今回のランキング調査では、2015年に入社した会社をすぐに離職してしまったユーザーのクチコミデータを抜粋し、理由別に関連キーワードを集計。その心の内を覗いてみると、「人間関係に不満」「時間外労働が多い」「社風・体制に不満」のトップ3のクチコミ数が群を抜いて多く、「給料が安い」ことに寄せられた不満は意外に少ない印象。この結果から見えてくるのは「いくら貰えるか」という金銭的なことよりも、「どのように働きたいか」という働き方に対する不満が多いと言えそうです。ではさっそく、上位5つのクチコミを見ていきましょう。

１位 人間関係に不満（コメント数：998）

・ 正当な評価をしない会社でやりがいがない。年功序列というよりも、現在の上司に常にゴマが擦れる人間が認められ、そうでない人は全く評価をされない。そういった人には条件の悪い仕事を与えて低評価をし易くする社風。（専門商社・施工管理／男性）

・ 人間関係が悪いです。古くから根づいた体質らしく新しく入った人に対してわざと大切なことを申し送らなかったり無視したりされました。私だけてはなく新人はみんなそういう目に合います。（医療・医薬／看護師・准看護師・看護助手／女性）

・ 仕事が出来るという事よりも、周りとのコミュニケーションが大切で、飲み会やゴルフに参加してアピールする事で昇進していく文化に嫌気がさしている。（総合電機／法人営業／男性）

・ 幹部は、店舗よりも社長に目がいっており、いかに媚びを売るかしか考えてない。実質、社員をコマのように扱い、退職者があとを絶たない。（専門店／店長・店長候補／男性）

仕事の業績とは関係のないところでの競争や、上司に気に入られることが出世への近道という習慣のある会社では、いくら頑張ったところで正当な評価をしてもらえるはずもなく…。嫌気がさして離職する人が多いようです。

２位 時間外労働が多い（コメント数：813）

・ 休日出勤と休みの少なさが一番の退職理由です。（専門店／個人営業／男性）

・ 圧倒的に残業が多い。みなし残業45時間だが、実際に80時間以上勤務している。そしてそのままの勤務時間をタイムシートに書いている社員は少ない。（人材／派遣コーディネーター／男性）

・ 週休完全2日を謳っていますが、祝日に社員は必ず出勤しなければならないため、実質の休みは月6～7日ほどです。あくまでもこれは人員が足りている場合の話で、人員が足りていない店舗や長期休暇期間では10連勤以上はザラにあります。（外食・フード／店長・店長候補／男性）

・ とにかく慢性的な人手不足。年間の休日も少ないし(祝日やお盆正月も関係ない)（アパレル・日用品／その他の福祉関連職／女性）

・ 異常に高い売上ノルマを課せられるため、平日は毎日終電まで働いています。土日も表向きは休日となっておりますが、研修や勉強会、売上ノルマが達成できない時は会議があり、週休1日といったところでしょうね。（その他（メーカー/製造系）／法人営業／男性）

業界によっては平日の残業や休日出勤が多いという傾向があるにしても、慢性的に働き詰めだと身も心も疲弊して離職するというのが実態のようです。

3位 社風・体制に不満（コメント数：720）

・ 個人の能力に頼りすぎで、少し対応すると、それ以上の仕事を押し付ける。小さな仕事をこまこまと頼んでくるので、自分の仕事が全く進まない。コンプライアンスがめちゃくちゃ。（人材／一般事務／女性）

・ 時代錯誤の体育会系。熱意を持って真剣に取り組む事と、悪ふざけの違いが分かっていない。政治の横行(明らかに能力が劣る中間管理職が幅をきかせている) （外食・フード／店長・店長候補／男性）

・ 毎日上層部(家族で固まっている)のカメラの監視、電話で呼び出しでの罵倒。目を付けられると、毎日カメラを動かし監視されます。（その他（コンサルティング/専門サービス系）／倉庫関連／男性）

労働基準法やコンプライアンスなどを意識しない無秩序な職場環境に不満爆発。何でもありな社風に早々と愛想を尽かして離職するケースが目立ちます。

4位 労働環境が悪い・ノルマがきつい（コメント数：434）

・ 契約内容と現実が違いすぎる。調理師として病院に配属されたが、当時の人員補強の関係により盛り付け配膳しかやらせてもらえなかった。2～3か月でまずは契約社員登用という話だったが、エリアマネージャーとの面談で「調理業務ができないと不可能」とのこと。（その他（サービス/外食/レジャー系）／調理・料理長／男性）

・ 面接時に「ノルマはありません」と言われますが、「目標」と言う名のノルマがあります。新卒・中途は必ず騙されて入社し、先輩社員に知らされて初めて知ります。内容は、1ヶ月に10回、無料体験授業のガイダンスを開けなければならず、2ヶ月連続で10を切ったら飛ばされるか自主退職を迫られるらしいです。（教育／個人営業／男性）

・ 新卒で入社してまだ3か月目ですが、募集要項や、説明会で話されていた雇用形態とは異なった勤務時間に驚きました。実質勤務8時間の説明のはずが、開店準備、閉店後の事務的処理も合わせると12時間以上はお店に拘束されることになります。（その他（サービス/外食/レジャー系）／内勤営業／女性）

入社前の説明と入社後の労働内容や待遇が乖離しすぎていることに驚きを隠せないといった離職者の声が多数。クチコミには「入社前に教えておいてくれれば入らなかったのに…」というようなサイレントマジョリティーの声がしっかり記録されています。

5位 給料が安い（コメント数：227）

・ 残業代で月々の給与を上げることはできるのですが、裏で設定されている年収を超えると、ボーナスの査定が下がるため、年収は変わらないようです。また、査定で評価が上がったとしても、残業をしない限りは新卒と変わらないような金額です。（デザイン・出版・印刷／その他の出版・印刷関連職／男性）

・ 研修制度等が不十分。仕事量の割に給料が安い。結婚すら出来ない。（その他（メーカー/製造系）／法人営業／男性）

・ とにかく給料があがらない。役職が付かないと、新卒と2～3年勤めている平社員とで給料が変わらない。（その他（小売/流通/商社系）／その他の事務関連職／女性）

ゆるやかな右肩あがりならまだしも、キャリアを積んでもほとんど平行線のような給与体系に未来を絶望視して離職する人が多いようです。経験を積んでも努力が評価されないと分かったなら、早々に離職するのも致し方ないかもしれません。

入社前に、念入りなリサーチを

短期離職の原因すべてが企業側にあるとは言えませんが、こうしてクチコミを眺めて見ると、優秀な人材を獲得しようと躍起になるあまり、企業側が大きな風呂敷を広げたことから雇用のミスマッチが発生しているのも大きな要因の一つ。

企業に“透明性”が求められるのは言うまでもありませんが、入社後に「こんなはずじゃなかった」とならないように、気になる企業のクチコミはくまなくチェックしておきましょうね。

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