お悩み相談1:転職を始めるベストタイミングを見極めたい
■質問(1)
2015年の転職市場は売り手市場でしたが、2016年はどのような状況になりそうですか?
転職をしようか迷っています。職探しをするのであれば、「今」が最適なのでしょうか?
(20代前半・男性・営業職:転職回数0回)
鹿山氏:2015年の有効求人倍率は高水準で推移し、現在もこの傾向は続いています。 ただし、景気に関しては、「2018年まで良い」という意見がある一方で、「2016年の前半までではないか」と言っている人もいます。なかなか先行きが見えない状況なので、業界によって事情は異なってくるでしょう。
坪井氏:一概に「良い」とは言えないということですね。現在求人に積極的な業界や、職種はありますか。
鹿山氏:長年有効求人倍率が高い状況が続いているのは、IT業界です。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、建築関連も求人倍率が高い傾向があります。また求人が多い職種としては、異業界であっても前職の経験を活かしやすい、営業職の人材を求める企業が多いですね。
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坪井氏:なるほど。私が転職をした時は、突然の出会いからのスピード転職だったのですが、一般的に転職を考える場合はどれくらい前から動き出すとよいのでしょうか。
鹿山氏:転職を希望してからの流れを説明すると、ご相談をいただいた後いろいろな希望をうかがった上で、条件に合う会社を提案します。その後書類選考、面接が合計3回程度あるので、6週間から8週間かかります。また会社を退職する場合は、遅くとも30日前にはその旨を申し出るのが一般的なルールです。
これらを考えると、最低でも入社希望時期の3カ月前にはアクションを起こす必要があります。
坪井氏:早めに準備することが必要ということですね。転職を検討する時期としては、いつ頃が有利なのでしょう。ベストなタイミングはあるのでしょうか。
鹿山氏:会社の年度末の時期は、転職希望者にとって追い風と言えるでしょう。予算の消化時期でもあるので、会社としても採用に前向きです。 日系企業の場合は3月か9月、外資系企業の場合は12月が年度末のところが多い。その時期に内定を貰えるように活動を始めると、比較的有利だと思います。
ですが、一方で転職希望者としては6月や12月にボーナスをもらってから次の会社に転職したいのが本音ですよね(笑)。
ボーナスは支給日に在籍していないと支払いがされないところがほとんどですが、本来は過去半年間の成果に対して支払われるべき対価です。 転職先との入社日交渉で、内定後の期間を1か月以上とってもらえるのであれば、現職にも迷惑をかけずに調整できる可能性が高いです。
お悩み相談2:尊敬出来ない上司に悩む、若手営業職
■質問(2)
上司と反りが合わず転職を考えています。発言が気分でコロコロ変わりますし、二人で営業に出ている時は奥さんの悪口ばかりです。どうしても人間として尊敬できません。環境を変えて、やりがいをもって仕事がしたいと思っています。
営業という仕事自体は成果も出せているし、成長意欲もあるほうです。ただ、転職してまだ1年半しか経っていないため、次の転職がきちんとできるか不安で踏ん切りがつきません。我慢して、今の職場に残るべきでしょうか。
(20代後半・男性・営業職:転職回数1回)
坪井氏:こういった社内での人間関係に関する悩みを受けた場合、キャリアコンサルタントとして鹿山さんはまず何をなさいますか。
鹿山氏:この方は上司との折り合いに悩まれていますが、食事の場などリラックスできる空間で会話をすれば、共感できる部分があるかもしれません。ですから、積極的に自分からコミュニケーションをとったり食事に行ったりして、相手のことをもっと良く知ってみることをアドバイスします。
最初から転職を考えるのではなく、まずは「現状の何が問題なのか」を詳しくうかがった上で、問題点を「どうすれば改善できるか」を模索し、それでもうまくいかない場合に転職をご提案します。
またこの方の場合は、「認められたい」という欲求も、転職を考える理由の一つになっていそうですね。
ですが、仕事の成果は人が決めるものです。成果をだしたのに周囲に認められないということは、残念なことですがきっと誰もが経験すること。認められることよりも、本当にやり切ったと言える達成感が自分にあることの方が大切です。
坪井氏:職場に尊敬できる人がいれば、その人をモデルとしてモチベーション高く働けるので、理想的ですよね。ただ、必ずそういう人に出会えるとは限らない。だから私は、ロールモデルは同じ部署や社内に限定して探さなくてもいいのかなと思います。世の中、魅力的な人はたくさんいますし。
それに、そもそもすべてにおいて尊敬できる「スーパーマン」みたいな人ってなかなかいないので、「あの人はココがすごい」といった具合にそれぞれの長所に目を向けて、 自分の中に取り入れるのも一つの手ですよね。
鹿山氏:坪井さんのような考え方は、とても前向きで素晴らしいですね。部署や職種は違っても、実績を上げている社内の人や、社長賞などを獲った人などに話を聞いてみると自分の刺激になるでしょう。社外だと交流会などに参加することが、新たな考えを知るきっかけになりますね。
やっている仕事はちがっても、自分にとってプラスになる部分がきっとあるはずです。
転職は、転職ありきで始めてはいけない
坪井氏:質問者に対して、「問題点の改善の見込みがなければ、転職を提案する」とのことでしたが、どのようにご提案されるのですか。
- 鹿山氏:転職も視野に入れて考えるようアドバイスしますが、選択肢が「転職」のみにならないよう注意します。他に選ぶべき道として、今の会社にとどまるという選択肢も残しておいた方が良いです。
なぜかというと、他社の現状を知ることで、自分の会社の福利厚生や給料、社内の状況を改めて見直す機会になり、現職の良さに気づくこともあるからです。 そういった場合はモチベーションも回復するので、転職しない方が仕事に前向きに取り組めたり、自分らしい働き方を実現できたりします。
坪井氏:転職後に「やはり前の職場が良かった」などと後悔しないためにも、今の会社と改めて向き合うことが大切なんですね。他に、転職後のミスマッチを防ぐ方法はありますか?
鹿山氏:はい。要望があれば内定後、採用企業にお願いして、新しい職場の上司や同僚とコミュニケーションできる場を設定します。 事前に上司や同僚の人柄、職場の雰囲気などを知っておけば、入社した後で「思っていたのと違う」というミスマッチも起きにくくなります。
理想と現実のギャップを埋めるサポートをするのが私たちの仕事です。そのためには労を惜しまず、一緒に最善の道を探していきます。
PART2:「結婚したら、女性は仕事よりも家庭が優先?」:転職会議お悩み相談塾 PART2
PART3:「転職先がブラックでした。社長に嫌われるといきなり解雇。今すぐ逃げるべき?」はこちら
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