転職をしたい理由として、「年収をアップさせたいから」という声がよく聞かれます。
とはいえ、転職をしたからといって、必ずしも年収が上がるとは限りません。転職で年収が上がる人もいれば、変化のない人や下がる人がいるのも事実です。
年収を上げることを目的として転職をするのなら、なぜこのような違いが生じるのかを知っておきましょう。そうすれば、より納得のいく結果につながるはずです。
そもそも転職で年収を上げられるのか?
年収アップを目指して転職を考えている人も多いのではないでしょうか。
ただ、残念ながら必ずしも転職によって年収が上がるとは限らないのです。
例えば、転職エージェントを利用して、年収アップの希望を伝えても、「基本的に転職で年収は上がりません。」と言われてしまうことも珍しくありません。
では、なぜこのような説明をされてしまうのでしょうか。
次章以降では、「転職で年収は上がらない」と言われる原因を探りつつ、年齢×転職先のケース別に、それぞれの年収アップの可能性を考察していきます。
年収アップの可能性を年代別に考察
転職によって年収が上がるか判断の目安になるのが、転職者の年齢と、現職と転職先の業種と職種になります。
次の表は、「同業同職種」に転職した場合と、「他業同職種」「他業他職種」「同業他職種」に転職した場合の2ケースに分けて、年収アップの可能性の高さをあらわしたもの。
同業同職種に転職 | 他業界または 他職種に転職 |
|
---|---|---|
20代前半 | UP↑ | UP↑ |
20代中盤 | UP↑ | UP↑ |
20代後半 | UP↑またはSTAY→ | DOWN↓ |
30代以降 | UP↑またはSTAY→ | DOWN↓ |
この表から読み取れる事は、
・20代中盤までなら、どのような業種や職種に転職しても年収が上がりやすい傾向がある
・20代後半以降は、同業種同職種への転職なら年収が上がる可能性がある
・20代後半以降の他業種や他職種への転職は、年収が下がりやすい傾向がある
ということです。
では、なぜこのような結果になるのか、その理由を探っていきましょう。
20代中盤までの転職はなぜ年収が上がりやすいのか
新卒入社時のベース給が低いから
20代前半から中盤の年代の人は、いわゆる「第二新卒」と呼ばれる年代に該当します。
この年代の人が転職すると年収が高くなりやすいのは、いくらスキルや能力があっても、新卒時に安く買い叩かれてしまっているケースがあるからです。また、年功序列の伝統が色濃く残る日本の多くの企業においては、この年代のベース給は低めに設定されていることが一般的。
そのため、スキルや能力を正しく判断し、評価してくれる企業へ転職すれば、年収が上がる可能性は高くなるのです。
「フレッシュさ」と社会経験を併せ持つから
第二新卒くらいまでの年代であれば、未経験者を歓迎する求人も多数あります。というのも、第二新卒には新卒と同じような「フレッシュさ」があると見られ、転職先の企業の社風にも馴染みやすいと考えられているからです。また、第二新卒ならではの強みに、既に社会人として就業経験があるため、社会人としての基本的なマナーを身につけている、という点も挙げられます。
このように、新たな仕事にも柔軟に適応できる可能性のある第二新卒は、他業界や他職種への大幅なキャリア転向も成功しやすいのです。
とはいえ、まったく経験のない職種に転職する場合、給与は新卒と同じ水準で設定されやすく、現在の年収よりも下がってしまう可能性もあります。
ですが、初任給が高めに設定されている企業や職種へ転職したり、今のスキルや能力を正当に評価してくれる企業に転職すれば、年収アップも夢ではありません。
20代後半以降の転職
同業同職種への転職では年収アップが狙える
20代前半から中盤までの「第二新卒」世代が転職で年収が上がりやすいことに対し、20代後半以降の年代は、同業種・同職種への転職でしか年収アップを狙いにくくなってしまいます。一体、なぜなのでしょうか。
それは、企業側は転職市場において、この年代の求職者に対し、「即戦力」を求めているからです。企業が重視するのは、求職者のポテンシャルよりも前職の経験や実績。入社後はすぐに第一線で活躍してくれることを求職者に期待しているのです。
そのため、同業種同職種への転職であれば、前職での経験や実績が評価され、年収がアップすることがあります。
他業種他職種への転職では年収が下がりやすい
一方、業界や職種が変わる場合、その業界や仕事について、一から学び直さなくてはなりません。そのため、第一線で働けるようになるまで、企業側に学習コストが発生してしまうのです。
また、学習期間中はなかなか売り上げを作れなかったり、企業への貢献度は低いことが想定され、企業からは高い評価を受けにくくなってしまいます。
さらに、個々人の能力は別として、一般的に高年齢になるほど、学習吸収スピードが遅くなると考えられる傾向があることも、20代後半以降の求職者にとってのネックポイントのひとつ。そのため、年齢が高くなればなるほど、他業種多職種への転職はハードルが高くなってしまいます。
このようなことを踏まえ、20代後半以降の人が未経験分野への転職をする場合、年収が下がることは覚悟しておいたほうがいいでしょう。
転職の最終目的を明確にして、年収以外の条件や業務内容も確認を
ここまでお伝えしたように、20代前半から中盤までの年代の人は、他業種や他職種など未経験の分野に転職しても年収アップが狙えますが、20代後半以降の人は、同業同職種に転職しないと、年収が下がる可能性が高くなってしまいます。
この年代は、結婚や出産、さらには住宅の購入など、出費がかさみやすい年代でもあるため、年収が下がることが大きなリスクになってしまうと考えられます。
また、年収アップだけが目的の転職であるならば、年収が上がらないのであれば、転職する意味がなくなってしまいます。
とはいえ、年収だけが転職の目的ではなく、仕事のやりがいや働きやすさ、社風、人間関係など、さまざまな理由が複雑に絡み合って、転職を考えている人の方が多いのではないでしょうか。
そのような人は、年収だけにとらわれて転職をすると、「やりたい仕事と違った」「実は激務だった」など、転職した後にミスマッチが発覚する可能性も否めません。
転職したことを後悔しないためにも、自分が「なぜ転職したいのか」という転職理由を明確にしたうえで、年収以外の諸条件や業務内容などもしっかり確認することが大切です。
まとめ
転職と年収について解説してきましたが、いかがでしたか?
転職市場において、20代中盤くらいまでの超若手層は売り手ではあるものの、20代後半からは、募集のある職種において、年齢相応以上の実績が伴っていないと、転職しても年収は上がりにくくなってしまいます。
そのため、転職して年収を上げたい人が今できるのは、現職での実績を作ること。たとえ現職での年収が見合わなかったとしても、そのスキルや実績を正しく評価してくれる企業はあるはずです。
年収を上げたいなら、とにかく目の前の仕事にベストを尽くすのが一番です。年収アップの秘訣は、結局は当たり前のことに尽きるのです!
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