転職会議レポート

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シャープの25年間をクチコミで振り返る。頻出ワードは「リストラ・減給・トップダウン」

シャープ株式会社再建の話題は日本に衝撃を与え、連日新聞やニュースを賑わせていますね。 シャープといえば、日本を代表する大手優良企業のイメージ。 2008年にリーマンショックが起こり、2009年に初の赤字を計上してからは、業績回復のために奮闘し続けました。 しかし、2012年には3000人超の大規模リストラを実施。その後もなかなか経営を軌道にのせることが出来ず、今回ついに、シャープ再建のため支援先を探す流れとなりました。 シャープ程の大企業が、なぜ業績を挽回できなかったのか? 2011年1月~2016年2月までの約5年の間に、転職会議に寄せられた2500件を超えるクチコミから、シャープの内情を覗いてみましょう。
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シャープの25年間をクチコミで振り返る。頻出ワードは「リストラ・減給・トップダウン」

シャープ株式会社再建の話題は日本に衝撃を与え、連日新聞やニュースを賑わせていますね。 シャープといえば、日本を代表する大手優良企業のイメージ。 2008年にリーマンショックが起こり、2009年に初の赤字を計上してからは、業績回復のために奮闘し続けました。 しかし、2012年には3000人超の大規模リストラを実施。その後もなかなか経営を軌道にのせることが出来ず、今回ついに、シャープ再建のため支援先を探す流れとなりました。 シャープ程の大企業が、なぜ業績を挽回できなかったのか? 2011年1月~2016年2月までの約5年の間に、転職会議に寄せられた2500件を超えるクチコミから、シャープの内情を覗いてみましょう。
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まず、シャープのクチコミにでてくるワードを出現頻度別に独自に集計したものが、こちらのランキングです。これらのワードがどんな意味をもつのか、早速クチコミをみていきましょう。

あのシャープがなぜ。業績不審の原因を探る

転職会議には、シャープに関するクチコミが2500件以上集まっています。時系列を追って、同社に対するクチコミを調査してみました。
(クチコミを投稿した日時ではなく、在籍日時をもとに時系列を判断しています)

「シャープらしさの」1990年代、「あぐらをかいた」2000年代

  • 1990~2008年
 
●1990年頃はシャープのブランドイメージはあまり高くなかったのですが、世界最小FAX、両開き冷蔵庫、全自動洗濯機など、各製品に他社にない特長を 何かしら備えており、今後成長するメーカーと考えて入社を決めました。その後10年間は予想通りどんどんブランドイメージが向上したのですが、2000年 以降はそれまでのシャープらしい製品が出なくなってしまったように感じます。また、堅実さも失われてしまいました。2000年までの社風(控えめで堅実な 印象)と、2000年以降の社風(高くなったブランドイメージにあぐらをかいた印象)はかなり異なる。(1995年、男性、40代後半)

●(女性は)育児休暇がとれ、キャリアが保障されていた。(1995年、男性、40代前半)

●(当時は)液晶テレビの製造が急成長の頃だったので、設計・開発から量産までのさまざまな過程に携わることができて、販売店で実際に自分が関わったモデルの細かい部分を他メーカーの製品と比べながら、しみじみと眺めるときに幸せを感じた。(2000年、男性、30代後半)

●商品開発途上ではさまざまな技術的問題(性能要求スペックに合わない、品質基準をクリアできない等)が発生しますが、それらの原因を一つ一つ分析し、対策を講じて解決してゆき、最終的に商品が完成したときにはやりがいを感じました。問題解決にあたっている時は無我夢中ですが、この時が自分としては何もかも忘れ熱中した時です。(2000年、男性、50代前半)

●入社前は液晶が大変強く看板として売られていた時代になります。液晶デバイス自体の強さもありますが、もともと面白いものづくりをしていた会社であり、少し違った尖った製品をいくつも出しているという会社のイメージでした。入社してみると上からの命令を体育会系のノリで、無理を通して道理を引っ込ますを地で行く開発体質でした。(2007年、男性、30代後半)

●自由闊達な社風と思い入社しましたが、入社後、印象が逆転。管理が結構厳しいなと感じました。あと、説明が長い方が多い印象で、いい意味で丁寧なのですが、クドイと思ったこともあります。これは従業員がまじめだからと思いますが、手順にこだわるあまり、ビジネスチャンスを逃しているのではと思うことがあります。(2008年、男性、40代前半)



1990年代のシャープは独自の視点で開発に取り組み、他社とは違った製品を次々に生み出していきました。クチコミから、従業員はやりがいと誇りをもって働いていたことが伺えます。2000年代以降は「あぐらをかいた印象」と例えられていますが、社内の雰囲気も少しずつ変わっていったようです。

「トップダウン」「お客様を見ない」問題意識の顕在化

  • 2009年~2012年
 
●リストラのない会社であるせいか、非常にみんなのんびりしている。一部の人間だけが忙しく仕事をしている感じで層が薄いと感じる。(2009年、男性、20代後半) あまりマーケティングの意識がなく、基本的にはトップダウンで物事が決まっていく。そのトップダウンの根拠もいまいちわからず、正直「ものづくり」とはなんだろうと真剣に考えざるを得ない。(2010年、男性、20代前半)

●上司や仕事はビジネスキャリアというよりも、人として成長する上では役に立ちました。仕事で身につけたスキルは残念ながら他の会社ではほとんど役に立た ないと思います。理由はほとんどが社内調整的な仕事だったためです。社員の転職を前提とはしていませんので、社員のスキルそのものについては会社は無頓着 です。自分の責任は自分で持たなければなりません。(2010年、男性、40代後半)

●いわゆる大企業病なのか、仕事の細分化がされてるためどこでも通用するスキルが身につかなかった。2012年当時もそうだが、経営危機で残業もできなくなり、ピーク時に比べ年収も150万円ぐらい落ちました。(2012年、男性、40代前半)

●会社の業績不振による経営難により、収益性の高い仕事へ投資を集中せざるを得なくなったため、以前のような「新しいことに対して失敗を恐れず挑戦する」という企業風土を維持することができなくなった。将来を考える中で、今後は同じような仕事の継続を繰り返す状況下にスキル向上は見込めないと判断したため、転職を検討している。(2012年、男性、20代後半)

●ライバル企業が乱立していく中で、コスト面での優位など無いに等しい。そうした状況の中で国産ブランドにこだわるのであれば、もっと歴然たる差別化が必要。経営層はもっとマーケティングについて学ぶべきである。技術があることは、必須条件ではあるが十分条件ではない。技術者の目の付け所・・・では、独りよがりになりがちである。(2012年、男性、20代後半)

●商品を新規に開発する際に、「顧客のニーズがあるから」ではなく、社内に「こんな技術やデバイスがあるから」、「工場の稼働率をあげなければいけないから」等、社内の事情を優先してしまい、お客様のことを全く考えていない。人間関係は本当にいいのですが、お客様のことを見ない会社はいずれ淘汰されていくものと思います。(2012年、男性、30代前半)

●トップダウンの数字が絶対で、クリアできないということが許されないこと。そうなると根性論で数値を出し、メニューも実態もない数字を報告することとなる。ゆえに公表数値の未達ということがおこってしまう。現状の報道をみていると今も昔も変わっていないのかなと思ってしまう。(2012年、男性、40代後半)



業績不振により経営難に陥ったこの時期は、「マーケティングに対する意識を改善した方がよい」、「仕事の進め方がトップダウンで納得感がない」といったクチコミが多く見られました。 自社都合ではなく、顧客目線に立ち帰り、ニーズに合った製品を開発していくことが求められていたのかもしれません。

相次ぐリストラと待遇カット。変われない企業文化

  • 2013年~現在
 
●上司の判断にNoといえる環境が十分には整備されていないようです。 そのため、危機感を感じていても、そのまま突き進んでいかないといけない状況があります。(2015年、男性、50代前半)

●中・長期の計画の立て方が甘く、目先の利益を追っている感が強い。マーケティング部門が機能していないため、社内のベクトルがあっていない。(2015年、男性、30代前半)

●昨今の業績不良により、まわりが非常にピリピリしている状況です。またリストラなどによる退職で、人員が目に見えて減っています。(2016年、男性、40代前半)

●日当もカットされ、給与もカットされているため厳しい。様々な構造改革を行おうとしているが、なかなか結果が出ず、15年9月末には約3000人の人が希 望退職でやめてしまったため、一人当たりが担当する業務が増え、回らなくなってるのが現状。(2016年、男性、30代前半)
 


時系列順にクチコミを見ると、シャープ内部でも問題を認識しており、解決したいのにできない状況に悩んでいることが伺えます。 もちろん、こうした状況をかえるために、多くの社員が苦労をしてきたのでしょう。

特に、経営不振まっただ中に就任した高橋社長に関しては、好意的なクチコミがたいへん多く、硬直化した企業文化を変えるべく社長自ら行動されていることが伺えます。

経営不振まっただ中の就任。高橋社長「けったいな文化をかえよう」

シャープのこうした状況を救うため、2013年に就任した高橋社長。
「けったいな企業文化を変える」ことを標榜し、実際に行動されているというクチコミが多数寄せられています。

●本社勤務時は、できる限り現場に顔を出そうと、経営陣のフロアから、現場の居室や、商談室に顔を出し、自分から社員に声をかけるなど、かなりフランクな印象でした。会社を変えようとしている姿には好感が持てます。(男性、30代後半)

●熱意のある方で、社内コミュニケーションを促進する為に、海外を含めた全国拠点を巡回している。物事もハキハキと話し、若手との交流の時間も積極的に設けようとしている。若手とのランチ交流や懇親会等の機会も多い。忙しい中、そういったFace to Faceの交流は特に若手にとっては、今後の働くモチベーションに繋がると思う。ただ、話す内容はいつも抽象的な事が多く、経営状態がまだ不安定な中、具体的な確固たるヴィジョンが社長の口からは伝えられていない。(男性、20代前半)

●昨年より就任した新社長だが、原稿を読まず、自分の言葉でヴィジョンを語る社長であり、社内での支持率は高い。大企業病に侵された会社から、昔から残る悪しき習慣、けったいな文化を取り除こうと繰り返しメッセージを語っている。(例:社内の雰囲気改善の為、お互いを役職で呼び合うのではなく、~さんと呼び合う"さん付け運動"を推進、等。)また、積極的に若手の声を取り上げようとする点にも好感が持てる。(男性、20代後半)


「人柄」に対し好意的な意見が多く、社長の姿に励まされた社員が多くいるようです。
世間では「リーダーシップが発揮できなかった」という批評も見受けられますが、時期や状況が違っていたら、経営者として高いパフォーマンスを出していたかもしれません。

「うちの会社もあるな…」シャープのクチコミに覚えがあるあなたは要注意!?

クチコミで振り返るシャープの25年。いかがでしたでしょうか。

「トップダウンの傾向がある。」
「社内の状況を優先し、お客様をみていない。」
「役割が縦割りで、なかなかスキルが磨けない。」

同じような状況にあるのは、果たしてシャープだけでしょうか。
高度経済成長が終わって久しい現在、「大企業だから一生安泰」はありえません。 少しでも、「まずいかも…」と感じたあなた。社内の問題点に気付いた瞬間が、変革の時です。 まずは、気付いたことを行動に移してみませんか?

自ら新しい分野の学習に手を付けてみる。
今の仕事でもっとパフォーマンスがだせないか検討してみる。
自分のキャリアを見つめなおしてみる。

今この瞬間から始められることを見つけて、少しずつ取り組んでいくことが大切です。

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