オンライン宿泊予約サービスを提供するブッキング・ドットコムは、ビジネス目的で渡航する世界の旅行者を対象に「全世界のビジネスマンが失敗しがちなマナー」について調査。過去1年間で4回以上、ビジネス目的で国外に旅行した18~65歳の男女4,555人(出身国はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、日本、中国、イタリア)に、訪れた他国で文化的なマナーの認識を聞いてみると、国によって常識と非常識の認識に差があることが浮き彫りになりました。
1.会議中の電話はご法度
世界のビジネスマンたちが最大のミスだと考えているのが、「会議中に携帯電話に出る」こと。文化の違う8カ国の調査対象者の約半数の中でも、イギリス(57%)、アメリカ(55%)は半数を上回る結果になり、ミスというよりはタブーだと考えているようです。
ちなみに日本は30%で、あまり気にしていないという印象。「折り返します」程度の着信応答はついしてしまいがちですが、海外でも同じことをしてしまわないように注意が必要です。
2.あいさつはきちんと適切に
2位の「適切な挨拶をしない」も、半数近くの人が失礼だと答えていますが、どんなあいさつが「適切」かは文化に根付いた価値観が影響するというもの。フランクでフレンドリーなあいさつが「適切」な土地なら、深々とおじぎをするようなあいさつは「不適切」とされるかもしれません。
このマナーに特に厳しいのが日本のビジネスマン。61%の人たちが無礼を感じたことがあるという結果がでています。第一印象はあいさつで決まるといっても過言ではないため、日本人のこの厳しさは良い意味で大切にするべきスタンスかもしれませんね。
3.TPOに合わせた服装を
4割近い世界のビジネスマンが、服装に関する配慮を指摘。「所変われば品変わる」と言うように、土地が変われば着る服装も異なりますが、ビジネススーツできめて行ったのに、相手はTシャツ短パンだったというのはグローバルな商談でのあるある話。気候も文化も異なる土地では、どんなファッションがスタンダードか分からず、着替えを多く持っていきすぎるというのもよく聞く話です。
カジュアルすぎるのも、かっちりしすぎるのも、ケースによってはつぶしが利かないため、どちらのシーンにも対応できるビジネスカジュアルな服装を選ぶと良いかもしれません。
4.声のボリュームにも配慮を
全体の約3割と、声量に対するクレームが意外にも4位と上位にランクイン。特に中国の回答者は、50%が良くないことと意識しているようです。
耳をそばだてないと聞こえないような音量はかえって相手にストレスを与えますが、周囲にもはっきり聞こえるほどの声量で機密情報を話すのは当然NG。空間や話す相手との距離感を見定めて、音量をコントロールしましょう。
5.返信がないことに不安視
海の向こうの相手と仕事をすると、時差などの問題でメールでの連絡にタイムラグが発生することも。そういった事情を加味しても、24時間以内には返信することはできるでしょう、と考えるビジネスマンは少なくないようです。
多忙のために連絡が途絶えがちなビジネスマンには耳が痛い話ですが、短信でも返信しておくことで相手に安心を与えることができるというもの。フランスなどバカンス(長期休暇)の文化がある国は、返信がないまま数週間ということもありますが、休暇の前に自動返信や同僚へフォローを頼むなどの配慮はあっても良いかもしれません。
ジョークで挽回?謝罪方法にも文化の違い
ビジネスマナーで失敗してしまった時も、謝罪の方法やタイミングで挽回できることは多々あります。日本人ビジネスマンの7割(69%)は、間違いに気づいた時にその場で謝罪する姿勢を見せていますが、イタリア人は37%に留まるだけでなく4人に1人(26%)が、ジョークを言ってその場を和ませると回答。「謝りながらふざけるなんて」と日本人なら呆れてしまいそうな習慣ですが、文化の違いを知っておくと、相手に悪気がないことだけは理解できるかもしれません。
日本人が省みるべきことも多いことが明らかになった今回の調査結果。こうした世界のビジネスマンの間での認識の違いは、事前に知っておくだけで不要な怒りや誤解を防ぐことができそうです。
日本での常識が他国での非常識になることも理解できるようになると、ジョークを交えて謝るイタリア人に出会った時も笑って許せるかもしれませんね。
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