- エンジニアの評価制度、ワークライフバランス、キャリア開発、面接について言及
- リブセンスが求めるエンジニアは、課題を発見し自ら解決できる人
- 面接で知りたいのは、成果が出た仕事の取り組みかたと、その理由
口コミは会社が公式に発信する情報だけではない、元従業員ならではの視点や印象を知ることができますが、中には、「本当のところはどうなのだろう?」と、もう少し詳しく知りたくなるコメントもあります。 今回は、同社の口コミの中でも注目度が高い「年収・評価制度」「教育制度・キャリア開発」「ワークライフバランス」「面接」の4つの項目から、気になる口コミをピックアップ。評価制度であるBand制度や同社がエンジニア向けに用意した4つのキャリアモデル、従業員の働き方、面接で大切にしていることなどをエンジニア採用担当の海野さんにお聞きしました。
【年収・評価制度】
良くも悪くも年功序列ですので、バリバリ仕事をこなして稼ぎたい人には向いてないかもしれません。バリバリ仕事をこなしている同業他社の友人よりもらってないなと、感じました。
出典:転職会議|20代後半 男性プログラマ(オープン系・WEB系)の口コミ
口コミには、年収が年功序列という記載がありましたが、年収を決定づける評価制度についてお聞かせください。
この口コミが書かれたのは2019年春ですが、2017年当時の感想となっています。実はちょうどその頃、評価制度が改善されました。それまで当社では、エンジニアもほかの職種も同じ評価方法でした。そのため当時は、売り上げに直結するような成果が評価されると思われており、公平な評価基準が浸透していませんでした。
そこで、2017年頃にエンジニアの職能責任者(VP of Engineering)が中心になって「Band制度」を職種ごとにカスタマイズしました。これにより、「エンジニアがエンジニアを評価する体制」が構築され、職種に応じた評価が明確になったのです。
Band制度では、成長段階に応じて求められるミッション・基準などを9段階で定義。 スタッフクラスが4段階、プロフェッショナルクラスが5段階あり、それぞれの段階に合わせて評価をしていきます。 プロフェッショナルクラスのエンジニアは、自分の得意領域やこれから伸ばしたいスキルの方向性に合わせて、プロダクトやチームのマネジメントをしたり、1つの技術領域に対して全社をリードしたりする役割を定義することで、納得感のある評価が得られるようにしています。
評価は、上期、下期それぞれに最低3回の面談を経て決定されます。期初めに目標設定を行い、中間で目標の達成度を確認。期末に半年間の振り返りをします。
目標設定は、大きく分けて「成果目標」と「行動目標」の2つ。成果目標は、目標に対する到達度です。例えば、いつまでにこういうプロジェクトを開発してリリースする、会員登録数を20%アップするといったものです。行動目標は、リブセンスの従業員が大切にしているポリシーである、発想・協働・徹底の3つの軸に対し、それぞれどんな行動をとれたかというものです。この2つの目標の掛け合わせで評価していきます。
このBand制度に年齢は関係なく、入社何年目でどのクラスになるといった目安もありません。新卒2年目でも優秀な成果を出した人には、チームのリーダーを任せています。当社には、20代でリーダーを任されている人が非常に多いです。
これはエンジニアがエンジニアを評価する体制を構築していることから実現しています。売り上げに直接繋がらなくとも技術的に価値があるパターンや、時間がかかったものの非常に難易度の高い取り組みを実現したパターンなどにおいても、この制度であれば適切に評価できるのです。
この制度になってから2年が経ち、面談以外にもこまめに意思疎通を図っているため、自分の評価に納得がいかない、といった不満が出ることは少なくなっています。
【教育制度・キャリア開発】
スキルアップについては、貪欲なメンバーが揃っており、話をすると刺激を受けて、結果的に自分もスキルアップさせてもらっている気がします。 また、業務時間内に参加したい勉強会などがあった時なども、裁量労働制ということもあり、気兼ねなく参加することができます。
出典:転職会議|女性プログラマ(オープン系・WEB系)の口コミ
「スキルアップをしたい方に向いている」という口コミがある一方で、「研修が整っていない」という書き込みもありました。御社の教育制度、キャリア開発についてお聞かせください。
当社には、新卒向けの新入社員研修などを除くと、社員に参加を強制させる研修はありません。そういう点では、「研修制度は整っていない」といえるかもしれません。
では、なぜ「整っている」という意見が多数あるのでしょうか。それはおそらく、自らが「やりたい」「勉強したい」と思ったことについて全力で応援する社風と、実現させるための制度が数多くあることから生まれているのだと思います。
私たちが求めるエンジニアは、自分たちで課題を見つけ、その課題を自ら解決していくことができる人です。例えば、オープンソースのWebアプリケーションフレームワークであるRuby on Railsを扱えるエンジニアが社内に増えてほしいとしても、会社が研修会を開いて参加させる形はとりません。「勉強したいので教材は何がいいか」と質問してくる人にリードエンジニアが答え、こういうプロジェクトをやってみたらどうかと実践の場を与えます。
そのほか、自主的な勉強会のサポート、書籍購入やセミナー参加への補助はもちろんのこと、社外の優秀なエンジニアとの交流が図れる国内外のカンファレンスなどへの参加もバックアップしています。
エンジニアのキャリア開発についても2年ほど前から改革に着手。現在、Band制度のプロフェッショナル層に対し、4つのキャリアモデルを用意して、なりたいエンジニア像を考える参考にしてもらっています。
1つは、自社メディアのユーザーやクライアントのために、どのようなシステムがあればいいかを自分たちで考え解決していく「プロダクト・エンジニア」。
次に2~3年で陳腐化していく技術に対し、今後どのような計画でシステムを更新していくかを考え、周囲を引っ張っていく「テック・リード」。そして、言語や技術において社外から見ても権威となりえる知識と技術をもった「スペシャリスト」。
最後に、エンジニアが所属する組織の改善や、エンジニアの悩みを解決に導いて成長を助ける「エンジニアリング・マネージャ」です。
もちろん、この4つのどれか1つを選ばなければいけないわけではなく、「テック・リード」と「エンジニアリング・マネージャ」が半々になってもいいですし、半年ごとの目標設定時に変更しても構いません。その時々で、自分のキャリアパスを柔軟に描ける体制があります。
【ワークライフバランス】
裁量労働という契約でありながら、暗黙的に10時出社のルールが存在していることはあまり感心できないと感じています。
途中で改正が入り、社内規定としては必須であるような記述は消えたものの、やはり暗黙のルールというのは存在していると感じました。
出典:転職会議|30代前半 男性プログラマ(オープン系・WEB系)の口コミ
裁量労働制での就業の場合、勤務時間は仕事の状況に応じて自己裁量で設定することができると思いますが、実際のところはどうなのでしょう。口コミのように、エンジニア職の勤務時間のルールや制度、規定の改定などが別にあれば教えてください。
当社では、エンジニア職とその他ビジネス職の従業員が、1つのチームで仕事をしています。仕事を進めるためにチームワークは必要なので、自分だけがまったく異なる勤務時間帯を毎日続けるのは難しいかもしれません。しかし、他の職種やチームメンバーらとの予定を全うしている限り、自らの裁量で設定できる旨を明確にうたっています。
実際に、子供2人を保育園に預けているエンジニアは、登園させてから11時に出社していますし、子供の寝かしつけをしている人は、18時には退社しています。
仕事に合わせて生活をするのではなく、自分たちの生活の一部に仕事を組み入れるという考え方をする人が多く、チーム内で自分の働き方をオープンにすることで、周囲もその人に合わせやすくなります。例えば、会議は全員がいる午後イチの時間帯に開始するなど。参加できないメンバーのいる10時や19時スタートの会議を設定することはほとんどありません。
私自身、中途入社のため他社も経験していますが、当社は時代に合わせて敏感に制度をアレンジしていると感じています。他社が導入しているような良い制度は、どんどん取り入れようとする姿勢が見えます。
実は、導入された制度の多くが社員の発案によるもの。社員自らが「こんな制度がうちにもあったらモチベーションが上がるよね」と思える制度を提案し、導入されてきました。自分たちで会社を変えていこうというマインドを持っている人にとっては、居心地の良い会社だと思います。
【面接】
印象に残った質問:前の仕事でやっていたこと
面接の概要:いわゆる普通の面接で聞かれることとそこまで大差はない感じに思われました。奇抜な質問などはないです。
出典:転職会議|男性アプリケーション設計(オープン系・WEB系)の口コミ
御社の口コミを見ると、エンジニアの構成比率が比較的高いように思います。エンジニアの面接の際に、特に重要視している点や、逆に応募者にアピールしてほしい点はありますか?
私たちは、入社を希望してくださる方々と、ありのままの状態でお会いし、その方らしい意見をお聞きしたいと思っています。私たちが面接時に大切にしている2つのことをお伝えします。
1つは、技術を楽しむモチベーションがあること。「Ruby on Railsって楽しいよね」「データベースのチューニングってクールだよね」と仕事を楽しめる方は、難しいプロジェクトにアサインされても成果を出していると感じています。それが新しい技術である必要はなく、レガシーなシステムであっても過去の仕事を楽しそうに話される方とは一緒に仕事をしてみたいと私は思います。
もう1つは、自主性と課題発見能力があることです。当社は今、さらなる飛躍のフェーズにいます。そのなかで必要なのは、お客様の課題を考え、自分たちがお客様に対してどういうサービスを提供できるかを具現化し、仕事を進めていける力です。言われたことに対し、120%の力を発揮できることはとても優秀ですが、それだけではそのうちに仕事がつまらなくなり、いずれパフォーマンスが低下してしまうのではないかと危惧しています。
そのため面接では、社会人として、エンジニアとして過去に一番成果が出たものは何か。どのような取り組みをしたのか。さらに、なぜ成果が出たと思うのかをお聞きしたいですね。今後なりたいエンジニア像を聞くよりも、過去に実績を上げてこられた方が、今後当社とどう関わっていけるかを見させていただきたいと思っています。
面接は、出会いの場です。ご縁があって一緒に働いていただけたら一番ですが、そうでなかったとしても、数年後に別の形で共に仕事をさせていただくことがあるかもしれません。一期一会ではなく、エンジニアの知り合いを増やしたい。そんな気分で来ていただきたいので、服装もスーツではなく私服で構いません。多くの方とお話をさせていただきたいです。
「自主性」を大切にする社風が、すべての制度の根底にある同社。海野さんご自身も、サーバーサイドエンジニアの出身ながら、より良い人材確保の必要性を感じ、エンジニアがエンジニアの採用・育成に関わる「エンジニアリング・マネージャ」の職をつくり出したそうです。課題を見つけ出し、解決方法を考えていくことが求められる同社だけに、「育ててほしい」タイプの方とはミスマッチが起こる可能性が高いといえそうです。一方で、自らアイデアを出し、チームで仕事を進めていきたい方にとっては、活躍できる土壌のある会社ではないでしょうか。
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