転職会議レポート

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またなの三菱自動車?ウソにウソを重ねた「リコール隠し」の実情をクチコミで振り返る

今年4月、燃費試験の不正が発覚し、世間をにぎわせた三菱自動車。その反応は「またか三菱」「変わらない体質」というものが大半で、過去2度に渡るリコール隠しの不祥事から学べなかった大企業の悪しき体質に冷ややかな視線が集まりました。 グループの銀行や商社の買い支えに救われ、起死回生のチャンスは何度もあったはずなのに、どうして彼らは同じ過ちを繰り返してしまうのでしょうか?転職会議では、1度目の隠蔽問題が発覚した2000年までさかのぼり、三菱自動車に関する600件以上の社員の声を拾い集め、その表と裏の顔をのぞいてみました。
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またなの三菱自動車?ウソにウソを重ねた「リコール隠し」の実情をクチコミで振り返る

今年4月、燃費試験の不正が発覚し、世間をにぎわせた三菱自動車。その反応は「またか三菱」「変わらない体質」というものが大半で、過去2度に渡るリコール隠しの不祥事から学べなかった大企業の悪しき体質に冷ややかな視線が集まりました。 グループの銀行や商社の買い支えに救われ、起死回生のチャンスは何度もあったはずなのに、どうして彼らは同じ過ちを繰り返してしまうのでしょうか?転職会議では、1度目の隠蔽問題が発覚した2000年までさかのぼり、三菱自動車に関する600件以上の社員の声を拾い集め、その表と裏の顔をのぞいてみました。
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今年4月、燃費試験の不正が発覚し、世間をにぎわせた三菱自動車。その反応は「またか三菱」「変わらない体質」というものが大半で、過去2度に渡るリコール隠しの不祥事から学べなかった大企業の悪しき体質に冷ややかな視線が集まりました。

グループの銀行や商社の買い支えに救われ、起死回生のチャンスは何度もあったはずなのに、どうして彼らは同じ過ちを繰り返してしまうのでしょうか?転職会議では、1度目の隠蔽問題が発覚した2000年までさかのぼり、三菱自動車に関する600件以上の社員の声を拾い集め、その表と裏の顔をのぞいてみました。
(クチコミを投稿した日時ではなく、在籍日時をもとに時系列を判断しています)

◆2000年、1度目のリコール隠しが発覚

社員の印象は、尊敬できない「ぼっちゃん体質」

  • 当時の評価制度は完全な年功序列。管理職には別の評価基準があったらしい。仕事が出来ると、その部署に囲われてしまい異動は困難。縁故による人事も露骨だし、問題意識や、競争業界になっているという認識が甘く、自動車のイロハもわからず、政治を駆使して昔の天皇のようにすべてを決めてしまい、変な方向に会社が進み始めました。生き残れないと考え退社しました。(1990年、男性、40代後半)

  • 企業風土がよくありません。給料も安いので、不満がありました。リコール隠しなど、良くない点も多いので、おすすめできる企業ではありません。正直他の自動車メーカーに行ったほうがいいと思います。(2000年、男性、40代後半)

  • 全体的に、明るく頓着しない性格の持ち主が多かった気がします。三菱重工から部門分離された会社という性質のせいか、のんきな「ぼっちゃん体質」という印象を受けました。堅苦しい雰囲気はありません。それが災いしたのか、経営不安定な時期がありましたが、三菱グループの恩恵を受け、商社や銀行が救いの手を差し伸べて立て直したときは、さすが三菱グループだと思いました。美味しい会社という印象です。 ただ、本当に優秀なデキル社員を、個人的には一人もみかけませんでした。(2000年、女性、40代後半)

  • 退職といっても期間従業員でしたから、あの三菱自動車の不祥事の余波を受けて退職の運びとなりました。退職というよりも期間満了により、期間の延長はしないということだったのだけれども、あのとき正社員登用制度により、社員希望届けを出していた友人たちも、解雇のような形になったのは、少し可哀想な感じがしました。(2000年、男性、30代後半)
 

三菱自動車の1度目の過ちは、2000年7月、23年間に渡り10車種以上・約69万台にのぼる不具合情報の隠蔽問題を告発されたことで発覚。それまでとその時の三菱グループの対応を、社員は「良くも悪くも財閥体質」と見ていました。自分の過ちを自分で拭えず、なんとか他力を借り、リストラを行うことで乗り越えられたようです。

◆2004年、2度目のリコール隠し発覚に脱力

財閥パワーで建て直すも、厳しい余波を浴びた暗黒時代

  • 見る人はみていて、地味なスキルでもきちんと評価する文化はあると思う。リコール問題のために業績が低迷しているので、ボーナスは業界他企業に比べ高い額は期待できない。しかしながら、リコール問題やダイムラークライスラーの提携解消時にも三菱グループがバックアップした。この安定感を考えると、多少の給料の低さは、この時代大したことではないのでは。(2005年、男性、40代前半)

  • 福利厚生は,この時期にどんどん削られた。例えば,社宅の居住可能期間の上限設定,海外駐在時の社宅費の有償化,国内出張・国外出張時の手当の大幅削減,昼食手当ての削減,保養所類の削減,などが多く行われた。本来,それに見合うだけの「対価」があってしかるべきだが,当時の経営状況からそれはなく,絞る一方だった。(2005年、男性、50代前半)

  • 一連のリコール隠しによる業績悪化で退職にいたりました。強く引き止められましたが、業種にこだわらず幅広い転職活動を決意して他メーカーに移りました。仕事内容は開発部門での業務で、車種が少ないためあまりスピードを重視した進め方とスケジュールではなかったような記憶があります。その分、落ち着いて業務に取り組めた反面、活性化は感じられませんでした。(2005年、男性、40代前半)

  • 2000年代の前半は、暗黒の時代でした。リコール隠しでお客様に多大なる御迷惑をおかけしてしまい、事業の展望を語れる時期ではありませんでした。今は、海外戦略(アジア戦略&ロシア戦略)がおおむね軌道にのってきており、財務的に瀕死の重傷から立ち上がりつつあります。今後は、小さい自動車会社が生き残るのは非常に大変な時代なので、展望が長期的に明るいか暗いかはわかりません。(2005年、男性、30代前半)

  • 内定後に発覚したハブ問題のリコール直後に入社しましたが、社内の雰囲気も悪く、所属グループの雰囲気も悪いのに加えて、入った直後で会社に対する愛着があった訳でもなかったため退職を決断しました。リコール前から社内にいた場合は、その件に対する責任やこれから会社を良くしていこうという気持ちも起こったと思いますが、第2新卒として転職活動を行う決意をしました。(2005年、男性、30代前半)

  • 全ては生活の基盤が維持出来なくなったからです。従事する限りでは上場企業、半国営的な要素が過分にありましたが、リコール問題で国から見放されてしまった今となっては自動車総連の団体に名称がある程度にまで落ちた気がします。また、社内、特に現場はやたらとムダに派閥争いがあり、どの上長に媚びを売るかで将来の明暗は分れます。その為、私が退職した当時は有能な上長は皆、関連会社にそそくさと移籍を図り、残った人材は「行くところが無い」者ばかりとなり腐敗しきった感じが強かったのを覚えています。(2005年、男性、40台後半)


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過去の教訓を生かせず、2度目のリコール隠しが発覚したのは2004年3月。これを気に退職を選んだ人や、その後に入社しても留まることができなかった人の声には、「会社に対する失望」や「業界での将来性に対する不安視」が見て取れます。

◆悪いのは古い体質?

「年功序列」や「低い給与」が若手のやる気を奪う

 
  • 業界の中では下位レベルだった。当時、経営改善が急務であったため、賞与も満足なものではなかったが、企業として改善努力をしていた為、業績が回復すれば賞与もついてくるのではと思った。評価については、一定の年齢まで年功序列で大差はつかないが、役職後若干の差異はある。とはいえ、驚くような成果主義でもなく、典型的な日本の製造業の範疇だった。(2006年、男性、20代後半)

  • 入社時のコネクションがいつまでもついて回るようで、成果をあげていない人が管理職や幹部になったりするので、正直不満を持ったことのほうが多い印象でした。成果主義をうたうのであれば、きちんと評価シートに基づいた評価をしないといつまでも三菱グループのお荷物のままだと思う(2006年、男性、N/A)

  • 満足している点は特にありません。一般社員は同業他社中最低ランクの給料なのでどちらかというと不満ですが、現在の会社の経営状況を考えるとしょうがないかなという感じがします。昇進昇給については表向きは成果主義ですが、実際は年功序列です。各部ごとに昇給させられる人数が決まっているらしく年寄り優先で若手は全然昇給しません。(2013年、男性、20代後半)

  • キーワード「選択」と「集中」ということで、今後伸びていく市場を選択し、そこに経営資源を集中するという方針です。具体的にはアセアン市場に注力し、そこで需要のある車を開発・生産するということです。日本、北米、EUでは赤字ですので、アセアン地域に特化した経営戦略になってくると思います。もちろんアセアン以外の市場も立て直しを図っていますが、あまり上手くいくとは思えません。またPHEVについては、今後車種拡大で期待の持てる技術だと思います。EVについてはまだまだ経営陣の考えが甘いと言わざるを得ません。総じて、早すぎたEV導入に資金を注入したり、新型車の不発等、経営陣が責任を取っていないという本質的な社風、体質という意味で将来性に不安があります。(2013年、男性、20代後半)

  • 三菱重工元社長の父親の威光を株主の三菱グループに利用された感がある。若手の力を使って立て直したいと表明しているが、年寄りしかいないこの会社では不可能。何もしない&出来ないベテラン高給プロパーの存在が若手の転職を加速させている。経営は日産の軽自動車を作って耐え忍んでいる。国内7メーカー中、最弱になった理由は財閥が守ってくれるという甘えと向上心の欠如にしかならない。優先株を売り払った今が三菱グループとしては他社へ売り時だろう。(2014年、男性、30代前半)

  • リコール隠し後に転職出来なかった50代前後がポストを占めており、また年功序列な為、若手は昇進が難しい。40代になってもヒラの人はザラ。特に中途はほぼ0からスタートになるので、プロパーより10年昇進は遅れる。その為、中途の入れ替わりが多い。プロパーも副本部長止まりで、それ以上の幹部は三菱商事、三菱重工、三菱UFJから天下りが埋めるので、プロパーも上に行けない。暫くは三菱グループの庇護の下、経営を進めるため、この体制は変わらない。(2014年、男性、20代後半)


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過去2度に渡る不祥事で、大きなリストラや自主退職による人材の入れ替えはあったものの、古い体質を変えることができない「古い人材」は在留したまま。抜本的には変化が起こせない実情を嘆き、会社の発展をあきらめている社員の声は、10年経った今も悲しく繰り返しつぶやかれています。

◆これからどうなる?

真摯に技術向上に取り組み再生を狙う社員も

  • (社長の魅力について)この人のおかげで三菱自動車はなんとか踏ん張れた。周りは、文句しか言わない、足は動かさない、経営センス皆無という役員だらけの状況で、この人が三菱商事から来てくれたおかげでぎりぎり体面を維持できている。それだけに実績があるため、その後の取り巻きはイエスマンが多くなってしまった。またその後は取り巻きが殆ど変わらないため、変革にマンネリ感が出ていることも事実。商品担当は入れ替わったので、今後の製品には期待できるかもしれない。(2006年、男性、30代前半)

  • 社風/社員を大事にする。待遇/悪くはない。同業他社比では悪い。年功序列。実力主義で足下の待遇upは難しい。業績/2期黒字見通し。長年の脆弱な経営体質脱却が当面の至上課題。労働環境/働きやすい。福利厚生、休暇、労働時間は管理されている。人間関係/風通しも良く、良好。キャリアパス/手を挙げると比較的融通がきく。海外志向。(2012年、男性、20代後半)

  • リコール隠しから約10年、世間の方々の三菱自動車イメージはいまだ厳しいものがあります、重大な不祥事であったので仕方のないことだと思います。しかし、10年を経て三菱自動車は生まれ変わりつつあります。今、国内のシェアは約2%で自動車メーカーの中でも最下位ということで経営面は厳しそうと思われがちですが、ここ3年、安定して黒字をキープしています。なぜかというと、三菱自動車は国内での販売だけでなく、海外での販売に力を入れており、フィリピンではシェア20%以上でトヨタに次いで2位というシェアを誇っています。それだけではなく、中国、ロシア、東南アジア諸国、中南米、北米などでもある程度のシェアを誇っています。生産ラインでも国内向けに対しても圧倒的に海外向けの生産が多く、今の三菱自動車は海外で成り立っていると実感できます。今後も三菱自動車は「ジャンプアップ2016」という計画を掲げて2016年までに現状の業績に対しての向上を目標に前進していきます。また、この計画には今よりも海外顧客を獲得するため、車種を減らし、生産ラインを減らし、海外で需要のある、SUV、ピックアップトラックなどの生産に力を入れいく方針だそうです。給料面では大手企業で基本給は低めですが、安定して、ある程度のボーナスも支給されます。(2013年、男性、20代前半)

  • 尊敬する点は、営業センスや経営センスです。元々三菱は開発部門の力が強く、自己満足的なクルマを開発する傾向が強かったが、ラリーなどクルマの走りに全く興味のない社長が就任したお陰で、事業の選択と集中が進み、儲かる車種開発に力を注げる会社経営体質に変わることが出来たと思います。その結果、会社が黒字化しました。但し、三菱車から三菱らしさが徐々になくなって行ってます。(2014年、男性、20代後半)


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不祥事を招いた人々の影には、本気で開発技術の向上を目指し、日々改善に取り組む社員がいるのも事実。世間からの冷ややかな視線に耐えながら、海外市場や技術向上に目を向け、生まれ変わる会社に期待する姿勢を見るとこみ上げるものがあります。

ゴーン氏の再建メソッドは三菱自動車を救うか?

過去の教訓から学べなかった三菱自動車の古い体質を変えるには、染み付いた悪習慣と縁を断ち切る思いでの抜本的な人事の改革が必要に思います。

3度目の不祥事の直後、5月に34%の出資を公表した日産自動車は、まさに三菱自動車にとっての救世主。差し伸べられた手を藁をもつかむ思いで受け入れた三菱自動車ですが、ご存知の通り、日産のカルロス・ゴーン氏といえば、同社を再建する背景に拠点閉鎖、資産売却、大規模リストラを実施した鉄の男。これまでの甘えた体質は徹底的に改革され、古い体質でしか生きられなかった人には厳しい現実が待ち受けているでしょう。

三菱自動車は、3度目の正直で再び業界に返り咲くのでしょうか?今後の動向に期待が高まりますね。

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