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『ちょっと今から仕事やめてくる』北川恵海さんインタビュー【PR】

作家デビュー作となる『ちょっと今から仕事やめてくる』が70万部突破の大ヒット。そして映画化が決定するという大ブレイク街道を突き進む北川さん。この作品を執筆することになったきっかけや裏話から「仕事」についてまで、貴重なお話を伺いました。
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作家デビュー作となる『ちょっと今から仕事やめてくる』が70万部突破の大ヒット。そして映画化が決定するという大ブレイク街道を突き進む北川さん。この作品を執筆することになったきっかけや裏話から「仕事」についてまで、貴重なお話を伺いました。
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留学から戻って、日本で感じた「小さな違和感」

――「作家になろう」と思ったきっかけは、どんなことだったのでしょうか。

最初は、友人の結婚式でスピーチをした時です。みなさんが、すごく感動してくださって。初めてお会いしたご年配の方まで「とっても良かったわ」とわざわざ声をかけに来てくださったりしたんです。この時のことがきっかけで「言葉を使うお仕事って楽しいかも」と思いました。単純ですよね(笑)。その友人も、とても喜んでくれてうれしかったです。

――この題材のお話を書こうと思ったのは、何か理由があったのでしょうか。

これまで、ワーキング・ホリデーの制度を利用して、ニュージーランド・オーストラリア・カナダなど、いくつかの国で仕事をしながら暮らしたあとに、日本に戻ってきた時、逆の立場でカルチャーショックを受けたんです。「あ、そうか。日本ってこんな感じで働くんだっけ…」と。

「留学するのが趣味」というぐらい好きだった時期に、日本へ帰ってきては日本で働き、しばらくしてからまた海外へ行って現地で働き…ということを、何回か繰り返していました。その間にちょっとした違和感を感じることが増えていきました。「こういうことを我慢しないといけないんだ」とか「こんなこと言ったらいけないんだ」とか。それがこのお話を書いた理由のひとつです。ちょっとした価値観のズレへの違和感も、書きたかった題材のひとつですね。通勤などの細かい描写は、自分の体験に基づいていることも多いです。

海外はとっても自由なんですよ。先生の働き方ひとつをとっても「今日は友達のバースデーパーティーだから、もう質問は受け付けないわ」と堂々と言っていたり。ホリデーもしっかり取りますし、そこに「ごめんね」という感じはみじんもないんですよね(笑)。新刊の『ヒーローズ(株)!!!』も少し「仕事」に関するものでもありますが、またこういったテーマでも書いてみたいなと思っています。

そんなに苦しいなら、3日で辞めたっていいんじゃないか

――会社員をしている方々の4人に1人が、勤め先を「ブラック企業」だと感じている調査結果があります。この結果を聞いて、どのように思われますか。

「ブラック企業」と大きく取り上げられることが増えてきたのは、SNSの普及も大きかったのではないかと思います。今までは「他人がどういう働き方をしているか」ということが、どこかに大きく取り上げられないと知ることができなかったと思うのですが、SNSがあるおかげで「この人はこんな風に働いているんだ」とか「自分は働いているのにこの人たちは休んでいる」といった差がすごく目に入るようになってきた。比べる対象が増えたのだろうなと思います。

――北川さんから見て「こうすればうまく道をシフトすることができたのではないか」という、考え方の秘訣のようなことはありますか?

「転職する」ということに、ネガティブなイメージを持つ方がまだまだ多いのではないかなと思っています。これまでの社会の仕組みなどで、仕方ないとは思うのですが…もう少し「転職する」ということをポジティブにとらえても良いのではないかな?というのが、この作品を通して伝えたかったことのひとつなんです。

――主役の「青山」は「半年なんかで辞められない」と思っていますよね。

正直、3日で辞めてもいいと私は思っています(笑)。辞めたいなと思いながら、ズルズル働く期間の方が苦しいと思うんです。そこで働くと決めたのであれば、腰を据えて・気合いを入れて頑張ってみるというのもひとつの手ですし、「もう絶対違う」「絶対ダメだ」と思ったら、期間に関わらず次に踏み出した方が、時間が無駄にならないと思います。

――友人や近しい存在の人に、実際に仕事の悩みを相談された時、どうお答えされるのでしょうか。

「こう言うと良い」というものはないと思うのですが、聞いているうちに「つらい環境だな…」と感じたら「それはつらい環境だよ」という事を教えてあげるだけでも良いのかな、と思います。働いていると「何が普通なのか」という感覚がわからなくなってしまうと思うので、客観的に「それはつらい環境だよ」と気づかせてあげるようなイメージです。一緒に働いている同僚の方は、つらくてもそれが「普通」だと思って働いている人がほとんどだと思うので、外の視点から見た感覚を知らせてあげたいですね。

最後に決めるのは自分、周りの声を取り払って自分のタイミングで踏み出して

――作家として成功された今、もし会社に入るとしたらどんな風に会社選びをされますか?

正直、今でも「会社に入ろうかな」と思う瞬間は多くあるんです(笑)。兼業でやられている作家さんも多いですよね。私が選ぶ場合は、社風や、働いている人たちの雰囲気を重視することが多いですね。今回の作品に出てくる、黒木華さんが演じてくださった「五十嵐さん」のように、女性が男性と肩を並べて働くというのは大変なことだと思います。

私も転職をしたり、海外に行ったりとしてきましたが、悩んでいる期間は長かったと思います。転職サイトを見たり、いろんな本を買ってみたり、資格を取ろうと思ってみたり、いろいろな小さいきっかけがあると思うのですが、やっぱり最後に決めるのは自分ですよね。「人からどう思われるか」とか、「親から何か言われるんじゃないか」とか、いろいろな悩みは1回すべて取り払って、自分の「行きたい!」と思ったタイミングで踏み出せばいいんじゃないかと思います。

――自分の作品が映画化され、実際に観てみて、いかがでしたか。

小説と違ってダイレクトに目に入ってくるので、成島監督が撮られたひとつひとつの映像の美しさにとてもビックリしました。全体を通じて、とてもさわやかな空気が流れているように感じることができました。主演の福士さん・工藤さんも、とてもさわやかで素敵な方々ですよね。

――北川さんは今や「夢を叶えた」存在だと思います。その立場から、特にどういった方々に見てほしいでしょうか。

ちょっと疲れたな、リフレッシュしたいなという方はもちろん、働いている若い世代の方や、親御さんにも見て頂けたら、届くものがたくさんあるんじゃないかなと思います。何かに悩んでいる方や、今後お仕事をどうしようと思っている方、やりたいことが見つからない方も多いと思うのですが、いろんなことに挑戦して損なことはないと思うんです。たとえその会社でうまくいかなくなったとしても、何も無駄ではないと思います。勇気をもって、踏み出してほしいと思っています。
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