- <人物肩書き>
- 株式会社サイバーエージェント
執行役員 人事統括本部長
曽山 哲人氏
転職理由もポジティブに変換していく
――「いかだ下り」の20代と「山登り」の30代。実践すべき働き方ですね。 仕事に全力投球した結果として、転職という選択肢もあり得ると思います。曽山さん自身、異業種から転職されたそうですね。
- 曽山氏:大学卒業後は百貨店の伊勢丹に入社し、新宿本店で紳士服販売を担当していました。上司や先輩に恵まれ、たくさんの貴重な経験をさせてもらいました。
その中で「eコマース」(オンラインストア)の立ち上げに参加させてもらったことが転機になりました。それが1998年。インターネットが急速に普及し、ネットビジネスが盛り上がりを見せ始めた頃ですね。
eコマースの立ち上げに携わるうち、インターネットのもつ力強さや大きな可能性にすっかり魅了されたのです。インターネットを使って、何か新しいことにチャレンジしたい。そういう思いが日増しに高まっていきました。
もちろん、伊勢丹に残って自分のやりたいことを提案していくという方法もありますが、もっとスピーディに、いろいろなことにチャレンジしたかった。それで活躍の場所を外に求めると決心したわけです。
――転職を決断するのは、すごく勇気のいることです。失敗しない転職をするために、どうすればいいのでしょうか。
曽山氏:転職を考える時は、ネガティブな要素とポジティブな要素が同居している状態だと思います。私の場合でいえば、このままでは実現が難しいということがネガティブな要素。
一方で、新しい環境で思い切りチャレンジしたいというポジティブな気持ちも大きかった。
転職では、このネガティブとポジティブをうまくコントロールすることが大切です。転職のきっかけがネガティブな理由だとしても、それをどうポジティブに持っていくか。
人事を統括する立場上、中途採用の面接にも数多く立ち会っていますが、転職して成功する人は、皆このコントロールがうまいですね。
失敗しない転職は「リセット力」がカギ
――では、御社への転職希望者の面接の際、どういう点を重視して選考しますか。
曽山氏:前職でのスキルや経験はもちろんですが、価値観を共有できる人材かどうかを重視します。 当社の社風やカルチャーを理解し、同じ価値観で仕事に取り組めるのか。これが大切ですね。
当社に限らず、転職して活躍している人は「リセット力」が優れています。前の企業文化を一旦忘れて、新しい環境に馴染む力です。
- よくないのは「前の会社はこうだった」「前の会社のやり方のほうがいい」と、前と今とを比べてしまうことです。
新しい環境に入ったら、その会社の流れに乗って、新しいことをどんどん吸収してください。そうすれば組織にも溶け込めるし、まわりとの連帯感も高まります。
前の会社の“癖”は、後からいい意味で自然に出てくるものです。周囲との新たな関係が築けないうちに「前の会社は…」となってしまっては、仕事もギクシャクしてしまうでしょう。
――最後に、転職を考えているビジネスパーソンに、転職で失敗しないためのアドバイスをお願いします。
曽山氏:仕事をしていれば、誰でも壁に直面します。今の会社に残るべきなのか。転職すべきなのか。
悩んだら、まず相談することをおすすめします。そして相談する人はできるだけたくさんの方がいいですね。多くの人の意見を聞くことです。
当然、今の会社に残ることを勧める人もいれば、転職を勧める人もいます。勝手な意見があれこれ飛び出すでしょう。でも、それは選択肢が広がるということ。
誰かの意見に判断を委ねるのではなく、いろんな意見を聞いた上で、最終決定は必ず自分でしてください。
多くの人の意見や知恵に耳を傾けつつ、自分の道は自分で決める。そういう覚悟と決意を持つことが大切だと思います。
前編を読む:サイバーエージェント曽山氏が語る「若いビジネスパーソンの働き方」
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