入社時と就業後に行う入念なヒアリングでミスマッチを防ぐ
現場のミスマッチが多い
働き方は派遣先に左右される
特定派遣で正社員エンジニアを雇用する企業に多く寄せられる口コミは、入社時に希望した業務内容や労働環境と異なる派遣先に配属された時のギャップでしょう。派遣で働くエンジニアのほとんどが常駐先で自分の希望する条件がどこまで叶えられるかという不安は、多かれ少なかれ誰もが抱えているもの。同社の口コミにも同様の不安を覗かせる書き込みがみられましたが、実際にはギャップはあるのでしょうか?
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高橋さん:エンジニアが雇用のミスマッチを感じる時、大きく分けると2つのパターンがあると思います。一つは業務内容のミスマッチで、自分のスキルセットと与えられた任務にギャップがある場合。もう一つは業務レベルでの差異が生じる場合で、お客様が望む技術レベルと本人の持っている技術レベルに差がある時です。
いずれの場合もエンジニアのやりがいを阻害する要因になり、採用する側の私たちにとってもロスとなるため、可能な限り解消したいという思いは同じです。そのため入社時に入念なヒアリングを行い、彼らのこれまでの経歴や希望に合わせた最適なマッチングを実現するようにしています。
派遣後も、現場の進行や状況の変化で、想定していた内容とは異なる働き方が求められることはあり得ます。そうした場合も、営業が本人やお客様から詳しい業務内容を聞き取り、キャリア支援のカウンセラーとの相談の時間も設けることで、現場で生じている齟齬があれば可能な限り吸い上げて解消できるようにしています。
派遣業全般で、希望する仕事と実際に携わる仕事との間のミスマッチは起こり得ることですが、同社では就業前のカウンセリングで未然に防ぎ、就業後にもおよそ月に一度の頻度で営業、キャリアカウンセラーと話をする機会を設けることで、仕事内容への不満を理由にした離職は少ないです。
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佐藤さん:現社長が元技術者ということもあり、私たちは業界のなかでもより技術者に寄り添い、技術者の将来像を作り上げていきたいという思いを強く持っている会社だと思います。技術者の目線から見て、どうあれば会社がより良く機能するのか、それを実現するために社員としてできることは何か、それを会社がどれだけサポートができるか、といった相互に組織をより良く改善してくことができる仕組み作りに力を入れています。
アルプス技研の現今村篤社長は、1990年に同社にエンジニアとして入社し、46歳と若くして社長に就任したという異色の経歴。エンジニア目線で会社の経営を考える姿勢を評価する口コミもあり、実際に経営と現場の距離感は近そうです。
親心で社員を厳しくも温かく指導する
「Heart to Heart」の教育方針
入社時の研修がとても厳しい
エンジニア視点での経営を大切にする同社ですが、口コミには上記のような意見もあり、その厳しさが気になるところです。いったいどのような研修プログラムなのでしょうか?
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高橋さん:体力的に厳しいプログラムがあるわけではないのですが、入社後の集中的な新人教育には厳しさを感じるという声は、私たちの耳にも届いています。
当社に入社したなら、お客様に確かな技術をご提供することはもちろんですが、技術の前にサービス業であるという視点を忘れてはならないというのが私たちの考えです。そのため、仕事に向き合う姿勢や、それ以前に社会人としての礼儀に関わるところまで徹底した教育指導を行うことが使命だとも思っています。
特に新卒社員は、社会人になったばかりでお客様先に出向いて仕事をするため、それまでに社会人として持つべき姿勢を伝えなければなりません。限られた期間、彼らを直接サポートできる距離にいる間に大切なことを教え込むため、厳しさを感じる人もいるでしょう。
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佐藤さん:仕事において100%の力を出すためには、研修の場でそれ以上を出せる訓練をしておかないと実際の現場で全力を出すことはできません。挨拶一つにしても、お客様先でしっかり礼儀を尽くせるかという最低限のマナーの部分から、彼らが恥じることなく正しく振る舞うことができる社会人でいられるように教育をしています。
厳しい教育は社員を見守りたいという会社の親心の表れ。一社会人としての人格を形成するための手厚いサポートは、創業社長の思いから引き継がれているようです。今の時代にここまで礼儀作法について指導してくれる会社は少なく、良い意味での人間臭さに温かみを感じます。
自主的に自分を磨く姿勢を数値で評価する明確な人事制度
定期的な勉強会・研修を通じ、分野外の専門知識も高められる
こうしたポジティブな口コミが代表するように、経験を積んだ技術者に対する研修にも力を注ぐ同社は、入社2年目、3年目や30歳、40歳といった節目での研修の場を設け、その後のキャリア形成にも会社として力を入れています。
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高橋さん:マネジメントや自己研鑽のための研修のほか、技術研修として「IoT」や「AI」などの最新技術を学べる機会も積極的に提供しています。お客様に技術経歴書を提示する際、さまざまな資格を持つ技術者は仕事を任せていただく判断材料になるため、特に資格取得を目的とした研修や勉強会には力を入れています。
会社が主催する研修以外にも、社員が企画する勉強会もあり、技術レベルの向上のために努力する意識の高い社員も目立ちます。こうした姿勢を会社がバックアップする取り組みの一つとして、アルプス技研は研修に積極的に参加する社員へポイントを付与し、その積み上げで評価を行う独自の評価制度を持っています。
高橋さん:営業所ごとに開催している勉強会は、平日は就業先での仕事が最優先ですので、比較的参加しやすい土日での開催が多くなります。プライベートな時間を使っていただく姿勢を評価したいという思いから、半年毎の人事評価としてポイントに係数をかけて評価の対象にしています。
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佐藤さん:自己啓発をしている人としていない人で評価を変えるのは当然であると考えています。勉強会に参加してくれる社員だけでなく、企画から関わり、運営してくれる人にもポイントを付与するようにしています。
このポイント制度は、会社に対して貢献してくれた人たちに対して何かしらの見返りを返したいというところから生まれた発想。就業先のニーズを汲み取り、新たな案件につながる営業情報を伝えてくれる社員や、それが受注につながるような働きかけをしてくれる社員には、その対価を支払いたいというところから誕生し、向上心がある社員を評価するためにも利用されるようになりました。
個人の努力を数値で評価し、昇給や昇格、賞与などの分かりやすいかたちで反映する透明度の高い人事は、社員のモチベーションの刺激にもなり、会社と技術者の双方にとって建設的な人材育成ができていると言えそうです。
志の高いプロ集団の中で、自己を研磨できる環境
創業社長から続く人材育成への情熱、エンジニア視点での経営、礼儀を慮る姿勢と確かな技術への評価の高さなど、志を高く持つ技術者にとって最適な職場環境が整っているアルプス技研。恵まれた職場に居場所を見つけた現社員のみなさんは、会社や社会に貢献できる仕事を遂行し、組織の立ち位置を向上することで自分自身の価値を高めています。
企業全体が共有する高いプロ意識は、今回の取材に真摯に対応してくれたお2人の姿勢からも感じ取ることができました。技術者として、社会から必要とされる仕事に携わり、キャリアを形成していきたい人は、安心して身を委ねることができる理想的な職場環境ではないでしょうか。
取材・文/ドラドナッツ 撮影/菊池友理
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