――東さんは以前、電気設備の施工管理のお仕事をされていたそうですが、転職を考えられたきっかけは何ですか?
東さん:一番の理由は、家族といる時間をもっと作りたかったからです。建築現場で電気の施工管理として常駐し、責任とやりがいを感じていましたが、工期を守るために忙しい時期だと週に3日ほど事務所に泊まることがありました。
家族が体調を崩していても駆けつけられない時があり、自分の時間を持ちやすい職場を求めて三井不動産ファシリティーズの説明会に参加したところ、社員に対する配慮が行き届いている会社だと感じたため、一番に決めました。
――藤本さんは、前職でも同業でビル管理のお仕事をされていたそうですね。
藤本さん:はい。私の場合、転職の理由は給与待遇面を改善したいというのが大きかったのですが、前職から当社に転職した先輩が多かったため、転職を考える前からこの会社の良い評判は聞いていました。
――実際に働いている先輩の評価は参考になりますね。
藤本さん:同時期に面接を受けた数社の中でも、当社は特に人事の対応が丁寧で、他社とは違う印象を受けたため入社を決めました。
裏方の仕事を徹底する、未然防止へのプロ意識
――同じビル管理でも、東さんは商業施設、藤本さんはオフィスビルですが、業務内容で異なる点はあるのでしょうか?
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東さん:私の担当するショッピングセンターの場合、テナント様やお店を利用するお客様など、多くの方が利用するため、それぞれの立場で設備に対する要望が違います。
例えば、授乳室では赤ちゃんを寝かせるために放送の音を小さくしてほしい、空調も暖かめにしてほしいなどの声があります。共用通路やテナント内では、呼出や迷子の案内が聞こえやすいように、放送の音量は大きめにしますが、催事に配慮してBGMは小さめにするなど、利用されるそれぞれの方の立場に合わせて細部の調整をしています。
藤本さん:私が勤務するオフィスビルは、ここで働く人々にとっては毎日を過ごす場所ですから、快適な設備を維持するという点でとても高い意識を求められます。
不具合や故障でお客様に影響を与えてしまうことがないように、日々の点検で未然に防ぐことを心がけていますが、異変を発見するためには、普段から正常な状態を覚えておくことが重要です。経験がものを言うところもあるため、いつもと違う音や臭いがしたら注意する、など先輩に話を聞きながら些細な前触れにも気づけるように気を配っています。
東さん:ビル管理は基本的に裏方の仕事ですから、私たちの現場でも、お客様に不快感や不満を与えないように不具合が起きる前に対処できるよう注意を払っていますし、起きてしまった場合も、気づかれないように対応することを目標にしています。
――異なる施設でも、トラブルを未然に防ぐ意識の高さは共通して求められるのですね。
東さん:日々の管理業務のほかにも、三井不動産ファシリティーズが他社よりも徹底している点は、有事の際の対応力だと思います。不測の事態に備えるために、全ての管理施設で毎日、非常時対応訓練を実施しています。
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藤本さん:転職して初めて訓練を見た時は、あらゆる状況を想定した訓練内容に驚きました。私たちのビルでも、地震、停電、火災と、状況に応じた対処法を繰り返し訓練することで、身体に染み込ませていくようにしています。シナリオを反復練習することで、とっさの時に反応できる行動意識が身につきますが、最近では、シナリオが与えられず、事態から現場で対応策を考えていくブラインド訓練も実施しています。
――マニュアルにはないことをその場で判断していくのは、とても実践的ですね。
藤本さん:実際の災害時には想定外のことが起こりえますし、状況に応じて何を最優先に対処すべきか、後回しにしても問題がないものはどれか、というトリアージをメンバーで話し合い、判断していきます。
日々の業務の中でも、災害には至らないまでも、注意を呼びかける警報が上がる時がありますが、そんな時も全員が緊張感を持って反応しますし、異変に対する意識は高くなっていると実感しています。
広く深く、広範囲に及ぶ管理意識
――平常時は快適さを追求し、有事の際も被害を最小限に抑える対策をするなど、管理・対策は広範囲に及ぶのですね。
藤本さん:ビル管理の仕事は、電気・空調・衛生と色んな面で施設を管理することから、広く浅く知識を必要とすると言われてきましたが、最近では広く深くという傾向に変わってきています。
起きてしまった不具合に対応するのではなく、何かが起きる前に気づくためには、自らが詳しくないと目が行き届きません。そのためにも、空調や電気の専門家と話す時に、一つひとつに関心を持ち、質問をし、学ぶことができる人が活躍しています。ゼネコン、サブコンなど、他業界から転職する方も、これまでの知識を活かして活躍できる職場だと思います。
東さん:私も以前の電気業界での経験を活かせると思い、ビル管理の仕事を選びましたが、現在担当する商業施設は、市や商工会、大学らと三井不動産が共同で運営するまちづくりプロジェクトにも参加しています。
商業施設は、年間で必要な管理や工事に関する予算を運営会社と決めた上で、開発会社に許可をいただいて運営するのですが、副責任者としてこうした計画にも主体的に参加し、年々区画整理が進み、変わっていく景観を見ていると、ビル管理の範囲を超えて街全体に貢献できているという喜びを感じられます。
――三井不動産グループというと、街のランドマークになるような大規模の施設が多く、近隣エリアとのつながりも意識したマネジメントの視点が養えそうですね。
藤本さん:オフィスビルに入居されているテナント様も大企業が多いため、良い意味で緊張感があり、こうした環境で働けることは自分の自信にもつながります。
良い意味でギャップを感じた職場環境
――いざ転職をしてみて、入社前に描いていた理想どおりの職場環境はありましたか?
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東さん:入社前は、土日祝日の日数分は休むことができ、残業も20時間程度と聞いていましたが、正直あまり期待していませんでした(笑)。当社だからというよりも、労働時間は以前の職場でも難しさを感じていた部分でしたので、多少は覚悟をしていましたが、入社してみるとシフトの調整は融通が効きますし、有給も希望どおりに取得できていて、理想どおりに時間を使えることにかえって驚きました(笑)。
藤本さん:ギブ・アンド・テイクといいますか、自分が休みたい時は前もって仲間に相談しておけばかなり取りやすいと思います。
――有給取得が形骸化している会社もある中、全員が申請して取りやすい文化があるんですね。
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藤本さん:あとは、ビル管(建築物環境衛生管理技術者)の資格を持っている人が多いのも驚きでした。以前の職場では持っていない人が多かったのですが、当社では向上心が高い人が多く、どんどん取得する人が増えて焦ってしまいます。
――資格取得を奨励するサポートはあるのでしょうか?
東さん:受験料は会社が負担してくれますし、資格を取れば給与にも反映されます。ビル管は持っていると誰もが評価されるような資格ですので、いずれ私も取得したいという目標を持っています。
――会社に社員の成長をバックアップしてくれる姿勢があると、目標を持って頑張ることができそうですね。東さんご自身は、施設の責任者としての職務でどんなことに気を配られていますか?
東さん:現場で働く全てのスタッフに、お客様からの要望を漏れなく浸透させることに最も注意を払っています。私たちの現場だと、設備・清掃・警備の部門それぞれで20~30人というスタッフがいるため、指示内容に齟齬があると現地でのオペレーションに影響が出てしまいます。
施設全体にご迷惑をおかけすることにもなるため、各部門のリーダーとしっかり連携し、全てのスタッフまで細かな意思疎通ができるような体制づくりを意識しています。
――商業施設だと、インバウンドでさまざまなお客様が訪日し、これまでと違う管理が必要なこともありそうですね。
東さん:最近は外国人のお客様も増えていて、それぞれの国の文化で施設の利用の仕方も変わってきていますので、運営会社と他の現場の意見や対策を共有し合い、管理体制も多様な文化を受け入れられる方向に変化してきています。
仲間と補完し合い、ビルの機能をマネジメントする
――業務での情報交換のほか、社員のみなさんの間ではどのようなコミュニケーションを取られていますか?
藤本さん:年に1度、バスツアーに出かけたり、運動会を開催して交流しています。運動会はグループ会社と合同で開催するので1000人ほどの規模のイベントになり、誰もが本気で勝ちに行くので楽しいですよ(笑)。
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東さん:現場のスタッフも含め、コミュニケーションは取りやすい雰囲気はありますよね。
以前の会社で工事の監督をしていた頃は、現場に入ったら全ての課題を一人で解決し、その結果だけを求められていましたが、現在は上司・先輩・後輩にも相談しやすく、困った時には本社に連絡をして助けを求め、応えてくれる体制が整っているところにとても働きやすさを感じます。
現場には20代から60代まで幅広いスタッフがいて、未経験者の指導だけではなく、不得意なことを得意な人がサポートするような空気が自然にあると思います。
――管理する範囲が広いお仕事だからこそ、個々のスキルや経験を補完し合うことで施設全体を運営されているんですね。
藤本さん:やはりこの仕事の基本は、毎日施設を利用される方のために快適な環境を維持することですので、安心して利用できる場所として機能するビルとしてメンテナンスすることが最も重要なことです。
照明や配管などを修繕してお客様からありがとうと言っていただけると、小さなことでもやりがいを感じます。そうした環境を常に提供できるように、協力会社やスタッフの方々と力を合わせて施設の機能をマネジメントすることが、ビル管理の仕事だと思っています。
取材・文/ドラドナッツ 撮影/菊池友理
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