新年度がもうすぐはじまる3月といえば、毎年新入生や新社会人の引っ越しシーズンですね。
「最近引っ越しを経験した」あるいは、「これからする予定」という方も多いのではないでしょうか。
引っ越しの際にほとんどの方が利用する、引っ越し業者。
先月2月9日、『ガイアの夜明け』で「密着!会社と闘う者たち~“長時間労働”をなくすために~」という特集が組まれました。
同番組の中で取り上げられ、現在話題になっている「アリさんマークの引越社」。皆さんはご覧になりましたか?
同社は、「本来会社が負うべき、引越し作業中の破損や車両事故の弁償を、給与から天引きしたり、借金として負わせる」ことに加え。「月340時間を超える長時間労働に対し、給与は27万円あまり」という実態があり、昨年から訴訟事件にまで発展しているようです。
引っ越し業界の実情は一体どうなっているのでしょうか?
今回は、個人向けに引っ越し業を営む大手5社(サカイ引越センター、アート引越しセンター、アリさんマークの引越社、クロネコヤマト引越センター、ハート引越センター) の口コミを調査し、その傾向を分析しました。
まず、引っ越し業界のクチコミにでてくるワードを出現頻度別に独自に集計したものが、こちらのランキングです。
これらのワードがどんな意味をもつのか、早速クチコミをみていきましょう。
共通する注目ワードは「離職」「体力」「繁忙期」
引越し業界全体に共通するのは、「アルバイト」「離職」「体力」「繁忙期」などのキーワードです。
ランキング1位は「アルバイト」です。引っ越し業界はオンシーズンとオフシーズンの差が激しいためか、日雇いアルバイトや大学生アルバイトの手を借りている現状があり、話題にあげられることが多いようです。
・3月の繁忙期の時期に短期でアルバイトとして入社しました。入社理由は、体を動かす仕事、元気がありそうな職種だったためです。 みんな仕事に真面目な方たちでした。繁忙期には、毎日でも入ることができるので、お金を稼ぎたい人にはいいと思います。(サカイ引越センター/その他職種)
・引っ越し作業は3、4人のチームで行うので楽しいです。体を動かすのが好きな人にはとても良いと思いますそ、引っ越しが終わった後の達成感はすごく気持ち良いです。 いかに効率良くアルバイトの子達と引っ越し作業を行うかも考えなくてはいけないので、頭も結構使います。(アリさんマークの引越社/ドライバー・配送関連)
この他、比較的イメージに近い実態として、「体力勝負」「繁忙期はとても忙しい」「離職率が高い」といったクチコミも多く見られます。
・離職率は高い方ではないでしょうか。新卒で3年後も残っている人は半分もいないかと思います。(サカイ引越センター/法人営業)
・3~4月の繁忙期はかなり忙しく残業代などでかなり稼げる。冷蔵庫など重たいものも運んだりするので、いやでも筋肉もりもりになり、 体力をつけたい人にはよい。ガテン系の仕事であるため、きついことをいう人もいるが、仲良くなればかなり過ごしやすい職場でもある。(アート引越センター/その他職種)
・引っ越しは体力勝負です。最初はきついですが体は慣れてきます。体が慣れてくると、後は段取りよく仕事をこなしていくのみです。(サカイ引越センター/その他職種) 仕事自体ハードなために離職率もかなり高く大体2~3年でかなりの人が退職していきます。(クロネコヤマト引越センター/ドライバー・配送関連)
・繁忙期は件数が多いので、昼飯を食べる暇もなく、労働時間がすごく長いです。(サカイ引越センター/その他職種)
体力的に大変ではあるものの、ワイワイ楽しく働けるといった面もあるようですね。
「お客様の笑顔でやる気がでる」「トレーニングになる」引っ越し業界の仕事のやりがい
それでは、続いて引っ越し業界で働く方々のやりがいを調べてみましょう。
実は、思っている以上に私たち利用者の感謝の言葉が心に響いているようです。
・一つの現場を自分が指揮を取り、現場によって異なるハードルをクリアし、時には臨機応変な判断で荷物を傷一つなく運び届ける。作業終了時にお客様から「ありがとう。さすがです。」と言われた時とてもやりがいを感じます。(クロネコヤマト引越センター/ドライバー・配送関連)
・仕事のやりがいは、荷物が詰まった荷台が空になった状態をみる時に感じます。気分が爽快になります。また、お客様から感謝の言葉を頂くことや飲み物の差し入れなども仕事のやりがいのひとつです。(ハート引越センター/ドライバー・配送関連)
・成約して、引越が完了し、お客様から感謝の言葉をいただいたときは達成感がある。そして、数字としてそれがはっきり現れるところがわかりやすく、面白いところだと思う。(アート引越センター/個人営業)
・引越しはお客様にとって一大イベントであるため、作業後に、ありがとうやお疲れ様など感謝の言葉をいただくことが多かった。やはりその時が一番嬉しく、次の仕事へのモチベーションにも繋がる。 また、お客様によってはご祝儀(千円、二千円くらい)をくれる方もいるため、そういったこともモチベーションにつながる。(アリさんマークの引越社/その他職種)
他には、「筋肉トレーニングになって良い」というクチコミも比較的多く見受けられました。
・やはり筋肉がつくのでダイエットをしなくても痩せる。筋肉質になるため、代謝がよくなる。(サカイ引越センター/ドライバー・配送関連)
・かなりの肉体労働なので、運動好きにはいいかもしれません。ダンボールの重ね持ちは当たり前、階段ダッシュも当たり前です。筋肉は綺麗につきました。(アート引越センター/運輸関連)
給与は「安定している」が、「忙しさに見合ってはいない」
ダイレクトに感謝の気持ちを受け取ったり、働く中で体を鍛えたりすることができる職業なので、働きがいがあると感じている方も多いようです。
それでは、待遇に関する実態はどうなっているのでしょうか。
・決して少ない給与とは思わなかったが、なにゆえ会社にいる時間が長いので時間給で換算すると割に合っているかは、それぞれの価値観かもしれません。(サカイ引越センター/個人営業)
・大企業なので、給与など安定している。また、企業倫理、働き方の規約なども、かなり順守されている。ただし、繁忙期はサービス残業になりがちな部分があった。(クロネコヤマト引越センター/倉庫関連)
・人間関係は、職場の雰囲気がよく、上司も含めとにかく面倒見のいい雰囲気でしたが、拘束時間と給与の割があわず、長く続けられる仕事ではないと思い、退職に至りました。(アート引越センター/個人営業)
今回取り上げた企業に関しては、福利厚生や給与、休みのとりやすさは比較的安定しているといった声が多く寄せられています。
ただし、給与は「労働時間の長さの割には合わない」、「アルバイトの方が収入が高くなることがある」など、待遇面での満足度は低めな傾向があるようです。
また、アリさんマークの引越社に関しては、訴訟で取沙汰されている事実と一致するクチコミが多数見受けられました。
・現場に関してはイメージどおり体力的にはきついが慣れてくると楽しく感じることもある。しかし、破損に対しては基本的に個人負担になってしまうので、その点で苦しい目にあう人が多い。 事故をおこしたりしても個人負担になる。中には、150万、200万といった弁償をしなくてはいけなくなる。(アリさんマークの引越社/その他職種)
・現場作業をしていて、お客さんの家財を壊してしまった場合、作業員の自腹で弁償します。事故を起こしたら、車両保険に入ってなどいないので全部自分で負担します。。 事故の場合はドライバー一人で100万でも1000万でも弁償します。会社からの補助は全くありません。(アリさんマークの引越社/ドライバー・配送関連)
・お客様にはとても喜んでいただける仕事ですが。従業員はとてもリスクが高いため入れ替わり、立ち代わりが激しいです。ちなみに家具を引越作業中に破損すると当日作業をした従業員で弁償します。(アリさんマークの引越社/ドライバー・配送関連)
その他の企業については、事案によって多少の天引きが発生することはあるようですが、クチコミを見る限りこのような弁償制度の実態があるのは同社だけのようです。
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