検索サービス「ヤフー」を展開するZホールディングス(以下ZHD)と、LINEの経営統合が発表されました。
統合後は、ZHDがLINEの親会社となります。
ある企業とある企業が経営統合されると、それぞれの企業の社風が変化するというのはよくある話。
では、ZHDとLINEの2社の場合、社風や待遇面での変化はあるのでしょうか?
統合後の両社の社風や待遇の変化を予測すべく、「年収」「キャリア開発」「ワークライフバランス」3つの視点から、両社の違いを比べてみました。
年収
就職・転職中の人にとって、入社したい企業の年収はとても気になるもの。
とは言っても、年収の話題は面接では深入りしがたいデリケートな話題です。
それゆえ、年収の実情というのは、入社前はなかなかわかりにくいのではないでしょうか。
そこで、まずはZHDとLINEのそれぞれの企業の口コミから、「入社後の昇給の上がり幅」や、「職種による年収の違い」について見ていきたいと思います。
ZHDの年収
従業員数 (人) |
平均年齢 (齢) |
平均勤続年数 (年) |
平均年間給与 (円) |
---|---|---|---|
6,515 | 35.6 | 6.8 | 7,651,473 |
有価証券報告書_2019年3月31日現在
半期に一度パフォーマンスでの評価によって賞与金額と昇給が決定される。期初に定量目標を設定しその目標への到達度で評価がなされるため、シンプル。
絶対評価をうたっているが、賞与、昇給原資が限られているため、実際には相対評価。原資が少ないためあまり昇給は期待できない。上長の交渉力や上層部との関係性によって左右される。
出典:転職会議|在籍2019年頃 30代後半 男性 正社員 商品企画 主任クラスの口コミ
外部からのイメージとは異なり、なかなか昇給しない傾向にあります。中途採用者は前職での給料がそのまま横置きされることが多いです。 そのため、部下の方が上司よりも給料が高いということがよくあります。また退職金が無いので、注意が必要です。
出典:転職会議|在籍2019年頃 40代後半 男性 正社員 財務 課長クラスの口コミ
よっぽど勤務態度が悪かったり、何もしていないとさすがに下がりますが、降給はほとんどなく、入社時に金額が決まる中途入社者には有利と思います。 昇給しやすい部署としにくい部署があります。 高い評価を得ても昇給しなかったり、そこそこの評価でも無駄に昇給したりします。
出典:転職会議|在籍2019年頃 20代後半 男性 正社員 その他のマーケティング・企画関連職の口コミ
ZHDでは年収のベースアップをしようとする動きはあるものの、社員からは「ネームバリューの割に低年収」という声も少なくありません。
名の通っている企業だけに、働く側も高年収を期待しがちではありますが、実際は期待値ほど高くないのが実情のようです。
また、部署にもよりますが、入社後はなかなか昇給しにくい傾向にある、という声も聞かれました。
LINEの年収
従業員数 (人) |
平均年齢 (齢) |
平均勤続年数 (年) |
平均年間給与 (円) |
---|---|---|---|
864 | 38.4 | 7.5 | 6,663,989 |
有価証券報告書_2019年3月31日現在
入ったときにきっちり交渉しておけば、それなりの金額でのスタートとなる。大手外資系ITよりは少ないが、国内企業よりは恵まれている水準だという印象。 入社してからの定期的な昇給はほぼない。査定でよほどの評価を得ない限りは、申し訳程度の上昇率しかない。
出典:転職会議|在籍2019年頃 40代前半 女性 正社員 その他の経営管理系関連職 主任クラスの口コミ
韓国にも人材がおり、人材獲得競争に挑む必要がないので、非エンジニアは思った以上に低いと思ったほうがいい。
出典:転職会議|在籍2018年頃 20代後半 男性 正社員 編集者の口コミ
最初に入った年収レンジが引っ張られており、上がり幅が少ない。インセンティブはあるが、与えられる従業員に限りがあり寸志である。業務量やミッショングレードに対して、非常に厳しい査定であることは間違いない。
出典:転職会議|在籍2017年頃 30代前半 男性 正社員 新規事業・事業開発 課長クラスの口コミ
LINEの給与は職種によってバラつきがあり、エンジニアは比較的給与が高く設定されているものの、エンジニア以外の職種は低めとの声が多数あがっていました。
もし同社で高収入を獲得したいのであれば、入社時にきちんと交渉することが大切なようです。つまり、入社後の収入は、入社時の交渉力次第と言えるでしょう。
ZHDもLINEも非常に知名度の高いグローバル企業であるだけに、求職者も高年収を期待しがちです。
しかし、実際は双方ともにとびぬけて高い金額ではい、ということがわかりました。
そのため、収入面での処遇については、統合後に急変するというのではなく、あまり変化が見られないのではないでしょうか。
もし変化があったとしても、微々たるものなのではないかということが予想されます。
キャリア開発・教育体制
転職を検討している人のなかには、新しい職場の「キャリア開発・教育体制」が整っているか、ということが気になる人も多いのでは?
そこで、次は転職会議に寄せられた口コミから、ZHDとLINEのそれぞれの会社の教育制度の実情を見ていきましょう。
ZHDの教育体制
半デザイナー・エンジニアの教育体制はしっかりしている。社員がテクニカルなスキルアップに投資できる福利厚生もあり、意識の高い社員は正しく活用している。
(一方で)デザイナー・エンジニア以外のキャリア開発体制があまり整っていない。中途でビジネス職を採用することが多く、その人自身がもともと持つ素養・スキルで仕事をすることを求められているので、若手のビジネス職は苦労している。
出典:転職会議|在籍2019年頃 20代後半 女性 正社員 WEBプロデューサー・WEBディレクターの口コミ
昨年(2017年)から、クリエイター向けに月1万円までの補助が出るTechUpという制度が出来るなど、クリエイターに対するスキルアップのサポートは非常に充実していると思います。技術書、デバイス、資格試験の費用、クラウドシステムの月額使用料、アプリ・ライセンスの購入、英語学習など様々な用途で使用できるので重宝しております。
出典:転職会議|在籍2018年頃 20代後半 男性 正社員 プログラマ(オープン系・WEB系)の口コミ
ZHDでは、クリエイター向けのスキルアップの制度や、エンジニアやデザイナー向けのキャリア支援制度は整っていることがわかりました。
また、実際にこれらの制度を活用している社員も多くいるようです。
その一方で、一般的なビジネス職へのサポートは弱めであり、その人の持ち前の素養やスキルで仕事をすることが求められているようです。
LINEの教育体制
基本的にやりたい仕事は手を上げればやれる確率が高いです。希望にそぐわない人事異動も聞いたことがないですし、社内制度を利用して希望の部署に異動することも比較的他の会社よりしやすいと思います。 中途採用で入ったのちも、基本的には自分で考え、行動することが求められる環境です。
出典:転職会議|在籍2019年頃 30代後半 男性 正社員 一般事務の口コミ
外部の研修や各々でキャリアプランがあれば、しっかりと活かせる会社だと思う。 会社の規模が大きく携わるサービスがでかい分、業務はかなり分担されており縦割り組織でトップダウンな点は覚悟しておいたほうがいい。スキルを横展開させるには異動が必須。セルフマネジメントできないとLINEにぶら下がり、転職できないスキルセットしか持ち合わせていない人も見かけるので注意。
出典:転職会議|在籍2019年頃 男性 正社員 WEB編集・コンテンツ企画の口コミ
LINEに中途入社した人の口コミでは、中途採用者に関しては、自ら意欲をもって学ぶことが求められるようです。
その一方で、自分自身のキャリアプランやスキルなどがあれば、しっかりと活かすことのできる土壌がある、という声も見られました。
企業側に手厚い教育や研修を期待するという受け身の姿勢ではなく、主体的かつ積極的に学んでいこうという姿勢が大切なようです。
ZHDとLINE、どちらも中途採用者に対して手厚い教育制度があるというわけではなさそうです。
これは、ほかの多くの企業と同様、中途採用者には即戦力になることが求められていると言えるのではないでしょうか。
それぞれの企業の教育方針に大きな差異がないことから、教育制度についても、統合後も大幅な変更はないと考えられます。
一方、ZHDのクリエイター向けの手厚い研修制度の恩恵を、LINEの社員が受けられるようになることはあるかもしれません。
ワークライフバランス
多様な生き方がある現在、働く人はより自分のライフスタイルに合った、働きやすい環境を求めるようになりました。
企業側としても、優秀な人材を確保するため、働きやすい環境を作る努力をしています。では、ZHDとLINEの2社の働きやすさはどうなのでしょうか?両社の口コミから探っていきましょう。
ZHDのワークライフバランス
会社として残業は推奨していなく、ワークライフバランスについてはとても良い環境だと思います。 お子さんがいる社員は時短での勤務であったり、当日の午前半休なども取りやすいです。 コアタイムは10時から15時の間なので朝早く来て、早く帰る方も多いです。
出典:転職会議|在籍2019年頃 230代前半 男性 正社員 プログラマ(オープン系・WEB系)の口コミ
月に5日までリモートで仕事をすることができる制度があり、利用している人が多い。勤怠についても、メール一本で連絡をするだけで、休みがとりにくいなどの雰囲気もないため、その点については良いと感じる。
出典:転職会議|在籍2019年頃 30代後半 男性 正社員 アプリケーション設計(オープン系・WEB系) 主任クラスの口コミ
ZHDでは、コアタイムやリモートワークなど、時間や場所に縛られず、自由に働くことができる制度が整っています。
また、連休や休みも取りやすいため、子育て中の人も働きやすい環境と言えるでしょう。他にも、残業が少ないなど、多くの人が同社のワークライフバランスに関して高い評価をしていました。
その一方で、一般的なビジネス職へのサポートは弱めであり、その人の持ち前の素養やスキルで仕事をすることが求められているようです。
LINEのワークライフバランス
ワークライフバランスはとても重んじられており、営業であっても深夜まで残業している姿はほとんど見られません。その分、勤務時間中にかなり集中して業務を行うことが求められますが、それぞれが助け合いながらタスクをこなしていくため、1人だけ業務過多になることはそれほど多くないと思います。
出典:転職会議|在籍2019年頃 30代前半 男性 正社員 ルートセールス・代理店営業 課長クラスの口コミ
個人の裁量で調整ができる。 毎日、定時、といっても裁量労働制の場合は目安時間だが、それ以前の時間で帰る方も多くいる。一方で、遅くまで仕事をしている方もいる。あくまで個人次第。場所は問わず仕事のできる環境もあるため、オフィスに残らず、家で仕事している方も多いように思う。 有給や勤務時間に対しては、干渉されない。
出典:転職会議|在籍2018年頃 20代後半 男性 正社員 新規事業・事業開発の口コミ
LINEの企業文化では、セルフマネージメントが推奨されており、働き方は自己裁量にゆだねられているようです。
また、企業内託児所が設けられていたり、時差・時短勤務制度を導入しているなど、子育て中の社員にも働きやすい環境を整えています。
これらのことから、LINEには総じてワークライフバランスを重んじる文化があり、働きやすい環境であると言えるでしょう。
上記の口コミから、ZHD、LINEともに、ワークライフバランスがとりやすい環境であることがわかりました。
どちらの企業にも働きやすさを実現する制度や文化があり、大きな違いはないようです。そのため、統合後の働きやすさについても、変わらず良好なまま保たれるのではないか、ということが予想されます。
まとめ
ZHDとLINEという「2大メガベンチャー」のそれぞれの年収や教育制度、働きやすさの違いを見てきました。
各項目において、双方の企業にそれほど大きな差異は見られませんでした。
そのため、統合後に年収や教育制度、働きやすさなどが大幅に変わる可能性は低い、ということが言えるのではないでしょうか。
転職を検討中の方は、ぜひここで紹介した情報を参考にして、転職活動に役立ててください。
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