「安心できるから」社員はオフも店に来るほど「天狗」好き
――テンアライドは、転職会議のユーザーの総合評価も比較的高いのですが、日をまたがない就業時間や充実した福利厚生制度など、働きやすいと感じている人のクチコミが目立ちます。その背景に、同業他社と比較して労働環境の整備に力を注がれていることが挙げられると思いますが、具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか?
川上さん:ありがたいことに、メディアやネットのクチコミ情報などからそういう評価をいただくことは多いです。テンアライドは今年で創業47年目ですが、社員の平均勤続年数が12年を超えていて、居酒屋業界では日本で一番長いんです。若い20代のうちは、長時間労働で休みが少なくても、給料が高ければと良いという考え方があるかもしれませんが、弊社では10年、20年、定年までと長く働いてもらうことが当たり前と考えています。30代から40代、50代となると、深夜に及ぶ労働は体力的に難しくなるため、すべての人が同じように働ける環境を考え、全店舗において深夜にまたがる営業がありません。
また、2015年4月には労務監査室を設置し、勤怠システムを改定するなど、管理体制はより一層力を入れて強化しています。
休日も、仕事以外のことをしてオンとオフを切り替えられるように、休みの従業員にはできるだけ業務連絡をしないように配慮しています。家にいるより外に出ることを勧めているのですが、スタッフはみんな天狗が好きで、プライベートでも自社の店に食べに行ってしまうんです(笑)。
北畠さん:自分たちの職場だから、どれだけ料理にこだわっているか、どのようなサービスを心がけているのかを知っているため、安心感があって。「たまには違う店に行こうよ」と言っていても、結局天狗に来てしまうんです。休日は社割もないんですけどね(笑)。
川上さん:あえて他社の店に行って勉強するようにも言われるんですが、弊社には「天狗バカ」という言葉があるほど、自分たちの店が好きなスタッフが多いんです。それでは井の中の蛙になってしまうため「天狗バカになるな」とよく言われるんですが。
マニュアルにはない「仕事の意味」を考える社員研修
――自社のサービスに自信が持てるのはなによりも充実感がありますね。そうした品質を保つために、貴社は社員への教育に力を注がれているそうですね。
川上さん:未経験者でも安心して取り組める環境を作るために、研修制度にはかなり力を入れています。弊社は中途採用の社員でも25歳以下であれば第2新卒として受け入れているのですが、新入社員の教育には2年をかけて、合計15回の研修を行います。もう少し年齢層の高い方は即戦力として、1年間に7回の研修を実施していて、研修内容が充実していることを理由に転職、入社した社員もいます。
研修では調理、接客やモラル面などの基礎を身に付けるほか、お客様の命を預かっている仕事として、衛生面もしっかり学ぶ機会をつくり、細部に関する知識と配慮を教えます。ただマニュアルどおりに仕事をするのではなく、どうしてその方法を取るのかという仕事の意味についても理解していただき、将来的にはテンアライドから独立してお店を出したいと思った時にも、「食のプロ」として自立してマネジメントができるほどの人材を育てる環境を整えています。
テンアライドの研修レポートはこちら
社員の得意分野や人生の転機に配慮した勤務体系を導入
――食のプロとしてしっかり学べる環境があることに加え、社員の家賃を定年まで半額補助する制度や、会社都合の転居の場合に全額を負担する制度など、手厚い福利厚生もクチコミで話題にされていますが、最近さらに働きやすい制度へと改訂されたそうですね。
川上さん:2015から人生の転機に合わせて働き方を選べる勤務体系を導入しました。例えばエリア限定社員は、給与が減額になる代わりに転居を伴う異動がないため、家庭の事情で転勤をしたくないという社員にとっては良い制度なんですね。また、弊社の社員はこれまで、サービスと調理の両方を兼務する必要があったんですが、どちらか一方の仕事のみに携われるスペシャリスト社員制度を導入したことで、苦手な業務に費やしていた時間を得意な業務のみに使ってスキルを伸ばせるようになりました。北畠は、このスペシャリスト社員の制度ができたことにより、得意な接客に集中できるならと、約10年のアルバイト経験を経て正社員にチャレンジしたんです。
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北畠さん:調理をやりたくないという訳ではないのですが、どちらかと言うと苦手なので、そこに時間をかけてしまうよりも自分が好きな接客に特化した方が良い仕事を目指すことができると思ったんです。同じように、調理のスペシャリストを目指す人はそれに集中して業務に携われるので、得意分野で自分の力を最大限に出して活躍する人が増えればと思います。
――社員が働きやすい環境を前向きに整えているのですね。こうした改善は、トップダウン、ボトムアップのどちらから実施に至ったのでしょうか。
川上さん:こういった制度の改善などは、人事部長と社員一人ひとりが相談しながら実現してきました。年に1回、制度や将来希望する部署、働きたい職種などを積極的に社員からヒアリングする機会を設けたり、新人研修の後も、人事部と社員がマンツーマンで話を聞いたりする時間を設けています。社長も積極的に現場に足を運び、社員の名前を覚えるような人で、日々の業務で個人が抱えている悩みや希望について聞く姿勢を持っていることも大きく、こうした姿勢から奨学金返済サポート(最大120万円まで返済義務なしで支給)のような、社員の人生を応援するために配慮した新しい制度も生まれています。
品質にプライドを持つ仕事を求める人に来てほしい
――本社で働く方も、店舗で働く方も、社員のみなさんがこの業態、お仕事に対する真摯な姿勢を大事にされていることが伝わってきます。
北畠さん:私が社員になって分かったことは、トップをはじめ、先輩社員全員が社員一人ひとりの成長を見守ってくれているということでした。それぞれの社員の立場を考えて、時には試練も与えてくれます。私が社員研修の教育を担当することになったのも、自分の成長を見てくれていた上司からの提案でした。ここには、仲間を思って一緒に成長していこうという土俵があると思います。
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川上さん:働きやすいと感じてくださるクチコミはありがたいですが、やはり飲食業界全体の特性として、ある程度きついと感じる仕事もあると思います。
弊社では月10日の休みを基本としていますが、繁忙期などは残業がある日や、休みが取りづらい月もあり、労働環境に関しては、まだまだ改善していかなくてはなりません。
今はネットのクチコミを頼りにお店を決める人が多い時代で、そこには良い点だけでなく、ネガティブな書き込みやリアルな話もきちんと載っていますよね。それと同じように、テンアライドで働くことに関心を持ってくれる応募者の方にも、弊社の良い噂だけでなく、現実の部分も分かっていただいた上で適正なマッチングで入社いただきたいという思いがあります。面接を受けに来た人が弊社に過度な働きやすさを期待していると感じた時は、必ずギャップを埋めるための情報を伝えるようにしています。
――ありのままの労働環境を伝えることができるのは、大変な仕事のほかにも得られる経験が多いからでしょうか。
川上さん:私自身、入社してから10年の間、仕事がつらい、大変だ…と何度も思いましたが、「天狗」のことが好きだからずっと続けてくることができました。一緒に働く社員もスタッフも、働き続けるうちにみんな天狗が好きになっていくんです。これだけ自社の店舗を好きという人がそろっている会社は少ないかもしれませんが、だからこそある程度のプライドを持って仕事をしていて、クオリティのレベルは下げられないという共通意識もあると思います。未経験の新入社員も、天狗が保っているレベルの仕事ができるまで徹底的に指導しますし、そんな環境に身を置くことに覚悟ができる人と一緒に仕事がしたいと思っています。
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