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一生に必要なお金はいくら? 20代から備えたい5つの大きな支出

人生100年時代と言われる昨今、一生でどのくらいのお金が必要になるのでしょうか? 身の丈にあった最低限の生活を送れればいいと思っている人でも、生涯における大きな出費には備えておいたほうが安心です。想定される支出や20代からのマネープランについて、ファイナンシャルプランナーの歌代将也さんに話を伺いました。
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一生に必要なお金はいくら? 20代から備えたい5つの大きな支出

人生100年時代と言われる昨今、一生でどのくらいのお金が必要になるのでしょうか? 身の丈にあった最低限の生活を送れればいいと思っている人でも、生涯における大きな出費には備えておいたほうが安心です。想定される支出や20代からのマネープランについて、ファイナンシャルプランナーの歌代将也さんに話を伺いました。
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近年、バリバリと仕事をこなして大金を稼ぐような生き方よりも、必要な分だけ稼いで身の丈にあった生活を送れたら満足だと考える人も少なくありません。

とはいえ、それほどお金が必要ではないと考えている方も、生涯で発生する大きな支出には備えておきたいもの。人生100年時代と言われている昨今、一生でどのくらいのお金が必要になるのでしょうか?

想定される5つの大きな支出と、20代から知っておきたいマネープランについて、ファイナンシャルプランナーの歌代将也さんが解説します。

一生で最低限必要なお金の総額は?

一生で必要なお金は、ざっくり2~3億円だとされています。もちろん個人差も大きく、その人の生き方次第です。

その中でも大きく異なってくるのは、独身者と既婚者を比較した場合です。一人あたりで考えると、独身者よりも既婚者のほうが生活費を節約しやすいでしょう。

例えば、既婚者は家賃や通信費などを家族と協力して負担できるため、一人あたりの支出を抑えられ、一生でかかるお金は安く済むと言えます。また、専業主婦(夫)のような被扶養者は、本人が健康保険料を負担する必要がありません。一方で扶養者も、扶養親族がいると所得税の計算時に毎年38万~63万円の控除が受けられます。このように既婚者は、条件を満たすとさまざまな面で支出を抑えることができます。

しかし、個人単位で見ると変わってくる場合も。例えば、専業主婦(夫)になった場合は、配偶者に扶養されることになるため、自分でお金を稼いで使うことはほとんどないでしょう。その分配偶者は、家族を養うために大きな負担を背負っていることになります。一方共働き世帯では、前述の通り1人より2人のほうが節約でき、負担が軽くなる部分はありますが、お互い扶養関係ではないため、健康保険料や所得税の控除はありません。

独身者や既婚者に関わらず、どのような生き方を選択するかで必要なお金の総額は変わります。もしかすると、予想していなかった方向へ人生が進んでいくことも。そのため、一生で必要なお金は2~3億円と幅をもたせて考えておく必要があります。

一生で想定される5つの大きな支出

一生で特にお金がかかるものとして挙げられるのは、結婚資金、出産資金、教育資金、住宅資金、老後資金です。短期間でまとまった支出が発生するイベントなので、ある程度の準備が必要になります。

結婚資金

結納・婚約から新婚旅行までにかかる費用の総額は、平均で約469万円とされています。その中には、結婚式や新婚旅行などの費用だけでなく、婚約指輪や結婚指輪、両家顔合わせの食事会などの支出も含まれています。(ゼクシィ結婚トレンド調査2020より

しかし結婚費用は、親族や友人から受け取るご祝儀などで、ある程度はカバーできるのが一般的です。また、昨今は挙式をしない夫婦も増えています。そういった場合は、結婚費用を大幅に抑えることができるでしょう。

出産資金

出産費用は、平均で約46.7万円(室料差額などを除く)とされています(厚生労働省「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について」より)。基本的に妊娠・出産でかかる費用には、健康保険が適用されません。そのため費用も大きくなり、かかる病院によって支出も異なってきます。また、母子の健康状態によっては入院が必要になったり、自然分娩ではなく緊急帝王切開になったりなど、急遽追加でお金が必要になることも。

国や自治体は、妊娠・出産時の金銭的負担を軽減させる制度を用意しています。例えば加入する医療保険制度(健康保険・国民健康保険)からは、「出産育児一時金」として子ども1人につき一律42万円が支給されます。そのほか、勤務先の健康保険に加入して産前産後休業を取得する場合は、出産手当金を受け取ることも可能です。

出産は結婚と違い、自分の好きなタイミングで実行できるものではありません。そのため、子どもを持つつもりであれば、いつ出産しても大丈夫なようにお金を準備しておく必要があります。

教育資金

子どもを持つ予定の場合は、教育資金も確保しなければなりません。文部科学省の調査によると、子ども一人あたりの教育費用総額(小学校から大学まで)は約938万円だとされています(文部科学省「子供の学習費調査(平成30年度)」、「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」より)。これは、小学校から高校までは公立校、大学のみ私立校である場合を想定しているため、それ以前から私立校に進学させたい場合はさらにお金が必要になります。

教育費は、子どもの年齢とともに膨らむため、子どもが小さなうちから計画的に貯めておく必要があります。ただし、どの時期にどのくらいお金がかかるかを予測しやすく、貯金目標が立てやすいのが特徴です。子どもを持つ人は、子ども本人とも相談しつつ、早めのうちから教育プランを立てて貯金を始めるのがいいでしょう。

住宅資金

マイホームの購入は、人生最大の支出になる場合もあります。住宅の平均購入価格は、建売住宅だと約3,605万円、マンションだと約4,528万円です(住宅金融支援機構「2021年度フラット35利用者調査」より)。無理のない額で住宅ローンを借り入れるためには、その分頭金として現金を用意する必要があります。一般的には、物件価格の2割を現金で用意することが望ましいと言われています。購入後の金銭的負担を減らしたい場合は、購入したいマイホームの規模と、それにかかるお金を見据え、早い段階から計画的に貯金しましょう。

老後資金

現在の高齢者の平均的な生活費は1世帯あたり月26万円ほどとなっています(総務省「家計調査報告(家計収支編)」2020年平均結果の概要より)。

生活費については年金収入を柱にする場合が多いため、年金収入をいかに上げるかを考える必要があります。会社勤めの人が加入する厚生年金は、現役時代の収入が高ければ、老後にもらえる額も増える仕組みとなっています。老後資金の不安を無くすためには、できるだけ長く働いて長く給料をもらうこと、そして現役時代の年収を上げて年金受給額を上げることが重要です。

年金以外に働いて得られる収入があるという点でも長く働くことにはメリットがあり、今では、60代はもちろん、70代で働いている人も少なくありません。定年を引き上げている企業も多く、高齢者が働きやすい環境は徐々に整いつつあります。

また、老後の医療費や介護費も心配になるかと思いますが、健康保険や介護保険の対象となる部分は自己負担額を一定に抑えられる制度があります。一般的な高齢者の医療費と介護費は、年間で約60万円が上限とされており、それを超える部分は払い戻される仕組みとなっています。

老後資金は、いつまでに、どのくらいのお金が必要なのかを推測するのが難しいものです。目の前の結婚資金や住宅資金、子育て資金と比較するとどうしても後回しになることもあるでしょう。しかし、今の生活をないがしろにしてまで、老後のために貯金をする必要はありません。目の前のライフイベントをこなしつつ、年金受給額がアップするような働き方を心がけていきましょう。

20代のうちにやっておくべきことは?

20代のうちは、いつまでにいくら貯めるといった具体的な目標を立てるよりも、まずコンスタントに貯金をする習慣を身につける方が大事です。毎月、収入の1~2割を貯金に回すことができれば安心です。貯金が無理なくできるようになってから、余裕のある範囲で投資をすればなおよいでしょう。

貯金額の目安として、最低でも半年分の生活費をまかなえる、150万円ほどが常に手元にあると安心です。ある程度の金銭的な余裕があると、転職活動にも余裕ができ、職選びの幅も広がります。また、思いがけない事故や病気などで働けなくなる場合もあるでしょう。ある程度お金の余裕を持ちつつ、無理のない範囲で貯金に回せる生き方を考えることが大事です。

文:中込有紀/ノオト

編集:リブセンス + ノオト

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