだ誰も成し遂げたことのないことをしよう」というメッセージを発信していました。響く人には響くのでしょうが、実際に響くのは10人中1人か2人です。でも、当時はそれでよいと思っていました。どの事業でもそうですが、皆が普通だと思うものは流行りませんよね。それは社員に対しても同じで、10%の社員、20%のお客様に愛される会社を目指して、先程のようなメッセージを送っていたわけです。

ただ、今は拡大期に入ってきたということもありますが、段階的に多くの人に入社してもらって、色々な人が色々な価値観で働ける場を目指しています。以前は社内の価値観が明確で、合う人には合うし、合わない人には合わない社風をあえて創っていました。色々な人がいて、それぞれが素晴らしい。その人だけが持つ素晴らしいところを会社に提供してもらって、チームとして頑張っていこうというメッセージに今は変わっています。

――様々なタイプの社員が増えてきたことで、社内が活気づいたと感じることはありますか?

井土社長:ありますね。以前は特定の人だけと言うか、同じ考えを持っていない人は排除するような雰囲気があったと思います。理念やビジョンに強烈なロイヤリティを持っていないと居づらかったかもしれませんね。今は、色々な方が共存できるような状態になっています。

――井土社長自らが、社員の方々に直接メッセージを送る機会は多いのでしょうか。

井土社長:毎月1回、「Dスクール」というものを開催しています。これはスタンフォード大学で見たd.Schholに感銘を受けて導入した社長塾のようなもので、色々な角度からみんなで勉強をしています。また、月に2回は全員が集まり、社員全員に業績の公開をしています。他にも、年に1回合宿をしてセミナーや経営方針発表会を行ったりするなど、なるべく社員が集まる機会は増やそうと思っています。

店舗で頑張ってくれている社員はたくさんいるのですが、なかなか店舗で話す機会はありません。これが外食の場合だと、僕が店舗に行ってお客様の様子を見ることもできるのですが、僕らは宅配事業なので、店舗に行ってもお客様の顔が見られるわけではない。なので、どうしても店舗に行く機会が減ってしまいます。そういった事情から、コミュニケーションが少なくなってしまいがちなのは事実なので、そこをカバーできるように色々と工夫をしています。

――そうしたイベントを通じて、社員の団結力を高めているのですね。

井土社長:そうですね。でも、それも過去の失敗から学んだことですね。先ほど話題に出ていた僕からのメッセージも、距離が離れていくと何かと大変。やっぱり、社員の皆は店舗で戦っているので。店舗は店長とアルバイト数名という組織だったので、新卒で入社した社員などは、年上のアルバイトともコミュニケーションを取ろうとすると、どうしても心が折れやすくなってしまいますよね。なので、みんなで労い合ったり、ときには愚痴を吐き出し合ったりできる環境がないと、なかなか難しいなと思います。

僕は昔、そういったことを行うこと自体がナンセンスだと考えていました。「困難は自らの力で乗り越えていかなければ」と思っていたので、そういった部分への配慮は無かったし、意図的にそうしていた部分もありました。当時は寧ろ、「どうせ高い山を登っていくのだから、今の時点で弱音を吐いている人は足手まといだ」と考えるような価値観でした。

失敗体験がきっかけで訪れた“会社の転機”

――当時と現在とで、価値観がガラッと変わっていますね。何かきっかけがあったのでしょうか。

井土社長:価値観と時代の両方が変わったと思います。きっかけとしてあえて挙げるなら、「強い人ばかりではない」と気づいたことですね。自分で言うのも何ですが、僕は結構メンタルが強いと思います。そのため、かつては自分と同じものを社員にも強要してしまった部分はあると思います。

やはり、困難であればあるほど、乗り越えた時に成長できますよね。僕らは、成長の過程で生じる困難や苦難を「成長痛」と呼んでいるのですが、どれだけ成長痛を味わったかによって成長率が変わるから、あえて追い込めという雰囲気がありました。しかし、無理に追い込みすぎても潰れてしまう。ジムでトレーナーさんがフォローをしてくれるように、やはり仕事でもフォローやバックアップが必要ですよね。だからこそ、段階を踏んで教育していく制度を整えなければという風に考え方が変わりました。

また、これも僕の失敗談なのですが、これから事業を大きくするぞというときに、新卒ばかりを採っていました。新卒採用媒体の営業マンから、「中途市場には良い人材がいない」と言われ、真に受けてしまいました(笑)。僕の過去の価値観では、優秀な人材はこちらが手取り足取り教えずとも、自ら学び、作り上げていける人材だろうと思っていたのです。そのため、実際に新卒が入社してきても、何も教育しないままでした。

その後、優秀な人材であるかどうかと、教育する必要の有無は別物だと気づきました。結局、教えられる人が全くいない状態で新卒ばかりを入社させてしまった。それが僕の大失敗です。なので、一度体制を立て直し、中途採用で優秀な人材を採用して教育の場を作り、そこからまた新卒採用を再開することになりました。どちらかと言うと、今は中途で良い人を採用して、基盤を固めているところですね。中途でも優秀な人たちとご縁があり、今までのデリズにはない仕組みや労働環境といったものを組み立てていきながら、生まれ変わっているなと感じます。

――中途採用は、貴社にとって本当に大きな転機ですね。

井土社長:そうですね。中途市場にも優秀な人はいました(笑)。なんでもかんでも、極端すぎるのは良くないですね。物事はバランスが大事だと実感しました。

――中途で入社される方は、飲食経験者が多いのでしょうか?

井土社長:飲食経験者が多いですね。弊社としては、教育体制が整ったので、飲食経験者でなくても全く構いません。調理経験の有無や技術の高さに限らず、マネジメント経験者が入ってきてくれたことで、仕組みが大分整いました。以前は、仕組みよりも気合で押し切っていたので。元々僕自身が何もないところから会社を創ったこともあり、やる気があれば誰でもできるという考えが根底にありました。それを人に押し付けてしまった時期もありましたね。

――ここまで企業を成長させる中で、先ほどの新卒採用以外で印象に残った失敗談はありますか?

井土社長:沢山ありますよ、毎日失敗しています(笑)。採用や教育に関することだと、以前は評価制度がなかったので、社員は色々と不満があったのではないかと思います。誰かが昇格したら「何故あいつが」という感情が恐らくあったと思うし、明確な評価制度がないと、僕は全く好き嫌いで選んでいなくても、「あいつは社長に気に入られているから昇格した」という憶測が生まれていたと思います。と言うより、実際、そういった声は僕のところにも上がっていました。「昇格の基準は何ですか?」という質問も受けていましたが、僕の答えは「想いじゃない?」のような曖昧なものだったので、余計にそう感じさせてしまったのかもしれません。今は明確な評価制度ができて、わかりやすくなってきたのかなという感じはありますね。
 

当時の僕は、「ビジョンが明確だから、そこに到達するために何をすればいいかはみんなで考えたらいいじゃないか。」と考えていました。自分で考えられる人にはそれでいいかもしれませんが、そうでない人は、こちらが教えてあげないと全くわからない。3年後のビジョンを訪ねても、想像できなくなってしまいます。でも、それができる人は少なくて、やはり会社がきちんと決めてあげて、ここまでできたらこうなれるよ、そのためのあなたの課題はこれだよと、段階を追ってあげることによって働きやすくなるのだなということが、最近わかりました。僕はそういったガチガチに決められるのは嫌なのですが、ただ僕のそういった価値観のようなものを今まではみんなに押し付けていた。それではダメだとここ数年で反省し、みんなの意見を聞いて、少し会社っぽくなってきたかなと思うところです。

社員の人柄と企業文化に惹かれ、飲食の道へ

――久保さんは、学生時代に参加した合同説明会がきっかけで入社されたそうですね。

久保さん:そうです。合同説明会の会場に社長が来ていて、「なにやら凄い人がいるな」と。説明会の会場にわざわざ社長が来ている企業は他になくて、ブースが非常に盛り上がっていました。

本当のところを言うと、当時、僕は飲食業界になんの興味もありませんでした。大学でスポーツ学部に所属していたこともあり、元々はスポーツ関係の企業へ就職つもりだったので、飲食関係の企業のブースに行く予定は全くありませんでした。一緒に説明会に参加していた友人の先輩がデリズで働いていて、その友人から「ちょっと付き合って」と頼まれたことがきっかけでブースを訪れました。そこで色々と説明を聞いて、面白そうだなと思ったこともそうですが、ブースにいた社員の皆さんがこちらの話をとても親身に聞いてくれて、魅力的な人が多い会社だなと思って興味を持ちました。社長も社員の皆さんも、人がいいということは非常に印象的でした。「この人たちと働くと楽しいだろうな」と感じたことが入社のきっかけですね。

――若くしてエリアマネージャーというポジションに就いていますが、元々マネジメントに興味はあったのでしょうか。

久保さん:マネジメントに興味はありましたが、入社したときは店長が最終目標だったので、最初は「1つの店舗を任せてもらえたらいいな」程度の願望でした。でも、働く程にやりたいことが増えていきました。元々は福岡で働いていたのですが、より活気のある場所を求めて東京に来て、担当する店舗を増やしてといった具合に、やりたいことを追い求めた結果、今のポジションになりました。責任あるポジションに早くから就けるというのも、入社を決めた理由の一つです。

入社から5年間で環境は激変。ワークライフバランスの変化を実感。

――先程の井土社長のお話で、丁度「開拓期」と言われる時期に入社されていますよね。ここ最近で、会社が変わってきたと感じることはありますか?

久保さん:180度変わりましたね。社長の成長を目指す姿勢の軸は変わっていませんが、やり方が変わったと思います。そういう意味では、転職した気分といっても過言ではないくらいです。井土社長も考え方が変わった例として挙げていたように、かつては“残業して当たり前“という風土がありましたが、今では“残業は良くない”という風土に変わりましたし、僕自身も「残業しないように」と言う立場になりました。入社当時は一切そんなことは言われませんでしたし、僕自身も自分の成長に繋がるなら残業しても平気だと思っていました。なので、まだ少し言い慣れない部分はあります。でも、今の会社ではそれが大切でやるべきことの一つですし、本音の部分では僕も残業はできればしたくない方ではあったので、自分の理想に近い状態に近づいたのかもしれません。

――やはり、昔は残業も多かったのでしょうか。

久保さん:残業は確かにありましたね。他にも店舗のことが気になって、休みの日でも様子を見に来てしまうこともありました。当時は、そういった四六時中仕事のことを考えていることが美学とされる風潮はあったかもしれません。もし今同じことをしたら、「来るな」と怒られてしまいます(笑)。上からもプライベートを大事にするよう言われているので、制度自体もそうですが、考え方そのものが変わったと感じますね。

――そのような働き方や考え方は、現場にも浸透してきたと感じますか?

久保さん:そうですね。僕からも、「もし店舗のことで何か気になることがあれば、代わりに対応するから休んで」と伝えています。とは言え、まだまだ変わっている途中なので、追いついていない部分があるのも事実ですね。でも、そういった方向性に会社全体の意識が向いているのは事実です。この点については、今度の合宿でも社長から話をして、皆で再認識することになると思います。そういった場がきちんと設けられているのも良いところだなと思います。

――働き方や数字について、社員同士で話し合う場は多いのでしょうか。

久保さん:やはり多いですね。今日も朝から話し合っていたくらいです(笑)。「最近、どうなの?」って。僕自身、現場にいたときは「上の人は現場をわかってくれないのでは?」と思っていた時期もありましたが、今の立場になってみて「現場に伝わっていないのでは?」と思うようになりました。現場の人に伝えきれていないことがあるのではと思い、社長や役員を除いた状態で、現場社員と本音で話し合う機会を設けました。現場には僕より年上の方もいるのですが、そういった部分は一度全て無視して、思っていることを全て吐き出してもらいました。そういった時間も、僕個人としては増やしていきたいですし、そうするべきだと思っています。自分が現場にいた頃、上層部とのコミュニケーション不足に不満を感じて退職してしまった方もいたので、こちらから歩み寄る姿勢が必要だということはひしひしと感じています。

「失敗しても気にするな」。若手社員の挑戦を歓迎する風土が魅力

――入社5年目の社員がそこまで自由にできるのは驚きです。若手社員の挑戦を歓迎する文化がありますね。

久保さん:それはかなり実感しています。どちらかと言うと、何もしないことを悪とする雰囲気があるので、挑戦して失敗したことについては寛大に受け止めてくれます。実際に社長から「久保が失敗したくらいじゃ会社はつぶれないから、どんどん挑戦して。」と言われたことがあります。新卒1年目のときに提案した内容がそのまま通ったこともあり、本当に良いのかと逆に不安になったくらいです(笑)。それでも、「もし失敗しても、久保に責任はないから。」と言ってくれたのが印象に残っています。

その分、こちらも頑張らなければならないので、責任を持たせてもらっているなと感じました。そこが僕にとってやりがいに繋がっている部分ですね。本当に、新卒1年目から意見をいったり、何度も提案をさせてもらったりしていました。正直、ダメなことの方が多かったのですが、フィードバックや、「次はこうしたらいいよ」とアドバイスを毎回もらえるのは嬉しかったです。これは僕が入社した当時から変わらないデリズの良いところだと思います。

ときには愚痴も聞いてくれますし、今振り返ると、その辺りはかなり寛容でしたね。他の会社に勤めている友人から「そんなのアリ!?」なんて言われたこともあります。僕は、自分の意見や提案を言えることが当たり前だと思っていたので、言いたいことが言えない環境があまり想像できません。そんなことでモヤモヤしているなら、ここに来ればいいのにと思ってしまいますね。

――営業部以外でも、自分から意見を発信している場面を見かけることはありますか?

久保さん:何度もあります。月1回の全体会議では、社長も含めた全員が集まるのですが、その時に他部署が意見を出している様子をよく見かけます。特に、中途採用で入社する方が増えてからはその傾向が強くなったと思います。

――中途入社の方が良い刺激になっているようですね。やはり、これから入社する方には、意見をどんどん発信してほしいとお考えでしょうか。

久保さん:それは本当にそう思っています。僕自身も、休みは取りたいときに取りたいですし、働くときはとことん働きたい。極端かもしませんが「自分が思うように会社が変わればいいな」位の意気込みがあっても良いと考えています。

自分がエリアマネージャーになって思うのは、部下との関係は“持ちつ持たれつ”だということです。僕自身も足りない部分はありますし、年上の方はその分経験があるので、学ぶことはたくさんあります。その分、僕が数字の部分で頑張ったことや、現場経験で学んだことを伝えることでコミュニケーションを取るようにしています。意見やアイディアを発信してもらえれば、僕にとっても非常に良い刺激を受けるので、是非発信してほしいですね。良いと思った意見は全力でフォローして実現させたいと思っているので、部下には自由に働いて欲しいですね。

“飲食業界=ブラック”のイメージを打破する企業を目指して

――今後の目標として、営業部のトップを目指しているそうですね。

久保さん:今のままでは実現できないことは分かっていますが、20代がトップでも面白いのではないかなと思っています。それ位の気持ちを持って取り組まないと、東京の数字は上げられない。現状に満足してしまってはそれまでなので、最終目標は営業部のトップです。年功序列が全く無く、結果に対して純粋に評価してもらえるのは面白いしやりがいを感じますね。結果を出せば評価されて給料や役職が上がるという点では、昔に比べて評価制度が本当に整理されたと思いまし、今後、さらに整備されていくだろうなとは感じています。

――次への具体的なステップが明確だと、やりがいも生まれますね。

久保さん:僕も以前はただがむしゃらに働いていたのですが、今は次のステップに行くために何をすればよいかがわかるので、登る側としても、部下に教える側としても助かっています。スキルの伸ばし方や、上のポジションへ行く方法を部下に聞かれても、これまでは具体的な答えを教えることができませんでした。今は、それぞれの部下に対して、具体的な目標や達成方法を伝えることができるので、教育しやすくなったと実感しています。

僕が新卒で入社したころは、とにかく目標に向かってがむしゃらに突き進むタイプの方が多かったのですが、今は、色々な登り方をする方がいます。そこが面白いところですね。アルバイトの方も含め、「こんな考え方があるのか」と驚くことも多くあります。それぞれの進み方に合った方法で教育する必要性をひしひしと感じています。従業員の多様性に対応できるように、僕ら受け入れる側が勉強しているところですね。

 

――今後、実現したいことを教えてください。

久保さん:会社の上場にもつながりますが、飲食業界はまだまだ“ブラック”というイメージが世間には残っています。そういったイメージを払拭できる企業になりたいですね。休むときはしっかりと休み、プライベートも大事にできればと思います。働く皆が「この会社は楽しい」と思えたらいいなと思いますし、プライベートでも仲良くできたらなとは思っています。仕事に対しても、プライベートに対しても、皆が楽しいと思えるようになってほしいですね。今はそれが実現しつつある状態なので、達成はそう遠くないと思います。数年前と比較すると本当に働きやすくなったので、なんだか転職した気分です。ですが、デリズの軸となる“成長”という面では変わらないので、成長できる環境を部下に与えていきたいですね。

労働環境を一新。誰もが働きやすい企業へ

――現在、貴社では労働環境の改善を最重要事項として掲げているそうですが、具体的な内容についてお聞かせください。

長谷さん:今の労務環境を、2ヶ月後にガラリと変更します。第一には、先程の2名からもお話させていただいたように、残業時間の削減です。店舗のトータルみなし残業時間を月200時間とし、原則、その中に収めるようにしています。また、もし超過した場合は残業代を全額支給することになっています。アルバイトの場合も同じで、残業代と有給休暇の消化を進めています。

――このような取り組みは、いつ頃から始められたのでしょうか。

長谷さん:半年ほど前から、こういった制度を整えておりました。とは言え、先程、代表の井土も話していたように、現場のスタッフはまさに戦ってくれている状態です。やはり目の前のお客様や従業員は大切なので、それにより社員の労働時間が伸びている。まずはここにテコ入れを行い、今年の6月までに残業を200時間以内に収めるよう各店舗の店長には指示をしています。それでも難しい場合は、物理的に店休を取らせるような方法で取り組んでいます。それが第一弾です。

第二弾として、昇降格の規定を従来の半期に一回にから、四半期に一回に変更しました。昇給のチャンスが年四回に増えたことになります。内容に関しても、久保が話していたように、今まではふわっとしていたと言うか、精神論的な部分があったので、階層やポジションごとに明確にやるべきことを決めました。組織図も見直し、役割や権限の整理も進めています。

――役割や権限の整理に関して、特に大きく変わったことは何でしょうか。

長谷さん:現場の社員については、特別なスキルは必要ないので、目の前のアルバイトの方とお客様を喜ばせることに注力をしてもらうようにしました。その代わり、売り上げなどの数字的な責任はマネージャー以上が持つことに変更しています。一般的な外食事業では、店長が売り上げに関する責任を持つこと多いのですが、今回の制度改革で、店舗責任者のうちは数値責任を負わないように変わっています。

理由としては、デリバリーで売り上げを上げることの難しさにあります。弊社は、ポスティングでチラシを配っているわけではないので、店舗レベルで売り上げを上げるには受注件数を増やすしかない。また、客単価に関しても、こちらから販売を行っていないので、ほぼほぼお客様次第。その状態で、売り上げが上がっていないことについて店長を責めても、店長側もどうしたらよいのかわからないですよね。なので、店長に数値責任を負わせるのは辞めました。とは言え、会社として数値を曖昧にするわけにはいかないので、マネージャーやチーフマネージャー、本部長など、営業に携わる人達が、商品開発の側面も含め、きちんと数字が取れる方法を考えるよう、階層ごとに責任と権限を分けています。これはこの5月から運用し、1年位かけて四半期ごとに運用していきながら整えていく予定です。

―教育制度や、福利厚生についてはいかがでしょうか。

長谷さん:教育制度に関して言うと、新入社員研修(OFFJT)の充実化を図りました。こちらは週1回の座学研修を行うもので、業務に関わる基本的な知識やマナーの会得を目的としています。新入社員の方には、合計で5回の座学研修を受けていただきます。

福利厚生については、「ベネフィット・ステーション」という福利厚生サービスに加入しました。様々な割引制度や福利厚生施設が利用できるなど、従業員が実際に使いやすいサービスが揃っているので、大きなメリットを感じてもらえるのではないかと考えています。他にも、社宅借上や引越し費用負担制度を導入するなど、労務環境の整備にも力を入れているところです。

過去の経験やスキルは不問。良い企業を創りたい方を募集

――貴社では、入社間もない方の意見が採用されることも多いそうですね、実際に採用された例を教えてください。

長谷さん:直近で言うと、飲食経験者で商品開発に携わっている人がいます。弊社では入社後すぐに商品開発担当になるということはなく、店舗で一通りのオペレーションは学んでいただくのですが、その方の場合、入社から半年くらいで商品開発に関わってもらっています。実際に、その方が提案した商品というか業態がリリースされています。6月で丁度入社1年になる方ですが、営業部と商品開発を兼任するかたちでマネージャーを担当しています。

――改革が進んでいる状況下で、どのような方と一緒に働きたいですか?

長谷さん:既に変わったこと以外にも、まだまだこれから変えていくところが非常にあるので、今から入っていただく方は、経験やスキルはあるに越したことはないですが、素直で真っ当な人であればどなたでも歓迎します。とは言え、我々は上場を目指しているので、労働時間の長さではなく、やることの変化という意味で、直近2年はキツイと思います。朝令暮改ということも実際ありますし。そこに対して、「何故変わったのだろう」と自分が納得できるまで考えられる方、もしくは、納得できなくても「何故ですか?」と聞ける方であれば、過去の経験やスキルにこだわりはありません。そういった方を採用していきたいと考えています。