「働く」という領域が好き
-転職会議を作ろうと思ったきっかけは?
そうですね。
今改めて考えると3つあったな、と思っています。
“不便”と“違和感”と“幸せ”です。
-なるほど。ではまず、“不便”とは具体的に何ですか?
当時、転職活動に必要そうな情報が全て揃っているサイトがなかったんです。転職者からしたら明らかに不便。
全部集約させたいなと思いました。
例えば、ニュース、社長のインタビュー、売上、2ch情報、評判…とか。
だから、転職者が欲しい情報を全部集約して、徹底的に整理したサイトを作りたかった…っていうのが、まずありました。
-違和感は?
「ブラック企業」という言葉に対して抱きました。当時「ブラック企業」という言葉が取り沙汰され始めていて。
なので、考えたんです。ブラック企業の定義を。
結果として、定義ではないのですが、人と企業のミスマッチが生み出している言葉でもあるなって気が付きました。
もちろん、明らかに誰が見てもブラック企業は一定数存在しているとは思います。
- 一方で、Aさんから見たらブラック企業だけど、Bさんから見たらホワイト企業というケースもかなりあると思うんですよね。
つまり、「ブラック企業」問題には、企業の体質そのものと、マッチングが最適化されていないという2つの問題が内在していると考えていて。
後者は、企業と転職者のマッチングが最適化されれば解決できる問題で、それは実際に企業で働く方々のクチコミを集めて、情報格差をなくしていくことで実現できるのではと考えました。
-最後の幸せはどうでしょう?
以前「幸せ調査」というアンケートをやっていたんです。「幸せって何か」というシンプルなアンケートなんですが、そこで幸せの指数と相関が強い項目が、仕事と家庭だったんです。明確に結果が出ていました。 やっぱり人間は、仕事と家庭が充実していると幸せを感じるんです。で、私は「働く」という領域が好きだなって。
だから自分たちのサービスで、ここを突き詰めていきたいと。
少し話しはずれますが、仕事に関するマッチングのインパクトってすごく大きいと思うんですよ。
GDP5%とか平気で変わるんじゃないかと思ってます。
写真を眺めながら、自分自身が仮想ユーザーになりきる
-ちなみにそもそもご自身は転職未経験ですよね。経験がない中で、転職に必要なものをどうやって定義していったのですか?
- 確かに転職経験はありません。なので、あたりまえのことですが、かなりの数の方にインタビューしました。 それと、きっと使ってくださる方はこんな方だろうなという仮想ユーザーの写真も用意して、その写真を眺めながら、自分自身が仮想ユーザーになりきるということもしました。
仮想ユーザーになりきって、その方の転職活動を自分事として妄想しまくる。
妄想力は比較的ある方なので、私の得意技です(笑)。
あとは、検索キーワード数からニーズを調べたりしました。
評判、2ch、年収、業績、社長…とか。皆さんが検索したいと思っている情報が、全部まとまってるサイトだったら便利だな、っていう思いもあり。
-立ち上げた当時の印象に残っていることはありますか?
ユーザーから、「おかげで自分にマッチした転職先を見つけることができました。」というメールをいただけた時はやっぱり嬉しかったですね。
もちろんたくさんの方に使っていただけているってことも凄く嬉しいんです。それはPV数やUU数で明確にわかることで。
でも、転職は人生を決める本当に大きな決断。
だからこそ、判断できるに足る情報提供ができたっていう明確な実感を持てたことは本当に嬉しかったです。
たまに企業様にお叱りを受けることもありましたが、精一杯対応した結果、気持ちが通じたのか、後日お菓子を送っていただいたこともあったりしました(笑)。
「良い・悪い」と「合う・合わない」は違う
-今の転職の課題感は?
適材適所っていうのはまだできてないと感じます。
転職会議を立ち上げた当時よりは、だいぶ良くなっているとは思うけれど、まだまだだなと。
正確で必要十分な企業情報の理解という文脈もあるけれど、ユーザーが自分自身を知らないということもあるなと。
例えば、転職活動している人が、うち(リブセンス)一社だけしか受けてないのに「ここにします!」って仰っていただいた時なんて、嬉しい半面「もう少し選ばなくていいの?」って思ってしまいますね(笑)
しっかり検討を重ねたうえでの選択ならばいいと思いますが、目の前の不安やその瞬間の感情に寄り過ぎた意思決定になってしまっている方も多いなと感じます。
-最後に理想の転職サービスは?
誰もが簡単に「自分に合う・合わない仕事」を見つけられるサービス。転職会議を含めまだまだできていない。
「良い・悪い」は人それぞれだから、あくまで「合う・合わない」を突き詰められるサービス。
サイトはまだまだ精度が低いし、人材紹介も誰もがという文脈ではできていないと思います。使える方が限られていることもある。
なので、個人の志向性と企業のタイプを捉えて、正確にマッチング出来るようなサービスを作りたいと思います。
これは転職会議を始めた頃の思いと変わりなく、そう思います。
<プロフィール>
村上 太一
株式会社リブセンス 代表取締役社長
1986年東京都生まれ。高校時代から、創業メンバー集めなど起業準備を開始。
2005年、早稲田大学政治経済学部入学。
同年7月、早稲田大学のビジネスプランコンテストで優勝し、2006年2月、大学1年生でリブセンスを設立。
2011年12月に東証マザーズ、2012年10月に東証一部へ史上最年少25歳で上場。
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