- 役割等級の見える化と360度評価は、若手の成長の糧になる
- エンジニアの要望から始まった支援制度「学ぼうぜ!」「セミろうぜ!」
- 厳しくも自由が利く自社開発だからこそ、エンジニア職の残業時間が実は短い
同社の口コミを見てみると、「360度評価」「GMOすごいエンジニア制度」といった気になる制度や福利厚生が見受けられます。一方で、口コミを少し前まで遡ると「残業が多い」といったものも。そこで、同社の口コミの中でも注目度が高い「年収・評価制度」「仕事のやりがい・面白み」「ワークライフバランス」「福利厚生・支援制度」「面接・選考」の5つの項目から、さらに詳しく知りたい口コミをピックアップ。360度評価の効果や、エンジニアやクリエイターの要望から生まれた遊び心あふれる名前の各種支援制度、勉強会の実態などをシステム本部の安藤部長にお聞きしました。
※GMOインターネットグループでは、従業員を「パートナー」「仲間」と呼んでいます。
【年収・評価制度】
360度評価。同僚からの評価は私怨を産むこともあるが、上からは見えにくい縁の下の力持ち的な人を評価できている。
新卒には厳しい。あまり責任ある仕事を任せたりしない。
出典:転職会議|非正社員 30代後半(当時) 男性 サーバ運用・保守 の口コミ 2014年頃
360度評価に対する口コミが数多くありました。その多くが肯定的なものですが、360度評価を含めたGMOインターネットの評価制度について教えてください。また、若手が活躍しにくそうだとの意見もありますが、実際のところはどうでしょうか。
当社の評価制度は、給与テーブルとなる役割等級の見える化と、四半期ごとに行う年4回の目標設定と振り返りによる「四半期目標制度」、年1回全パートナー(従業員)で互いを評価し合う「360度評価制度」で成り立っています。
360度評価は、年4回の評価を基に出したパートナーの役割等級一次案に対して、同僚や部下、仕事で関係のある部署の仲間同士で、互いに評価をし合う多面評価の制度です。また、エンジニアをはじめとする専門職の場合、役割等級の他に「スペシャリスト職位」という技術力や専門性を示す役職と、それを給与に反映する評価軸もあり、そこに対しても公開・評価し合います。役職や仕事内容が関係してくるため人によって評価をする人数、される人数にバラつきは生じますが、平均的に10~15名、多い人は80名くらいの評価対象者を互いに評価します。
周囲からの評価は、匿名にしたコメントを含むすべてを本人にフィードバックします。360度評価が未経験の方からするとコメント内容に不安があるかと思いますが、互いに評価をし合うことと、相手に成長してもらいたいという期待の気持ちがあることから、一方的な言い分でコメントするようなことはほとんどありません。
この評価の良い点は、上司から見える部分と、現場の仲間から見える部分が異なることです。上司が作成した評価一次案とは異なる視点からの評価が出ることもあり、上司が今後の評価決定の参考にすることもあります。
四半期ごとに目標設定・振り返りの面談をしているのに、評価一次案と周囲との評価に違いが発生する理由として、エンジニアや若手は自らのアピールが得意ではない人が多いことが挙げられます。ポジティブな例を挙げると、周りから見ればすごい実績をあげているのに、本人にとっては普通のことなので、面談で成果として報告していなかったり、アピールポイントだと思っていなかったりすることがあります。特に、その人がいたから円滑に物事が進んだ、といった事例は周りからの評価で浮き彫りになることが多いですね。そういう人に対して「この時にこれをしてくれて助かった」という具体例が出てくることがこの評価の強みです。
360度評価を行うためにも役割等級の見える化は必要ですが、当社としては若手に目標を持ってもらうという狙いもあります。そして、この評価を通じて「自分の頑張り方は合っていたのか」など、自らを客観的に振り返ることで、自身の成長の糧にしてほしいのです。 ただ、評価制度への満足度は、世の中の流れやパートナーの意識によって変わっていくものです。今の時代に合った評価制度を常に模索しており、今後も様々な評価制度を参考にして、より満足度の高い制度を取り入れていきたいと思っています。
若手パートナーの活躍の場については、積極的に手を挙げた人に仕事を任せていく社風ですので、チャンスは広くあると思います。最近では、若手中心のメンバーで主要サービスであるレンタルサーバーのシステムの刷新を進めていき、無事リリースしました。
【仕事のやりがい・面白み】
教育制度が全くなく、放置状態だったので、もっと教育制度をしっかりしてほしい。
出典:転職会議|正社員 20代後半(当時) 男性 プログラマ(オープン系・WEB系) の口コミ 2014年頃
こちらの口コミは2014年頃と少し前のものですので、主に中途入社向けの現在の教育制度についてお聞かせください。
新卒向けには一般的な研修のほか、エンジニアとクリエイターに特化したGMOテクノロジーブートキャンプ(GTB)という研修がありますが、中途入社の方や一般パートナー向けには、基本的なセキュリティやコンプライアンスの勉強会以外はありません。その代わりに、エンジニアだけが使える「GMOすごいエンジニア制度」と称する各種支援制度や自主的に開催・参加ができる勉強会などがあります。
まずは、外部セミナーへ業務時間内に参加できるよう補助する「セミろうぜ!」という支援制度。セミナーは丸1~2日かかるようなものや参加費が高額なものが多いのですが、四半期に1度の割合で積極的に参加するよう促しています。 また、当社のグループ各社が提供しているサービスを研究や開発用に無料で使うことができる支援制度「サバろうぜ!」もあり、スキルを磨くために積極的に利用してもらっています。
エンジニアに人気なのが、技術書やガジェットの購入を補助するスキルアップ補助制度「学ぼうぜ!」です。これは特に最新のスマートフォンが出たときに活用している人が多いですね。テレビ会議やWeb会議に利用するマイクやカメラを購入して試している人も多く、「これがよかった」などと報告し合っています。 その他、社内には休憩スペースを兼ねたライブラリがあり、そこに高額な技術書もたくさんあるのでコーヒーを飲みながら勉強ができます。
これらの支援制度は、以前、エンジニアやクリエイター向けに社内で実施したアンケートで上がったアイデアのうち希望の多かった順に実現したもの。思ってもみなかった要望があったりして、「なるほど」と感じています。
勉強会は、個人やグループが発案者となって実施しているものが多数あり、個人の裁量で好きなものに自由に参加しています。こういった勉強会は就業時間後に行なわれやすいのですが、当社の場合は就業時間内に開催されることも多く、サービス残業的に残らなければ勉強ができないといったことはかなり少ないと思います。もちろん外部の方も招くような勉強会は、多くの方に参加してもらうため、スタート時間を就業時間後にしていることもありますが。
なお、勉強会はグループ会社を含むエンジニア全員が参加しているチャットグループで告知されます。Web会議システムを活用して、北九州など東京以外の拠点で行われている勉強会に積極的に参加している人もいます。
当社では基本的に、会社からこれをやりなさいと指示するのではなく、自分でやりたいこと、勉強したいと興味を持ったことに対して会社が後押しをするというスタンスです。そのため当社には自ら学びたいという向上心の高い仲間が多いのですが、教えてもらうのを待つ受け身のタイプの方からすると、「教育制度がない」という印象を持たれてしまうのかもしれません。
【ワークライフバランス】
配属される会社や部署によってだいぶ違う気がします。残業が多いのは言うまでもなく、どこの会社でもそうかもしれませんがエンジニアによっては夜中まで仕事をしています。 正社員のエンジニアには遅めに出社するなど、時間調整のきく部分はいい点だと思います。
出典:転職会議|非正社員 20代前半(当時) 女性 WEBデザイナー の口コミ 2014年頃
こちらの口コミも2014年頃のものです。現在の御社のワークライフバランスを重視した取り組みについて教えてください。
この口コミが書かれた2014年頃は、大きなプロジェクトが大詰めだった時期でもあり、遅くまで残って作業をするエンジニアが多かった時期だったのかなと思います。現在は、当時に比べてエンジニアの数が倍増しているため必然的にエンジニア一人ひとりにかかる負荷は下がっており、業務が終わらないから夜中まで残業をするといったことはほとんどありません。実際、当社の中で最も残業時間が少ないのがエンジニア職なんですよ。
その理由のひとつとして、当社の事業は自社開発のサービスを提供していることが挙げられます。外部からの依頼を受注する場合、納期スケジュールのプレッシャーは相当なものです。そのため、急きょエンジニアを増員して工数の辻褄を合わせたり、残業して対応したりといったことが発生しやすくなります。ところが自社サービスでは、「どこまでやるか」「どれをやらないか」といった判断、決定権が自分たちにあるため、著しい業務負荷をパートナーにかけない着地点を探ることができるのです。
また、サーバー管理に関しては、北九州市に24時間3交代制の監視チームと、定常的な作業やトラブルの一次対応を行う運用チームを設けています。そのため、エンジニアがトラブル対応で帰れなくなったといったことはかなり抑えることができています。
【福利厚生、社内制度】
福利厚生が充実している。 ランチの無料制度があるが、回数制限があるのがちょっと不満。 エンジニアの採用に力をいれており、働きやすい環境を構築していこうという姿勢が垣間見える。
出典:転職会議|正社員 30代前半(当時) 男性 サーバ設計・構築 の口コミ 2013年頃
エンジニア向けの社内制度については【仕事のやりがい・面白み】で教えていただきましたので、その他の福利厚生についてお伺いします。ランチの無料制度は福利厚生のカテゴリーだけではなく、様々なカテゴリーで言及がありました。その他、最近取り組まれている制度について教えてください。
近年は働き方改革が叫ばれていることもあり、会社全体として様々な取り組みを強化しているところです。
例えば、リモートワーク、時差出勤に加え、2018年4月からは1時間単位で有休が使える「時間単位有休取得制度」を取り入れています。この制度は使い勝手が良いことからかなり好評です。
ランチの無料制度も需要が高く、制度そのものは好評です。ただ、確かに回数制限があり、その点に関しては改善の要望が出ています。回数制限されている理由ですが、実は本社が入っているビルはオフィスフロア内に調理施設が作れないため、ケータリング形式です。そのため、全員に制限なく提供ができないのです。ただ、パートナー数が増え、手狭になってきていることから、2019年11月 に完成予定の近隣のビルにオフィスを拡大する予定ですが、新しいビルには調理施設を備えたカフェスペースを設ける計画です。そこから料理を運ぶことにより、改善される予定です。
その他の社内制度としては、エンジニアに限ったことではありませんが、新卒の場合は自分のキャリアを自分で作る機会として「GMOブレイクスルーオプション」という制度があり、3年ごとに希望の部署に異動することができます。一方、中途入社の方にはそういった制度はありませんが、「公募制度」というものが定期的にあり、チャレンジしてみたい部門の公募や新規プロジェクトに手を挙げることができます。これまではグループ会社間を横断するような形での応募はできなかったのですが、2018年11月からはグループ内の他社の公募にも応募することができるようになり、選択肢が広がりました 。
現在、御社の口コミにはエンジニアの面接に関する口コミがありません。そこで、エンジニアの面接をする際に重要視している点を教えてください。
インターネットのサービスは、完成して世の中に公開したらおしまいではなく、そこから5年、10年と運営が続いていくものです。当社が提供しているサービスの中には20年以上続いているサービスもあり、その間、常にサービスの改善を重ねています。 ですので、パートナーに望むのは当社に腰を据えて長く働いてほしいということです。
長く働いてもらうためには、入社前と入社後のギャップを極力減らすことが重要だと考えています。「こんな会社、こんな仕事だと思っていたのに、何か違う」という思いは仕事のモチベーションを下げてしまいますから。面接でそのギャップをできるだけ埋めたいですね。 もちろん、自分が所属するチームの雰囲気も重要です。そのため、他社に比べると面接の回数は多くなりますが、人事や経営層だけでなく一緒に仕事をする仲間とも面接し、お互いの理解を深めていただきます。
面接では、当社で働くイメージをしっかりと持ち、リアルに働いている自分を考えて臨んでください。そうすると、「ここはどうなんだろう」という具体的な疑問が沸いてきたり、不安に思うことが出てくるかもしれません。その疑問や不安を面接で解消していってほしいのです。
具体的なイメージを持って面接で話をしていると、当初想定していた業務や部署、チームとは違うところの方が活躍できるのではというケースも発生します。そういった時は、その方の適正に合わせた部署やチームをご提案させていただくこともあり、実際に提案先のチームで活躍しているエンジニアもいます。入社後に起きかねないギャップをできる限りなくすためにも、いろいろ質問をしていただきたいですし、ご自身の要望を伝え、納得してご決断いただきたいですね。
せっかく当社を選んでいただくなら、積極的に成長して、チャンスがあったら手を挙げ、その結果が評価されることで次の成長やチャンスにつながっていく、よいサイクルの中で仕事をしていってほしいと願っています。
今回、気になる口コミとしてピックアップしたものの多くが2014年頃と少し前の口コミでした。口コミではどうしてもマイナス的な要素が書かれたものが目立ってしまいますが、同社ではそういった声を丁寧に拾い、常に社員が働きやすい環境を模索し、改善に取り組んでいます。大切なのは、「今」どのような環境であるかという点。特にGMOインターネットでは、提供するサービスはもちろん、社内の制度や環境に関して、90%以上の人が納得している状態である「純度90」 を大切にしているとのことでした。自分がどのような環境なら成長でき、長く働き続けることができるのか。一緒に考えていける会社ではないでしょうか。
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