1位 ハードワーク
曜日や時間は関係なく、営業マンはクライアントへの対応に、クリエイティブ担当は制作物の締め切りに追われています。それこそが広告代理店の“やりがい”でもあるわけですが、プライベートの変化や給与減などをきっかけに、長時間労働に嫌気がさしてしまうようです。
●拘束時間が長い。忙しい。自分の時間が絶対的にとれない。一見華やかな業界ではあるが、実際は華やかどころか社員はボロボロである。でも、やりがいがある仕事ではあると思う。実際自分もそのときは楽しく仕事をしていたと思う。ここで働くならしっかりと覚悟、意識を持ち仕事に取り組めるということが必須条件だと思う。(電通/20代後半 男性 法人営業)
●あまりの激務で退社を決めました。残業代は入社3年目の途中からつかなくなります。みなし残業で給与に含まれますがそれ以上の残業をします。人はとてもいいですし、仕事のやりがいもありますが、プライベートを犠牲にせざるを得ません。(博報堂/20代後半 女性 法人営業)
●多くのマスコミ系がそうであるように、長時間の残業をしているにもかかわらず、裁量労働という名ばかりの給与体系によって、全然残業代が出ない。残業が多い=業務効率が悪いという評価しかされず、多くの部署では、評価されるのは上司のご機嫌取りがうまい人ばかり。問題提起すると問題児扱いされて評価が下がる。働くことにやりがいを感じられない。給与の水準も低いので、良いのも入社5年目くらいまで。30代はどんなに働いても給与がガクッと下がる。(アサツーディ・ケイ/30代前半 女性 販促企画)
新聞・テレビなどのマスメディアが衰退しつつある昨今。セールスプロモーションやインターネット広告などの、手間がかかり、かつ成果を求められる広告に比重が傾いていることから、仕事量がさらに増えているのかもしれません。給与額そのものに対しては満足の声が多かったのですが、仕事量があまりに多く、やりきれないと感じる傾向があるようでした。
2位 独立・他にやりたいことがある
森本千絵、箭内道彦、佐藤可士和…クリエイティブ業界で有名な彼らは博報堂の出身です。広告業界では、退職後に自身の才能を活かして独立するほか、会社を立ち上げるケースがよく見られます。
●ほかにやりたい仕事が出てきてしまったため。現在の待遇になんの不満もないが、仕事の過程で出会った人で、この人のようになりたいと思える人を見つけ、その人と同じキャリアへ進みたいという気持ちがわいた。(博報堂/20代後半 女性 法人営業)
●ワークライフバランスという観点では非常に難しい一面もある。ただしその分の待遇はやはり良い為、会社員として働いていくには非常に良い会社だと思う。わたしは元々独立志向であったため3年ほどで転職しましたが、なかなかおもしろい人が多いため全体としては経験することができて非常によかったと思う。(電通/20代後半 NULL)
●個人的につながりのつよいクライアントが複数社できたので独立しました。「電通」のブランド力は非常に強いものの、クリエーターとしてみた場合、営業担当者がクライアントの意見を取り入れすぎるため面白いものを作りにくい環境にあります。また、給与も近年はそこまで高いわけではないので、その点でも多少の不満はありました。(電通/30代前半 女性 WEBデザイナー)
クリエーターの方が、クリエイティブエージェンシーを立ち上げて独立するというケースはやはり多いようですが、営業職の場合でも、人脈を築いて独立したいという声がちらほら。もともと独立志向の社員が少なくないようです。
3位 人間関係・上司・社風
自由で風通しがいいと言われる広告業界。基本的に人間関係への満足度は高いですが、やはりどんな職場であっても人間関係にストレスを感じる人は少なからずいるようです。
●人間関係の悪化を理由に退職を検討している。社外のお客様の関係はそこまで悪くはないものの、人づきあいがそもそも苦手であるため社内営業を怠ってきた点は反省としかいいようがない。会社としては結果を出しているので問題はないのかもしれないが社内に味方がいないのは正直辛いところがある。ただ待遇を考えると悩ましいところだ。(電通/20代後半 男性 財務)
●広告業界にあこがれて新卒で入社しましたが、大企業ゆえに裁量が小さいことに不満を感じ、退職を決意しました。給与面には全く不満はありません。また、自分が40後半、50になったときに、なりたいと思える上司がいなかったため、社内でやることはないと感じ退職を決意しました。(博報堂/20代前半 男性 経営企画)
上司の姿を見て退職を決意したという声がいくつかありました。一見つまらなそうに見える管理職の姿に、将来の自分を重ねてしまうのかもしれません。
4位 業界の限界を感じて
2015年広告費総額は5兆9219億円。リーマン・ショック後の落ち込みから毎年順調に回復し、2015年度は過去最高の金額を記録しています。とはいえ、その内訳には変化があり、伸張しているのは運用型広告に代表される「インターネット広告」。かつてのようにCM制作といったダイナミックで派手な広告の受注は、徐々に難しくなってきているようです。
●会社がというより、広告業界全体の問題。マス4媒体をはじめとしたメディアを売ることありきのビジネスに将来性がないと判断したため(、退職を決意した)。ビジネスモデル的にメディアの依存からの脱却はもはや肥大化した組織上不可能であり、今後はただただ延命を続けていくのみである。テレビは今はまだその影響力が強いが、いずれそのパワーが落ちた時、トップ2社以外の会社は生き残りが難しくなっているのではないか。(アサツーディ・ケイ/20代後半 男性 法人営業)
●ボーナス全員半額、希望退職の募集などで社員の士気はあきらかに下がっている状況でした。TVなどのマス媒体が減る一方でWEBなどの細かい業務が増え、時間はかかるのに売上げは下がるとういジレンマがあり、この業界全体が抱える問題をまだ理解できていない中堅社員、マネージャー層が多かったように感じます。(アサツーディ・ケイ/30代前半 男性 法人営業)
●広告業界に限界を感じた。博報堂のブランディング思考にはついていけない。メディアの支配力もないので、いつまでたっても2番手に甘んじている。ADKのようにアニメなどに力をいれてそれに特化するような大胆な変革が必要である。(博報堂/40代 男性 営業マネージャー)
業界への不安は40代以降の年代に多いようです。バブルを体験した世代からすれば、現代の広告業界は「斜陽」に思えてしまうのかもしれませんね。
24時間闘う、広告代理店の営業マンの未来は?
ワークライフバランスが求められる現在、電通や博報堂の働き方は、もしかするとやや時代遅れなのかもしれません。広告代理店大手3社は、その現状をどう捉え、どのような対策を行っているのでしょうか? 次回は「ワークライフバランス」に関するクチコミから、広告代理店の働き方の実態を、より詳しく調査していきたいと思います。
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