終身雇用の常識が徐々に覆ってきた現代において、転職はごく当たり前なものになりました。そのような中、入社後1~2年程度で次の職場へ移るのは珍しいことではありません。
しかし前職の勤続年数が短すぎると、転職活動で不利になってしまうのではと考えたことはありませんか? 転職活動の際、前職の勤続年数をマイナス要素にさせないためにはどうすればいいのでしょうか。
勤続年数が転職活動に与える影響や、勤続年数が短い人・長い人が転職活動時に気をつけるべきことを、キャリアアドバイザーの江崎麻里奈さんが解説します。
勤続年数が転職活動に与える影響
転職活動において、勤続年数の短さそのものをマイナス評価されることはありません。勤続年数が短くなった背景や理由のほうが、面接では重要視されます。
例えば前職の勤続年数が短いだけでなく、学生時代のバイトやサークル、子どもの頃の習い事などもすぐに辞めてきた過去があると、「何事も長く続かないタイプ」だと面接官に思われ、「長期就業も難しいのではないか」という印象を与えてしまう恐れがあります。
しかし、スポーツを何年も続けていたり、楽器をずっと習い続けていたりと、仕事以外の面で何かを継続していたことを面接官に伝えることができれば、あくまで前職が合わなかっただけだと説明ができます。転職したい理由やその人の背景次第では、勤続年数の短さはそこまで悪印象になりません。
大事なのは転職理由を他責にしないこと
前職が自分に合わなかったことを他責にする人は、選考においてマイナス評価をされやすくなります。前職の退職理由を会社や世の中のせいにするなど、他責思考の強い人材は、入社後も「ミスを人のせいにしそう」と思われてしまう恐れも。
そのような考え方を持つ人ではなく、何事も矢印を自分に向け、自責で物事を考えられる人が転職活動において好印象を与えやすくなります。前職での失敗を自分ごととして語ることができたり、前職をけなさずに感謝の意を持ったりすることで、たとえ前職の在籍期間が短かったとしても、失敗を糧に努力できる人だと評価されるでしょう。
勤続年数によって持たれやすいイメージ
勤続年数が短い人は、履歴書だけで見ると「飽き性」「移り気な人」のような印象を与えかねません。書類選考時のファーストインプレッションを考えると、多少良くないイメージを持たれてしまうこともあります。
対して、勤続年数が長い人が必ずしも好印象とは言い難い部分もあります。勤続年数の長い人はある程度の忍耐力を認められる一方で、1社の経験が長すぎて新しい環境に適応しづらいと思われてしまうことも。全く違う職種・業種に応募する場合は特に、企業側は「新しい価値観や知識を身につけられるのか」という観点を重視するでしょう。
一概に勤続年数の長短で良いか悪いかの判断はされませんが、上記のようなファーストインプレッションを持たれてしまう可能性は少なからずあると言えるでしょう。
勤続年数が短い人・長い人が転職活動で気を付けるべき点
勤続年数が短い人
前職の勤続年数が短い人の転職活動で一番重要なのが、なぜ短くなってしまったのかを正直に話すことです。前職をすぐ辞めてしまった人は、勤続年数の短さを引け目に思ってどうにか繕ったり、ポジティブな受け取り方をして欲しくて嘘をついたりする人も多く見られます。しかし、正直に「会社選びを間違えました」と言えるような人間性を持つ人のほうが、転職活動の際に採用されやすくなります。取り繕うよりも、素直で誠実な印象を面接官に与えたほうが、転職は上手くいくはずです。
また短い勤続年数の中で、いかに結果を出しておくかも大切なポイントです。自分の中で何か一つでも「やりきった」と思えるような成果を作っておくことで、新しいことを始めるために転職をしたいという理由に説得力が出ます。勤続年数よりも、その場で何をしたのか、どんな結果を出したのかといった点のほうが重要視されるでしょう。
勤続年数が長い人
勤続年数が長い人は、自分が長くいた業界や職種に対する客観的な印象をしっかりと知っておくことが大切です。例えば、長く金融業界にいた人がスタートアップ企業の面接を受ける際、自分では普通にしているだけなのに相手からは「堅苦しい」と思われてしまうことも。第三者に業界や職種の印象を聞いて、自分の弱点を知っておくことが必要です。
自分の弱点を知ることができたら、次はその弱点を払拭できるようなエピソードトークを用意しておきます。特に、自分が長く勤めていた業界や職種と全く違う企業に転職したい場合は必須です。学生時代までさかのぼり、転職したい会社とマッチできる人間性を表せるようなエピソードを探しましょう。面接官からの質問を待つだけでなく、自分から進んで弱点を払拭しに行くことが、転職成功の鍵となります。
勤続年数の短さ・長さを引け目に感じる必要はない
転職活動がうまくいかない場合、「前職の勤続年数が短すぎる(長すぎる)からだ」と思い込んでしまう人もいます。そこに引け目を感じすぎていると、不採用になった本当の理由を見つけることができません。勤続年数だけに目を向けず、さまざまな点から「うまくいかない原因」を考えることが必要です。そうすることで、自身の弱点やアピールポイントを客観的に把握し、戦略的な転職活動ができるでしょう。
※記事内で紹介した法制度やサービスは記事公開時点での情報です。
取材先:キャリアアドバイザー 江崎麻里奈さん
文:中込有紀/ノオト
編集:リブセンス + ノオト
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