<人物肩書き>
株式会社スプリー
代表 安藤美冬氏
「キャリアスライディング」という山歩きを楽しむ
――仕事でも、個人でもSNSを使った情報発信に力を入れていらっしゃいますね。
- 安藤氏:私にとってSNSは拡声器みたいなもの。常に自分の考えや仕事観などを発信し続けています。それが直接仕事に結びつくこともあるし、人を紹介してもらって仕事の環が広がっていくこともあります。
東南アジアに語学留学している時、現地の様子をSNSで伝えていたら、ある編集者の目にとまり、雑誌の連載を任せてもらえるようになりました。その後は、海外経験を買われて水先案内人としてピースボートに乗船したり、旅行代理店とオリジナルツアーを企画したりする仕事にもつながりました。
自分の考えや思いを発信し続けることで、チャンスが巡ってくるのです。あとは自分らしく働くことを曲げないで、思い切りチャレンジするだけ。その結果、今の私がいます。
――安藤さんのお話を伺っていると、仕事と楽しく向き合っているという印象を受けます。
安藤氏:自分のキャリア形成について、私は一般的なキャリアパスとは違う考えを持っています。より高い報酬やポジションがゴールとは考えていないので、一生もののキャリアは目指しません。
一般的なキャリアパスが山登りだとすると、私がやりたいのは“山歩き”です。世界最高峰エベレストの頂点を目指すのではなく、その過程にある山歩きを楽しむこと。
キャリアパスではなく「キャリアスライディング」と私は呼んでいます。山登りは最終目標である頂上があって、その達成に向けて一つひとつステップを上がっていきます。
でも山歩きは工程を楽しむものなので、途中で休んでもいいし、道に迷ってもいい。時には落石があったり、熊に出くわすかもしれません。
そのように予測がつきにくいことが、楽しみでもあります。道に迷ったら、迷ったことを楽しんでみる。その途中に、誰も知らないきれいな花や風景に巡り合えるかもしれませんから。
結果だけ追い求めるのではなく、キャリアをつくる工程も思い切り面白がることで、いろんな仕事に前向きにチャレンジできるのだと思います。
青臭さを捨てないで、自分の人生を問い続ける
――でも、落石や熊に遭遇したら怖いですよね。不安はないのですか。
安藤氏:もちろん、ありますよ。でも、組織に属している時だって不安はありました。不安は払拭すべきものと思われがちですが、私にとって不安はセンサーやコンパスのようなものです。
やりたいことや目標があるからこそ、人は不安になるのではないでしょうか。「うまくできるだろうか」とか「失敗するんじゃないだろうか」とか、それが不安の正体だと思っています。
大切なのは不安を払拭することではなく、不安から逃げないこと。つまり、自分が抱く不安を素直に受け入れることです。
「計画通りにいかないことも計画のうちだ」と考えて、日々“山歩き”を楽しんでいます。
――最後に、よりよい仕事や働き方を模索するビジネスパーソンにアドバイスをお願いします。
- 安藤氏:山歩きに近い言葉に「ワンダーフォーゲル」という言葉があります。本格的な登山とは違って、自然の中での野外活動を意味しますが、
ある本の中で、「自然に親しむことで人生の意義を見出す活動」という意味が込められていることを知り、大きな衝撃を受けました。
私の目指す働き方が、ワンダーフォーゲルの精神と非常に近いと感じたからです。
人それぞれに目的や目指すものは違うかもしれませんが、誰だって道に迷ったり、つまづいたりします。それが取り返しのつかない失敗だなんて思わないでもらいたいのです。
青臭いと言われるかもしれませんが、仕事を内包する「人生」の意味を、ビジネスパーソンとして問い続けたいと考えています。
青臭いってあまりいい意味に使われませんけど、みんなもっと青臭さを持った方がいいのではないでしょうか。
「自分はどう生きたいのか」というベクトルで、自らの仕事を見つめ直す先に、自分なりの答えが見えてくると思います。
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