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「できること」より「したいこと」を優先する働き方:前野隆司さんインタビュー【前編】

エンジニアから大学教授という大きな歩幅でのキャリアチェンジを果たし、ロボットから人間の心まで多角的に研究する前野隆司さん。幸福学の第一人者でもある前野先生に、「すべての人が幸せに働ける働き方はあるのか?」をテーマにロングインタビューを実施。前編ではこれまでのキャリアを紐解きながら、自己実現するための方法についてお聞きしました。
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「できること」より「したいこと」を優先する働き方:前野隆司さんインタビュー【前編】

エンジニアから大学教授という大きな歩幅でのキャリアチェンジを果たし、ロボットから人間の心まで多角的に研究する前野隆司さん。幸福学の第一人者でもある前野先生に、「すべての人が幸せに働ける働き方はあるのか?」をテーマにロングインタビューを実施。前編ではこれまでのキャリアを紐解きながら、自己実現するための方法についてお聞きしました。
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「できること」にやりがいを見つけた20代

―――前野先生はエンジニアから大学教授へと大きなキャリア転換をされていますが、なぜ最初にエンジニアという職業を選んだのですか?

小学校の時から算数と理科が得意で、将来の仕事は理系の医者かエンジニアか科学者かなと幼いながらに思っていました。大学進学を考えた時に、カメラ、ロボット、自動車をつくる仕事の方が人々のためになると思い、工学部を選んだんです。当時は、自分がやりたいことというより、自分のできることで世の中の役に立つ仕事をしたいという思いがありました。
 

———「できること」に没頭した20代では、どんなやりがいを感じていたのでしょうか?

 
当時は、新しいモーターを発明した瞬間に幸せを感じていました。特許をたくさん出す会社で、僕自身も100くらい取得していて「発明のできる有能な人間」だと思われるのが嬉しかった。今思うと恥ずかしいんですが、20代の頃は自分の能力を認められたいという欲求も強かったと思います。新婚旅行先の海外で、僕が開発したカメラを使っていたプロのカメラマンに出会った時も、「それ、僕が開発したんだよ」と話しかけてみたり(笑)。
 

———気持ちいい体験ですね(笑)。その会社では社長を目指していたそうですね?

社長というのは、自分の目指す理想に向かって会社を動かす立場で、サラリーマンは多かれ少なかれ、指示されて仕事に従事する立場ですよね。一度しかない人生、やっぱり社長を目指したいとは思っていて、なれるとも思っていました(笑)。「楽観的である」というのは幸せになるための秘訣の一つなんです。たとえば銅メダルを目指すと10位内に入ったり、金メダルを目指すと銅メダルになったり、目標が高いとその分高い結果を望めることがありますが、「絶対に勝つぞ」と目指していたことも、負けたらサッと切り替えて「次こそ絶対に勝つぞ!」と思う。こういう考え方をすれば、人生って楽しいですよね。

仲間が先に出世をした時は、悔しい思いをしましたが、視点を変えて「開発部門は彼でも、僕は研究部門のトップだ」と、自分らしい目標を持つようにしていました。

 

「できること」から「したいこと」へのキャリアチェンジ

―――社長を目指していた会社を辞めて大学教授へ転身されたきっかけはなんでしょうか?

企業のトップを目指しながら研究もできたので、エンジニア時代の仕事には1ミリも不満はありませんでしたが、会社の技術者海外留学制度を利用してアメリカに留学した時、教授や学生たちとのコミュニケーションを通じて教育に携わることへの関心が高まりました。企業と大学の違いは、大学では開発をしながら人を育てることができること。物ではなく人が育った喜びは、エンジニアでは味わえないものでした。

 

――転職によって幸せに働けるようになった実感はありましたか?

 
転職したことで給料は下がったんですが、人とより深く接することが自分の関心事でもあるので、幸福度は上がったと思います。お金というのは持続しない幸せなんです。だから、収入のために転職するという考えにはあまり捉われない方がいい。収入よりもやりたい仕事をすることが幸せな働き方だと思います。
 

あらゆる自分の可能性のために、多角的に手は打っておく

 

———先生の研究分野はヒューマンマシンインターフェイスから、幸福学、感動学、イノベーション教育、コミュニケーションデザインまで幅広く、あらゆることに関心が高いですね。

カメラからロボットへ、ロボットから心へ、心から幸せへと、少しずつ多角的に自分を育てるために活動してきたんですが、僕は、自分の脳力なのに自分で気づいていないものがたくさんあると思っていて。転職を考えている人にも言えることですが、目標は一本に絞るのではなくて、いろんな手を打った上で、ある道を本気で目指すということ。人生は自分を育てるゲームで、自分が広がる可能性がどこにあるか分からないから、あらゆる手を打っておくんです。1日20分は英会話を勉強する、テレビを見るなら教育系番組を見る、少し経営の知識を身に付けておく、など、ゆっくり、少しずつで良いので、自分を育てていくんです。
 

———ダンスもお好きで、公演も開催されていましたね。

もしかすると、プロのダンサーになれる可能性があるかもしれないので(笑)。やってみると、化粧がうまいかもしれませんし、多角的にいろんなことを試すようにしています。欲張りなのかもしれませんね(笑)。

後編はこちら
「幸せと成功」は「にわとりと卵」の関係性:前野隆司さんインタビュー【後編】

【プロフィール】
前野隆司氏
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科委員長・教授。キヤノン株式会社でのエンジニア職、慶應義塾大学理工学部での教員職を経て現職。研究分野は人間システムデザイン(社会・コミュニティー、教育、地域活性化、農業、NPO、ヒューマンインタフェース、認知科学・哲学など)、幸福学など。著書は「思考脳力のつくり方」(角川新書)、「幸せのメカニズム」(講談社)など多数。
(HP:http://takashimaeno.com/)

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