国内の労働人口が減少の一途をたどり、女性や高齢者などの労働環境の整備が急務とされている日本。ところが、まだまだ女性の産休・育休後の復職に対する理解などが浸透していない企業が多いのが現状です。その実態に迫るべく、転職会議で女性が働きやすい会社の調査を実施したところ、上位にランクインした企業には「男女平等」という共通の姿勢が見られました。
今回は、この調査で5位にランクインした、インテリジェンスの現役女性社員にグループインタビューを実施。女性の視点から、会社の制度や文化などをどのように感じているか、お話を伺ってみました。
- 【プロフィール】
中村 亜由子さん
新卒入社9 年目。新規事業開発/マネージャー。
産休中に新規事業開発に携わり、現在時短で Pjt オーナーを担当。
吉原 貴子さん
中途入社 6 年目。法人営業/リーダー。組織内、女性初のチームリーダー。
前職は、広告業界の営業に従事。
川嶋 由美子さん
新卒入社 15 年目。キャリアコンサルタント/統括部⻑。
2児のママとして時短勤務などを駆使して、数十名のマネジメント業務を担当。
--まず、みなさんのこれまでのキャリアと現在取り組まれているお仕事について教えてください。
- 川嶋さん:私は新卒入社で3年間派遣の営業職を経験した後、現在はエンジニアを支援するキャリアコンサルタント部隊のマネジメント業務をしていて、プレイングマネージャーとして活動後、育休・産休をとり、今は統括部長として働いています。
中村さん:私も川嶋さんと同じく最初は営業職から始まり、その後マネジメント職に就きました。その後、産休中から新規開発事業部のプロジェクトマネージャーとして、さまざまな事業開発に取り組んでいます。
吉原さん:私は2011年に中途入社し、現在は「i-common」という、法人にエグゼクティブ人材を紹介するサービスチームのリーダーを担当しています。インテリジェンス入社以前は少人数のベンチャー企業で働いていました。
◆「女性だから」というフィルターを取り払う
--みなさんが感じられる会社の働きやすさはどんなところでしょうか?
吉原さん:フラットに個人の適正や志望に合わせて仕事を与えてくれるところに働きやすさを感じます。「女性だから」「男性だから」という性差で仕事が制限されることがまずありません。中途入社後すぐにリーダーとして働かせてもらったのもそうですし、志望する気持ちと適正に応じて仕事の権限をきちんと付与してもらえるのは嬉しいですね。
川嶋さん:私は産休・育休を2度取った後、今は時短で働いています。産休も育休も通常の制度として利用できるものですが、なかなか社内の風当たり的に難しいという話も聞く中で、上司の方たちがサポートしてくださったのはありがたいですね。管理職としても初の育休と時短の導入だったらしく、会社としてもチャレンジングな領域ではあったと思うんですけど、理解していただけたことには感謝しています。
中村さん:半年に一度、上司と一緒に仕事のマイルストーンを設定するんですが、私はその時にキャリアの話だけではなく、いつまでに結婚して、妊娠して、この歳までに子どもを産みたいというようなことを上司に話していたんです。自分自身の事業計画の中に、結婚の時期やバースプランを含め、そこから逆算していつまでにマネージャーになりたいという明確な意思を伝えました。予定通りにいかず軌道修正することもありましたが、結果的に、その通りにさせてもらえたのは本当に嬉しいですね。
--キャリアビジョンだけでなく、結婚・出産までマイルストーンに組み込まれていたんですね。
中村さん:はい(笑)、そこまでやっているの私だけかもしれませんが…。女性として結婚後の出産・育児は仕事や周りの社員に大きく関わってくることですから、はっきりと伝えたほうがいいなと思っています。
川嶋さん:公言しておいた方が「あの人にはここまで任せて、その他は別の人に任せる」という判断を下したりすることが可能になるので、管理する上司のためにも自分のためにもはっきりと言っておくのは良いことだと思いますね。
--他の社員の理解があり、しっかりとしたバックアップ体制が整っているんですね。
中村さん:私は産休・育休後も働きたいという気持ちが強かったので、そこに寄り添ってくれたのは本当にありがたかったですね。育休明けの社員に新規事業を任せるなんてそうそうありませんし、私が希望した通りにフレキシブルに仕事の対応をしてくれました。
--具体的にはどのようなフレキシブルな対応があったのでしょうか?
中村さん:例えば、私が育休中でも逐一状況を報告してくれましたし。時短になり退社する時間が早くなった今も、子どもを寝かしつけた後、チャットやテレビ会議などでのミーティングを業務時間外でも対応してもらえて。ひとえにチーム内の男性社員の理解があるからこそできることなんだと思います。
川嶋さん:よく誤解されがちなのですが、「女性だから仕事の量を制限してほしい」と女性社員、みんながそう思っているかというと、そんなことはないんですよね。男女問わず、その人それぞれの仕事に対するスタンスやモチベーションがあって。そこに対して上司が一人ひとりと向き合ってくれるからこそ、今の私たちのような働き方が実現できているんだと思います。
◆重要なのは、一人ひとりに合った環境作り
--みなさんのように仕事をバリバリして育児も実現させたいという社員以外の方々については、どのような対応がなされているのでしょうか?
川嶋さん:弊社のように社員数が多い会社って、全員が年中無休で働かなくてもやってけるんですね。なので、色々な役割のポジション・雇用形態があり、制度が細かく設定されています。例えば、若干給料が下がってもいいからミッションを軽くしたいという判断もできるようになっています。収入と仕事の貢献度がイコールであればいいという考えが社員全体に浸透しているので、そういう対応ができるのも大きいと思います。このようにすることで、個々のモチベーションやライフステージの変化における多様性を受け入れることは可能だと思いますね。
--お話を聞いていると非常に成熟した職場環境であることが伺えますが、逆に課題だと感じることはありますか?
吉原さん:ライフステージ・労働環境の変化における多様性を大事にするというのは弊社もまだまだ課題があります。私の部署も非常勤で活躍する人を増やして、会社としてのキャパを広げていきたいと思っていますが、そのためには、私たち自身が見本となる働き方を体現することが必要です。その方が、クライアントに提案する際も理解が促進されると思うので、これは実現していかなくてはいけない部分ではないかと考えています。
川嶋さん:一人ひとりと向き合ってくれてはいますが、 働きやすい環境づくりが“女性だけのもの”と思われてしまうこともあり、それは課題だと思います。例えば「子どもができた後は、働く分量を下げてほしい」と、必ずしも女性全員が思っているわけではないのに、不要な配慮をされてしまうとか。逆に、男性で介護する親族がいるのに、「キャリアアップ・権限アップを望んでいる」と誤解されるとか。上司が気を使っているつもりでも、ステレオタイプなどで無意識に判断が下されてしまうことも少なからずあるのかなという印象はあります。
中村さん:ですから、“女性に働きやすい職場づくり”をするというよりは、その人個人をきちんと見て“一人ひとりにあった働きやすい環境づくり”をするというのが大事なのではないかと思います。
- インタビュー【後編】はこちら
- インテリジェンス現役社員が考える“本当に働きやすい職場環境”とは?【後編】
株式会社インテリジェンスの評判はこちら
【第二新卒専門の転職サポートを受けたい方は】
【エンジニア、クリエイターの転職なら】
 
※プロモーションが含まれています
転職会議レポート編集部 オススメの転職サービス【PR】
【選ばれる理由】
【1】リモートワーク、時短やフレックス勤務などの求人を多く保有
【2】従業員の性別比率や取り組みに関する情報など、企業のスタンスを客観的なデータから把握できる
【3】正社員の求人以外にも、業務委託案件からエグゼクティブ案件まで幅広く網羅
【選ばれる理由】
【1】職務経歴書や面談アドバイスなどの手厚いサポート
【2】非公開求人も含めた多数の求人の中から最適な求人を紹介!
【3】志望の企業へあなたの強みをアピールしてくれる