- <人物肩書き>
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青野 光一
2000年 大学卒業後、株式会社インテリジェンスに入社。11年間人材コンサルタントとして活躍
2011年 株式会社リブセンスに採用責任者として入社。約4年間、新卒採用、中途採用、人事制度改定など幅広く従事
2015年 株式会社キープレイヤーズにパートナーとして参画。業界経験を活かし、主にインターネット業界、人材業界の方の転職支援に携わる。またNPO法人キャリア解放区にてアウトロー採用(http://outlaw.so/)を運営、その他採用コンサルタント、人材会社の顧問としても活躍中
「積み上げ式キャリア」の終焉
――最近の転職市場の傾向を教えてください。
数年前から変わっていないですね。全体的に求人が多くて求職者が少ない売り手市場であること、特にエンジニアが枯渇しているということ。
景気に関しては、「良いのは2018年まで」という意見がありますが、中国経済の悪化などを受けて「いや2016年の前半までだ」と言っている人もいます。
いずれにしろ今後は、一度景気が後退して、求人が減ってくるのではないでしょうか。
――そのような流れもふまえて、転職者を取り巻く状況はどうなっていくのでしょうか?
僕がキャリアアドバイザーや採用担当者として15年やってきた中で思うのは、今までよりもキャリアパスが予想しづらくなってくるということです。
景気は悪くなってもまた良くなるのですが、不可逆の大きな波としてはテクノロジーの進歩があります。
いま人間がやっている仕事の半分くらいは、コンピューターやロボットで代替できる。 銀行の融資担当や経理担当者など、今後10~20年でなくなるといわれている仕事がたくさんあるんですよね。
キャリアを積み上げて年収を上げれば、安定した生活を一生過ごせる…なんてことはもうない。
この流れを受けて、キャリアアップではなく「楽しく仕事ができる」ということを重視している人が、 少しずつですが増えてきているように思います。
年収半分でも満足!?「楽しさ」を重視して転職を決意した人々
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――実際に「楽しく仕事ができる」ことを重視して仕事を選んだ人はいるのでしょうか?
はい。30代で、部下を20人ほど抱えていた人材会社のマネージャーの方について紹介しますね。本人からも公開の許可をいただいている事例です。
仕事で成果も出していて、将来の幹部候補でもあったのですが、ある日「世界一を目指している本屋」に出会い、「なんか面白そう、そういえば昔から本好きだし、本屋で働きたかったなぁ・・・」と感じたことをきっかけに転職されました。
年収は半分以下、そしてアルバイトからのスタートですが 充実した毎日を送っているようです。
――だいぶ思いきった決断ですが、日々充実されているのですね。 青野さん自身も何度か転職をされていますが、転職理由はどういったものでしたか?
1回目の転職は、キャリアの幅を広げたいという理由でした。キャリアアドバイザーだけではなく、企業の内部で人事のキャリアを積んでみたいと考えたのです。
2回目の転職は、今まで幅広く経験した人事・人材分野の経験を活かし、「もっと新しくて、面白いことがしたい」という思いからでした。
自分に素直になると、生涯をかけて人事のキャリアを積んでいきたいとは思えなかった。もちろん人事の経験を幅広く積むことが、一般的にいってキャリアに有利であり、かつ安定した道であることはわかってました。
それでも、「もっと新しいこと、もっとわくわくすることがやりたい」という気持ちが勝ちました。 今は新鮮な経験がたくさんできていますし、日々楽しく、充実していて、一歩踏み出して良かったと心から思っています。
昔は、経済成長が前提にあったので、「入社して頑張っていれば、管理職になり年収が上がって幸せになれる」という時代もありましたが、今は全員が役職につけるわけではありません。 先述のとおり、今やっている仕事が10年後も必ずあるという保証もない。
保証のない将来を信じて、やりたくない仕事を我慢してやることが、本当に幸せなのか。 あらためて自分に問うことが必要な時代になってきたのではないかと思います。
恋するように転職しよう。あなたは誰と一緒にいると幸せ?
――「楽しさ」以外にも、仕事を選ぶ理由はあると思いますが、人それぞれで良いのですよね?
- はい。自分なりの選択軸をもって選べばいいんです。ただ、選択軸が定まらないのは、学生時代に経験する受験の影響も大きいかもしれません。
多くの方が大学を選ぶ際に、学ぶ内容よりも「偏差値」を重視しますよね。本来は環境や校風、教授についてなど調べるべき点は多いのですが、やはり一軸の「偏差値」でランクがつく。
その経験がすりこみになって、企業選びでも「良い企業と悪い企業」があるような錯覚を持ってしまうのです。
「良い企業と悪い企業」なんてものはない。あるのは「自分に合う企業と合わない企業」です。 転職は、受験ではなく恋愛をイメージすると近いと思います。
――それはどういうことでしょうか?
ほとんどの大学受験に面接はありません。相性ではなくスキルを見ているから、試験だけで良いんです。
でも恋愛では、「合うか合わないか」が大切になってくるので、実際に会って、自分がどう感じるかを確かめることが必要ですよね。
そういった意味で、転職は受験より恋愛に似ています。 また、恋愛では多くの人が「ぽっちゃりした人が好き」、「メガネの似合う人が好き」などのように、自分だけの好みや考えをもっています。周りの友達に何を言われても、簡単に変わるものではありません。 これが、自分の価値観をちゃんと持っているということです。
高学歴で高収入の人と結婚して幸せになる人もいれば、一緒にいて息苦しくて疲れてしまう方もいます。
「自分がどういう相手と一緒にいたら幸せになれるのか」は、一人ひとり違います。 転職活動も一緒で、もっと自由に仕事を選んでいくことが、「転職の成功」につながるのではないかと思います。
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